はぴテク相談室:Well-being についての従業員調査における項目間の依存関係と重要性の可視
最近、職場での幸せってどうやって高めればいいのかな…ってすごく悩んでいます。うちの会社、なんとなく雰囲気が重くて、みんな元気がない感じがして。
それは気になりますよね。実は2024年に、従業員の幸福度データをAIの手法で分析した面白い研究が発表されているんです。「ベイジアンネットワーク」という、変数どうしのつながりを図にして見える化する方法を使って、職場の幸せに一番効いている要素を探った研究です。何が大事だと思いますか?
うーん、給料とか、仕事のやりがいとかですかね?
直感的にはそう思いますよね!でもこの研究で浮かび上がってきたのは、「信頼関係のある職場の雰囲気」「エネルギッシュ力(活力のある性格傾向)」「人生満足度」の3つが、職場全体の幸福度スコアを左右する最重要因子だったんです。
「信頼関係のある職場の雰囲気」って、具体的にはどういうことですか?
この研究では、「安心安全に話せる職場かどうか」「チャレンジを応援してくれる雰囲気があるか」「みんながフレンドリーに関われているか」といったことが、この信頼の雰囲気を支えていると分析されています。雰囲気が重いと感じているとしたら、こういった点が弱まっているのかもしれませんね。
なるほど。じゃあ「エネルギッシュ力」って、生まれつきの性格じゃないんですか?変えられるものなんですか?
鋭い質問ですね!この研究では、エネルギッシュ力には「挑戦力(なんとかなる!と思って行動する力)」が関連していると分析されています。ただ、これはあくまで関連の話で、挑戦力を高めれば必ずエネルギッシュになるとまでは言えません。でも、小さなことに挑戦してみる経験を積み重ねることが、活力と関係している可能性があるということは面白いですよね。
「人生満足度」を上げるには何が関係しているんですか?
この研究では、「ポジティブな感情」と「社会的地位の感覚(自分が社会に良いことをしている実感)」が人生満足度と関連していると出ています。仕事が社会の役に立っているという感覚って、じわじわ効いてくるものなのかもしれませんね。
ふむふむ。でも、なんか表面的な要素が並んでいる気がして、もっと根っこに何かあるんじゃないかって気もしてしまいます…。
すごい!実はこの研究の一番の発見がまさにそこなんです!通常の分析だと見えにくいのですが、ベイジアンネットワークで分析したら、それら最重要因子の「さらに裏側」を支えている要素として「許容力」が浮かび上がってきたんです。相手を受け入れ、許す力が、幸せ全体にじわっと効いているという結果でした。
許容力!意外でした。でもなんか、納得できる気もします。職場で「あの人はこういう人だから」って受け入れられると、たしかに楽になりますよね。
そうですよね。この研究はひとつの会社のデータなので、他の会社でも全く同じ結果になるかは分かりません。でも、「許容力」という見えにくい要素が幸せを底から支えているかもしれないという視点は、職場環境を考えるときのヒントになりそうですよね。まず自分の周りで、誰かをちょっと「まあそういう人だよね」と受け入れてみることから始めてみてはどうでしょう?
やってみます!分析の話が難しそうで最初は身構えたけど、すごく実感しやすい話でした。ありがとうございます!
嬉しいです!難しい分析手法も、「何がつながっているか」を見える化するためのものなんです。職場の雰囲気って、一つの要素だけじゃなくていろんなことが絡み合っているから、こういう分析が役立つんですよね。今日お伝えした内容、ぜひ日常のヒントにしてみてください😊
■ 今日のまとめ
- 職場の幸福度を左右する最重要因子は「信頼関係のある職場の雰囲気」「エネルギッシュ力」「人生満足度」の3つで、それぞれ安心安全な雰囲気・挑戦力・ポジティブ感情や社会貢献の実感などが関連している
- ベイジアンネットワークという分析手法により、通常の分析では見えにくい「許容力」が幸福度全体を底支えしている裏因子として浮かび上がった
- これらはひとつの企業データに基づく関連の分析であり、因果関係の確定や他企業への一般化には限界があるが、職場環境を見直すヒントとして活用できる
■ 出典・注意事項
- 出典:「Well-beingについての従業員調査における項目間の依存関係と重要性の可視化」人工知能学会全国大会論文, 2024年6月14日 https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2024/0/JSAI2024_1O3GS1103/_pdf
- 注意事項①:本研究は特定の1社(ウィルグループ)の従業員データを用いた分析であり、結果が他企業に同様に当てはまるかは未確認です
- 注意事項②:ベイジアンネットワークおよび重回帰分析による分析は変数間の「関連・依存関係」を示すものであり、因果関係(原因と結果)を直接証明するものではありません
- 注意事項③:「許容力が幸福度を高める」ではなく「許容力が幸福度と関連している」という表現が研究内容に忠実です
研究自体の紹介はこちら😊
Well-being についての従業員調査における項目間の依存関係と重要性の可視
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-06-14-1718366726/