2024.05.30

はぴテク相談室:何が人を幸せにするか? 経済的・社会的諸要因そして倫理の役割復活

相談者

最近、なんとなく毎日が充実していない気がして…。仕事もそれなりにこなしているし、お金も極端に困っているわけじゃないんですけど、なんか幸せじゃないなって感じるんです。何が足りないんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大事な気づきですね。実は「お金があれば幸せ」という考え方自体、研究の世界でも見直されてきているんですよ。明治学院大学の論文(2015年)でも、GDPや経済成長率だけでは豊かさを測るのに不十分だ、という問題提起から始まっています。あなたが感じているモヤモヤ、実はそこに通じているかもしれません。

相談者

え、そうなんですか。じゃあお金以外に何が大事なんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、幸せを3つのレベルに分けて考えると整理しやすいと言っています。①「気持ち良い生活」=楽しい・快適・気分がいい、②「良い生活」=自分の強みを活かして生きている、③「意義深い人生」=自分の存在に意味や目的を感じられる、この3つです。お金で満たされやすいのは主に①なんですよね。

相談者

なるほど…。私が感じているのは①はそこそこあるけど、②や③が足りない感じかもしれません。

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!その③「意義深い人生」を支える要素として、この研究では5つが挙げられています。「自律性(自分で選んでいる感覚)」「自信」「積極性」「人間の絆(つながり)」「人生の目的意識」です。この中で、今の自分に一番欠けていると感じるものはありますか?

相談者

うーん…「人生の目的意識」と「人間の絆」かな。仕事が忙しくて、友人とも疎遠になってるし、これのために生きてる!みたいなものが特にないというか。

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごく正直に言語化できていると思います。「つながり」と「目的意識」は、表面的な快楽とは違う、深くて続く幸せに関わる部分なんですよね。この研究ではこれらを「徳倫理(virtue ethics)」という考え方に近いとも述べています。難しい言葉ですが、要は「良い人間関係を育てたり、自分らしい目標に向かって生きたりすること」が、長期的な幸せに関係しているという話です。

相談者

徳倫理…なんか哲学っぽいですね(笑)。でも確かに、「今日楽しかった」じゃなくて「この人生でよかった」って思えることが少ない気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそこですよ!研究でも「幸せの深さと継続性」に注目することが大事だと言っています。一時の気分の良さだけじゃなく、積み重なって続くもの。それがあるかどうかが、充実感の違いに繋がってくるんですよね。

相談者

じゃあ具体的に何か始めればいいんでしょうか。色々知識を仕入れた方がいいのか、何か一個やってみた方がいいのか…。

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究でも「幸せの探求には学際的なアプローチが大事」と言いつつ、実は「幸せについて多様な定義を知ること自体が幸福度に関係する」という知見もあります。ただ私のオススメは、まず1つガッチリ取り組んでみることです。たとえば「今週1人、疎遠になった友人に連絡してみる」など小さくてもいい。知識を広げるのは、その土台ができてからでも十分です。

相談者

確かに、知ってるだけじゃ変わらないですよね。じゃあまず友人に連絡することから始めてみます。なんかスッキリしました!

はぴテクさん
はぴテクさん

いいですね!「人間の絆」は③の意義深い人生を支える大事な要素のひとつですから、小さな一歩でも意味がありますよ。そしてもし余裕が出てきたら、「自分は何のために生きたいか」を少しずつ考えてみるのもいいと思います。焦らず、自分のペースで探っていきましょう!

■ 今日のまとめ

  • 幸せは「気持ち良い生活」「良い生活」「意義深い人生」の3つのレベルに分けて考えられ、お金(経済的豊かさ)は主に一番浅いレベルに関係しやすい
  • 「意義深い人生」を支えるのは、自律性・自信・積極性・人間の絆・目的意識の5要素であり、深くて続く幸せに関わっている
  • 幸せについての知識を広げることも大切だが、まず1つを実践することが変化への近道

■ 出典・注意事項

  • 出典:明治学院大学『国際学研究』第48号(2015年)「何が人を幸せにするか? 経済的・社会的諸要因そして倫理の役割復活」https://meigaku.repo.nii.ac.jp/record/1297/files/kokusai_48_91-109.pdf

  • 注意事項①:本論文は経済学・思想史・倫理学・心理学・脳科学などを横断した「試論(考察論文)」であり、実験や統計による因果関係の証明ではありません

  • 注意事項②:紹介された要素(自律性・つながりなど)と幸福の関係は相関や理論的整理に基づくものであり、これらを実践すれば必ず幸せになれると断言できるものではありません

  • 注意事項③:「幸せの多様な定義を知ると幸福度が高まりやすい」という知見は本文中で別途言及されており、本論文とは異なる研究に基づく可能性があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
何が人を幸せにするか? 経済的・社会的諸要因そして倫理の役割復活
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-30-1717106403/

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