2024.05.22

はぴテク相談室:アリストテレス流の倫理学を現代版として再構成したエウダイモニア主義

相談者

最近、なんか毎日一生懸命がんばってるのに、幸せを感じられなくて。「幸せになるために努力する」って考え方自体が、なんか違う気がしてきたんですよね。はぴテクさん、これってどう思いますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大事な気づきだと思いますよ。「幸せのために努力する」という考え方、実は哲学の世界でも長年議論されてきたテーマなんです。福岡大学の研究で紹介されている「徳倫理学」という考え方が、そのモヤモヤを整理するのに役立つかもしれません。少し聞いてみますか?

相談者

徳倫理学…?なんか難しそうですけど、気になります!どんな考え方なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

簡単に言うと、「どう生きるか」を考える哲学です。その中に大きく2つの立場があって、一つは「エウダイモニア主義」、もう一つは「多元主義」と呼ばれています。エウダイモニアっていうのは古代ギリシャ語で「幸福」や「よく生きること」を意味する言葉です。

相談者

エウダイモニア主義のほうは、どんな考え方なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

アリストテレスという哲学者が代表的なんですが、「人間の究極の目的は幸福(エウダイモニア)にある」という考え方です。勇気・誠実さ・思いやり・賢明な判断力といった「徳」を身につけて実践することが、幸福な生き方につながるとされています。ここでの徳は、幸福を達成するための大切な手段として位置づけられているんですね。

相談者

なるほど。じゃあ「幸せになりたければ、まず良い人間になれ」みたいな感じですかね。でも、それって少しプレッシャーに感じることもあって…

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!実はその点が批判されているんです。エウダイモニア主義には「利己主義になりやすい」という問題が指摘されています。つまり「自分の幸福のために徳を積む」という構図になりがちで、他者への思いやりや、どうしても避けられない悲劇的な状況とのぶつかり合いをうまく説明しにくいという弱点があるんです。

相談者

確かに!人のために何かしたいとき、「これって自分の幸福のため?」って考え始めると、なんかおかしくなりますよね。じゃあもう一つの「多元主義」はどう考えるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

多元主義は、「幸福だけが人生の究極の目的ではない」という立場です。誠実さ、友人との絆、知識を深めること、楽しみ…こういったものは、幸福への手段としてではなく、それぞれが「それ自体として価値を持つもの」と考えます。徳も、幸福のための道具ではなく、それ自体が大切なものの一つとして捉えられるんですね。

相談者

それのほうがなんか自然な気がします!でも、色々な価値が並立したら、どれを優先すればいいか迷いませんか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそこが多元主義の課題として研究でも指摘されています。複数の価値が並んでいると、「どれをどれくらい大切にするか」を比べるのが難しくなる、という問題です。たとえば友情と仕事のどちらを優先するか、みたいなジレンマが生じやすいんですね。一方で、この立場は人間の「善く生きること」をより多面的に、豊かに捉えられるという強みも持っています。

相談者

じゃあ、どっちが正しいっていう答えはないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究でも「どちらが正解」という結論は出ていません。エウダイモニア主義と多元主義の論争は古くからあり、今後も徳倫理学の重要なテーマであり続けるとされています。ただ、この2つの視点を知っておくだけで、自分の「幸せってなんだろう」という問いへのアプローチが変わってくるかもしれませんよ。

相談者

なるほど…。私の場合、「幸せになるために努力しなきゃ」って焦っていたけど、もしかしたら誠実に生きることとか、好きな人との関係とか、それ自体を大切にするという見方もできるんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね。多元主義的な見方をすれば、「幸福のための手段として何かをする」だけでなく、「誠実であること」「大切な関係を育てること」「何かを深く知ること」、それぞれがそれ自体として意味を持ちうる、という考え方もできます。もちろんこれは哲学上の一つの立場であって、「こうすれば必ず幸せになれる」という話ではないのですが、自分の生き方を振り返る視点として使えると思いますよ。

相談者

なんか少し気持ちが楽になりました。幸せを「目指すゴール」としてだけ見るんじゃなくて、日々の中にある色々なものを大切にする、っていう感じですかね。ありがとうございます!

■ 今日のまとめ

  • 「幸福(エウダイモニア)を究極の目的とし、徳はその手段」と考えるエウダイモニア主義と、「幸福以外にも固有の価値があり、徳もその一つ」と考える多元主義という2つの立場がある。
  • 多元主義は人間の善き生き方をより多面的に捉えられる強みがある一方、複数の価値をどう比較・優先するかが難しくなるという課題も指摘されている。
  • どちらが「正解」かという結論は研究でも出ておらず、この問いは今後も徳倫理学の重要なテーマであり続けるとされている。

■ 出典・注意事項

  • 出典:「徳倫理学におけるエウダイモニア主義と多元主義」福岡大学人文論叢 2024年3月 https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/record/2000335/files/L5504_0835.pdf

  • 注意事項①:本研究は哲学・倫理学の理論的考察であり、「どちらの立場を採用すれば幸福になれる」という実証的・因果的な結論を述べるものではありません。

  • 注意事項②:紹介した内容はAIによる要約も含んでおり、原文の細部のニュアンスと異なる場合があります。詳細は原論文をご参照ください。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
アリストテレス流の倫理学を現代版として再構成したエウダイモニア主義
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-22-1716394403/

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