2024.05.27

幸せを恐れて避ける、幸福恐怖症

についての論文が出ていました。

・幸福恐怖症(Cherophobia)とは、幸福や喜びを感じることを恐れたり、避けたりする心理的傾向のことを指します。

 幸福恐怖症の人は、幸せになることで悪いことが起こるのではないかと不安を感じ、幸福を脅威ととらえる傾向があります。

・幸福恐怖症は、ストレスや不安などメンタルヘルスの問題に関連し、幸福度を落とす。

・幸福恐怖症は、文化や社会規範などによって複雑な要因があるが、その背景に幸福を忌避する非合理な信念がある。

・幸福恐怖症を治すには、

 なんで幸せを恐れるのか、その背景となる信念の特定。それは現実的でないことを体感する。

 その際に、小さな幸せを意図的に味わうのが大事。(幸せの良さを味わってもらう。)

との事でした。

↓にも近しい感じがします。

そもそも仕事はつらいもの(反労感情)?

https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1666297927514232/

まずは、幸せに働くというものが現実にあることを認識し(なるべく自分自身もしくは周りの人で)、

働く中で感じた幸せを意図的に味わう。

ことで、非合理な信念も変えていけそうです😊

(というか既に普通にやってるような。ただ関われたら出来ますが、関わらなくても出来るようにしたい。)

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■幸福を恐怖する4つの理由

ジョシャンルーとウェイジャーズ(2014)によると、人々が幸福を恐れるべきだと信じる4つの理由があります。

a) 幸福は不快なことを引き起こす

b) 幸福は人を道徳的に堕落させる

c) 幸せや陽気な感情を表すことは自分や他人に有害である

d) 幸福を追求することは自分や他人にとって悪いことである

例えば、

・幸せになった後には必ず不幸が襲ってくるという考え方です。「いいことの後には悪いことがある」というような因果関係を信じ、幸福を経験した後に不運や悲劇が起こるのを恐れます。

・幸せになることで、他者から嫉妬されたり、妬まれたりするのではないかという不安を抱く場合もあります。自分の幸福が他者を不快にさせ、人間関係に悪影響を及ぼすことを恐れます。

・幸福は長続きしないと考え、一時的な幸福の後に訪れる喪失感や落胆を恐れることもあります。幸せな状態から現実に引き戻されることへの不安を感じます。

など。

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■その背景となる非合理的な信念

①幸福は長続きしないという信念

「幸せは永遠に続かない」「いいことの後には必ず悪いことがある」といった考え方です。幸福はつかの間のものであり、必ず不幸が後に続くと信じています。

②幸福になることは自分にふさわしくないという信念

「自分は幸せになる資格がない」「幸せになるには良い人間でなければならない」などの考え方です。自分は幸福を享受するに値しない存在だと感じています。

③幸福は危険であるという信念

「幸せになりすぎると現実が見えなくなる」「幸福は脆弱さににつながる」といった考え方です。幸福になることで注意力が散漫になり、危険に対する警戒心が薄れると信じています。

④幸福は自分勝手であるという信念

「幸せを追求することは利己的である」「他者を犠牲にして幸せになるべきではない」などの考え方です。幸福を追求することは自己中心的で、道徳的に問題があると感じています。

⑤幸福は努力の結果でなければならないという信念

「苦労なしに得た幸せは本物ではない」「幸福は努力して得るべきもの」といった考え方です。容易に得られた幸福は価値がないと信じています。

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■特に、アジア文化圏で多い

要因としては、下の4つ。

①集団主義的な文化:

アジアの多くの国々では、個人よりも集団の調和を重視する傾向があります。個人の幸福を追求することは、時として自己中心的だとみなされる可能性があります。

②謙虚さの重視:

謙虚さは多くのアジア文化で美徳とされています。自分の幸福を誇示することは、謙虚さに反すると受け取られる可能性があります。

③運命論的な世界観:

アジアの一部の文化では、運命や宿命を重視する傾向があります。幸福は一時的なものであり、不幸もまた避けられないものだと考えられています。

④感情の抑制:

感情をオープンに表現することは、一部のアジア文化では奨励されません。幸福を含む強い感情を表に出すことは、時として適切ではないとみなされます。

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■3つの対処方法

これらの療法は、クライエントが幸福恐怖症の根底にある非合理的な信念を特定し、修正するのを助け、幸福を肯定的に受け止め、追求できるようにサポートします。セラピストとの協力的な関係の中で、クライエントは徐々に幸福を享受することへの抵抗を減らし、情緒的に健康で満足度の高い人生を送れるようになります。

①エクスポージャー療法:

この療法は、恐怖対象に徐々に近づいていくことで、恐怖心を克服することを目指します。幸福恐怖症の場合、幸せな状況や感情に徐々に触れていくことで、幸福に対する恐怖心を和らげていきます。たとえば、小さな幸せな出来事を意識的に味わうことから始め、徐々により大きな幸福を経験できるようにしていきます。これにより、幸福を脅威と感じる程度が減少し、幸福を肯定的に受け止められるようになります。

②認知行動療法(CBT):

CBTは、非合理的な思考パターンを特定し、それを修正することで、感情や行動の変化を促す療法です。幸福恐怖症の場合、幸福に関する非合理的な信念(例:「幸せになると必ず悪いことが起こる」)を特定し、それが現実的ではないことを理解します。セラピストは、そうした信念に挑戦し、より柔軟で現実的な考え方を促進する手助けをします。また、行動実験を通じて、幸福を追求することの利点を体験的に学ぶこともできます。

③ポジティブ心理学療法:

ポジティブ心理学は、幸福や人生の意義、強みに焦点を当てる心理学の一分野です。ポジティブ心理学療法では、クライエントが自分の強みを発見し、育むことを目的とします。幸福恐怖症のクライエントの場合、幸福を肯定的に捉え、追求することの重要性を理解できるよう支援します。感謝の気持ちを育むことや、人生の意味を見出すことなどに取り組むことで、幸福に対する前向きな姿勢を培います。また、マインドフルネスや瞑想などのテクニックを通して、現在の幸福を十分に味わう力を養うこともできます。

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■幸福恐怖症の他の研究

①文化を超えた幸福への嫌悪:人々が幸福を嫌う場所と理由の考察

https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-013-9489-9

Joshanloo et al. (2014)の研究では、日本、韓国、中国、台湾などの東アジア諸国で、幸福恐怖症が西洋諸国と比べて高い傾向があることが示されました。

②幸福に対する恐怖の信念が人生満足度尺度に対する反応に与える影響

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886912005429

Joshanloo (2013)は、イランでも幸福恐怖症が比較的高いことを発見しました。これは、イランの文化が集団主義的であり、個人の幸福よりも社会的調和を重視する傾向があるためだと考えられています。

③幸福への恐怖は、行動抑制システム(BIS)と行動活性化システム(BAS)の性格モデルよりも主観的および心理的な幸福を予測する。

https://www.researchgate.net/publication/333356999_Fear_of_happiness_predicts_subjective_and_psychological_well-being_above_the_behavioral_inhibition_system_BIS_and_behavioral_activation_system_BAS_model_of_personality

Murat et al.(2018)は、幸福への恐怖は、主観的幸福と心理的幸福の両方に、負の影響を与える。(ただし心理的幸福の人生の目的以外)

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幸福への恐怖とメンタルヘルスの関係とその予防策

Fear of Happiness with Relation to Mental Health and It’s Preventive Measure

2024/4/29,International Journal For Multidisciplinary Research

https://www.semanticscholar.org/paper/Fear-of-Happiness-with-Relation-to-Mental-Health-Laha-Chatterjee/daf498364c9b88693e8d3d95c80d71faae3b77bf

本研究は、「幸福への恐れ」という複雑な現象について、その社会的意味合い、心理的基盤、予防策などを検討するものである。幸福への恐怖は、一般的な幸福感、対人関係、人生満足度に大きな悪影響を及ぼす。それは潜在意識下の信念や過去の経験によって引き起こされることが多い。本稿では、幸福への恐怖がさまざまな状況でどのように現れるのか、またなぜそれが精神衛生上有害であり、自己破壊的行動や不安の増大、抑うつにつながるのかを探る。これには心理学理論と実証的研究を用いる。さらに、幸福への恐怖に対処するための予防策や介入策についても論じている。それらは、マインドフルネス・エクササイズ、認知行動法、ポジティブ心理学セラピーで構成されており、好ましくない観念を取り除き、セルフ・コンパッションを育み、レジリエンスを強化することを目的としている。

論文紹介 なんとかなるありのままに 主観的幸福・幸福測定文化と幸福・日本的幸福感情・レジリエンス

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