2024.05.21

はぴテク相談室:インスタやTiktokは世界にとって幸せか?

相談者

最近、インスタとかTikTokを見ていると、気づいたら1時間以上経っていて…なんか見終わった後に虚しくなることが多いんです。でも、やめると友達の話題についていけなくなりそうで怖くて。これって私だけじゃないですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、あなただけじゃないですよ!実はそのモヤモヤ、ちゃんと研究でも確認されているんです。アメリカの大学生を対象にした大規模な実験研究(NBER, 2023)があって、SNSをやめたくない理由の大きな一つが「自分だけ取り残される不安」だと示されているんです。専門用語では『FOMO(Fear of Missing Out)』とも呼ばれますね。

相談者

え、そうなんですか。じゃあみんな同じ気持ちでやってるってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そう言えそうなんですよ。この研究で面白い実験をしていて、「自分だけSNSをやめるとしたらどうか」と聞いたら、約9割の人が「やめたくない」と答えたんです。でも「SNSというサービス自体が世の中からなくなるとしたらどうか」と聞くと、TikTokでは約64%、Instagramでも約48%の人が「なくなってもいい(もしくはなくなる方がいい)」と答えたんです。

相談者

えっ、それって…みんなは「自分だけ損したくないからやってる」ってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者たちはそう解釈しています。「自分だけ取り残される不安がなければ、むしろないほうがいいと感じている人が多い」という状態を、研究では『集団の罠(Collective Trap)』と呼んでいます。みんながやめると言えないから、結果的に全員が使い続けてしまう、という構造ですね。

相談者

「集団の罠」か…なんかゲームみたいですね。でも、SNSって友達とのゆるいつながりを保つのには便利じゃないですか?全部悪いわけじゃないと思うんですが。

はぴテクさん
はぴテクさん

おっしゃる通りで、それはとても大事な視点です!この研究自体も「SNSが完全に悪い」と言っているわけではなくて、プラスもマイナスも両方あるんだけど、全部足し合わせると現在の大学生サンプルではマイナスが上回っていた、という結果なんです。新しいつながりや情報が得られるポジティブな面は確かにあります。

相談者

「大学生サンプル」ってことは、私みたいな社会人には当てはまらないこともありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い!そこは研究の限界として注意が必要なポイントです。この実験はアメリカの大学生を対象にしたもので、年代・文化・使い方が違う人たちにそのまま当てはまるかどうかは、まだ分からないんです。「大学生はSNSでの社会的比較や仲間外れへの不安が特に強い時期かもしれない」という可能性も考えられますよね。

相談者

なるほど。じゃあ私はどうすればいいんでしょう?やめるべきなのかな…

はぴテクさん
はぴテクさん

研究は「やめるべき」とは言っていないんです。ただ、この研究が教えてくれているのは、「取り残されるのが怖いからやっている」という状態に自分が陥っていないか、一度立ち止まって確認してみることが大切かもしれない、ということかなと思います。「楽しいからやっている」のか、「不安だからやめられない」のか、自分に聞いてみるのが出発点になりそうですよね。

相談者

確かに…楽しいというより、「見ないといけない気がする」って感じかもしれないです。なんか少し整理できた気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

その気づき、すごく大事だと思います!研究でも「取り残しの恐れ」がSNS使用の大きなドライバーになっていると示されていましたよね。「不安から使う」と「楽しいから使う」では、使った後の気持ちがきっと違うはず。自分にとって心地よい使い方を探ってみるのが、一番の近道かもしれませんね😊

■ 今日のまとめ

  • アメリカの大学生を対象にした研究で、SNSをやめたくない最大の理由は『自分だけ取り残されるのが怖い』という不安であることが示されました。
  • 『自分だけがやめる』場合は9割がやめたくないと答えた一方、『サービス自体がなくなる』場合はTikTokで約64%、Instagramでも約48%の人がなくなってもよいと答えており、みんなやめられないから使い続けるという『集団の罠』の構造が示唆されています。
  • 『楽しいから使う』のか『不安だからやめられない』のかを自分に問いかけることが、SNSとの向き合い方を見直す第一歩になるかもしれません。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Hunt Allcott, Matthew Gentzkow, Lena Song ほか『When Product Markets Become Collective Traps: The Case of Social Media』NBER Working Paper Series, No.31771, 2023年10月 https://www.nber.org/papers/w31771

  • 【関連報道】成田悠輔氏のX投稿をもとにした記事:日刊スポーツ 2024年5月21日 https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202405210000605.html

  • 【注意事項①:対象集団の限界】この研究の実験はアメリカの大学生を対象としており、他の年代・文化・国の人々にそのまま結果が当てはまるとは限りません。

  • 【注意事項②:因果関係ではない】SNS利用と幸福度の関係について、この研究は一定の条件下での余剰計測に基づくものであり、『SNSが幸福度を下げる』という単純な因果関係を証明したものではありません。

  • 【注意事項③:ワーキングペーパーについて】本論文はNBERワーキングペーパーであり、査読付き学術誌への掲載論文とは位置づけが異なる場合があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
インスタやTiktokは世界にとって幸せか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-21-1716332410/

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