はぴテク相談室:超大富豪は、幸せだった
最近、お金のことばかり考えてしまって…。もっと稼がないと幸せになれないのかなって不安になるんです。お金と幸せって、実際どんな関係があるんでしょうか?
それは気になりますよね。実はこのテーマ、研究者たちの間でも長年議論されてきたんです。最新の研究結果も出てきたので、一緒に見ていきましょう!
研究があるんですね!どんなことが分かってるんですか?
まず流れをざっくりお話しすると、2010年に心理学者のカーネマン先生が「年収800万円くらいで幸福度の向上は止まる」と発表しました。でも2021年にキリングワース先生が「いや、収入が上がるにつれて幸福度はずっと上がり続ける」と反論。その後2023年に二人が共同研究して「上がり続けるけど、上がり方はだんだん小さくなっていく」という結論に落ち着いたんです。
じゃあ、ある程度以上稼いでもあまり変わらないってことですか?
一般的な高収入の範囲ではそうなんですが、さらに2024年7月にキリングワース先生が新しい研究を発表して、驚く結果が出たんです。数億円〜数千億円の純資産を持つ超大富豪の幸福度を調べたところ、7段階評価で平均5.5〜6だったんですよ。
それって高いんですか?他の人と比べてどうなんでしょう?
比べるとかなり差があります。年収1500万円くらいの人で4.6、年収200〜450万円くらいの人で4強という結果でした。しかも面白いのは、富裕層と中間所得層の差が、中間所得層と低所得層の差の約3倍もあったということ。つまり「ある程度稼げばもう十分」というわけではなく、超富裕層になるとさらに幸福度が大きく上がる傾向が見られたんです。
えっ、じゃあ結局お金はあればあるほど幸せってことですか…?なんか夢がないというか、手が届かない話で余計落ち込んできました。
気持ちわかります!でもここで大事な注意点をお伝えしますね。これはアメリカでの研究で、しかも「相関関係」の話なんです。つまり「お金が多い人は幸福度も高い傾向がある」というデータであって、「お金を増やせば必ず幸せになれる」という因果関係が証明されたわけではないんです。日本の文化や社会ではまた結果が変わる可能性もあります。
なるほど、そういう見方もあるんですね。でも超大富豪には絶対なれないし、じゃあ自分はどうすればいいんだろうって思って…。
実はもう一つ興味深い話があって、お金をほとんど使わない小さな村に暮らす人たちの幸福度も測った別の研究があります。測り方が違うので直接比較はできないんですが、研究者の推察では、そういった村の人たちの幸福度は超大富豪よりも高い可能性があるとも言われているんです。
え、お金がなくても幸せな人たちがいるんですか?それはなぜなんでしょう?
明確な理由は研究から断言はできないのですが、超大富豪の方々を見ていると、「なんでもやってみよう」という挑戦心や「なんとかなる」という楽観性、「ありのままでいい」という自己受容といった心の特徴がとても高そうだという見方もあります。もしかしたら、お金そのものよりも、そういった心の在り方が幸福度と関係している部分もあるかもしれませんね。
確かに…お金があるから幸せなのか、そういう前向きな心の人がお金も幸せも手に入れやすいのか、どっちかは分からないですね。なんか少し気が楽になってきました。
そうなんです、そこが研究の難しいところで、今の段階では「関係がある」という事実は分かっても、「どちらが原因か」まではまだ明らかではないんです。今の収入の範囲でも幸福度を高める要素はたくさんあるはずなので、お金以外の要素も一緒に大切にしていけるといいですよね。
■ 今日のまとめ
- 2024年の最新研究で、超大富豪(数億〜数千億円規模の純資産)の幸福度は7段階中5.5〜6と高く、中間所得層や低所得層と比べてかなり大きな差があることが分かった。
- ただしこれはアメリカでの研究による「相関関係」であり、お金を増やせば必ず幸せになれるという因果関係が証明されたわけではなく、日本など他の文化圏では結果が異なる可能性がある。
- 一方で、お金をほとんど持たない村の人々の幸福度が高いという別の研究もあり(測定方法が異なるため直接比較は困難)、幸福とお金の関係は単純ではなく、心の在り方など他の要素も関わっている可能性がある。
■ 出典・注意事項
- Matthew A. Killingsworth, 'Money and Happiness: Extended Evidence Against Satiation', Happiness Science, 2024年7月17日 https://happiness-science.org/money-happiness-satiation/(米国サンプル N=33,269、富裕層サンプル N=49 および N=2,129)
- Killingsworth, M.A., Kahneman, D., & Mellers, B. (2023). Income and emotional well-being: A conflict resolved. PNAS.
- Kahneman, D., & Deaton, A. (2010). High income improves evaluation of life but not emotional well-being. PNAS.
- 【注意事項】本研究はアメリカ在住者を対象としており、日本を含む他の国・文化圏にそのまま当てはまるとは限りません。また、お金と幸福度の間に『相関関係』が見られたという研究であり、お金が幸福度を高めるという『因果関係』が証明されたわけではありません。富裕層サンプルは人数が限られており(特にN=49のサンプル)、結果の解釈には慎重さが必要です。
研究自体の紹介はこちら😊
超大富豪は、幸せだった
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-07-18-1721340005/