はぴテク相談室:仕事と余暇は切り分けるべきだ。ただし、幸せに働いている人は別
最近、仕事とプライベートをきっちり分けた方がいいってよく聞くんですけど、私、休みの日でも仕事のこと考えちゃうんですよね。これってやっぱり良くないんでしょうか…?
それ、すごく多くの人が感じている悩みですよね!実は最近の研究で、「仕事のことを考えちゃう」と一口に言っても、何を考えるかによって幸せへの影響がぜんぜん違うことがわかってきたんです。
えっ、何を考えるかで違うんですか?どういうことですか?
はい。Journal of Organizational Behaviorに2024年に掲載された研究で、243人の会社員を2週間にわたって毎日調査したんです。その結果、仕事の「ネガティブな出来事」を引きずって考えてしまう場合と、「ポジティブな出来事」を思い返す場合とでは、翌日の気分や幸福感への影響がまったく異なることがわかりました。
なるほど!具体的にはどう違うんですか?
まず、仕事でイヤなことがあってそれをグルグル引きずって考えてしまうと、翌日のネガティブな感情と結びつくことがわかりました。これは「後ろ向きの負の反芻」と呼ばれる思考パターンで、ズバリ幸福感を下げる方向に働くんです。一方で、仕事の良かったことや楽しかったことを思い返すのは、そういった悪影響が見られなかったんですね。
じゃあ、楽しかった仕事のことを休日に考えるのはOKってことですか?
この研究の範囲では、仕事のポジティブな側面を考えることによる悪影響は確認されませんでした。さらに他の研究(Sonnentag & Niessen, 2020など)を引用する形で、仕事のポジティブな面を切り離せないでいることが、感情状態や幸福感に良い影響を与える可能性も示されています。ただしこれは可能性の話で、因果関係が証明されているわけではないので、あくまで参考程度に受け取ってくださいね。
ちなみに、ネガティブなことを引きずりやすい人って、特にダメージが大きいとか…?
鋭いです!この研究では「神経症傾向」、つまり不安を感じやすかったり気持ちが揺れやすかったりする傾向が高い人ほど、ネガティブな仕事の出来事を引きずったときの翌日への悪影響が特に強く出ることがわかりました。もともとネガティブな感情を感じやすい人は、仕事の嫌なことを休日に引きずらないよう意識することがより大切かもしれません。
私、わりと心配性なので、当てはまるかもしれないです…。じゃあ私の場合、どんなことを意識すればいいんでしょう?
この研究の知見をもとに考えると、「仕事のことを考えるな」ではなく「何を考えるか」に注目するのがポイントです。休日に仕事のことが頭に浮かんできたとき、それが「あの失敗が…」「あの人に怒られて…」というネガティブな反芻になっていないか、ちょっと気づいてみることが大事かもしれません。
なるほど、考える内容を意識するんですね。ポジティブなことを考えるのはいいけど、ネガティブなことをグルグル考えるのは避ける、という感じでしょうか。
そうです!仕事が好きで、楽しかったプロジェクトや達成感を感じたことを休日にふと思い出すのは、今のところ悪影響が確認されていないんです。一方で、「あのミス、どうしよう…」「あの人に何か思われてるかな…」という後ろ向きのグルグル思考が翌日の気分を下げる可能性があるとわかっています。
今の仕事、わりと好きなので、ポジティブに考えることも多いんです。それなら休日に仕事のことを考えても大丈夫かな、と少し安心しました!
それは良かったです!今まさに幸せに仕事できている人にとっては、無理に仕事のことを頭から追い出そうとしなくてもいいかもしれないですね。ただ、研究はあくまで相関関係を調べたもので、「ポジティブに考えれば必ず幸せになれる」と証明されたわけではないので、自分の状態を観察しながらうまくつきあっていくのがいいと思いますよ😊
「何を考えるか」という視点、すごく参考になりました!ありがとうございます。
■ 今日のまとめ
- 休日に仕事のネガティブな出来事をグルグル引きずる「後ろ向きの負の反芻」は、翌日のネガティブな感情と関連していました。
- 仕事のポジティブな側面を思い返すことによる悪影響はこの研究では確認されず、他の研究では幸福感への良い影響の可能性も示されています。
- 不安を感じやすい・気持ちが揺れやすい「神経症傾向」が高い人ほど、ネガティブな引きずりの影響が特に強く出ることがわかりました。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Lohmann-Haislah et al.(2024). Not detaching from work during leisure time: A control-theory perspective on job-related cognitions. Journal of Organizational Behavior. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/job.2792
- 【参照文献】Sonnentag & Niessen (2020); Wendsche & Lohmann-Haislah (2017)(本文中で引用)
- 【注意事項①】本研究は相関関係を調べたものであり、「ポジティブに考えること」が幸福感を高めるという因果関係が証明されたわけではありません。
- 【注意事項②】調査対象は243人の従業員で2週間のデータです。職種・文化・個人差によって結果が異なる可能性があります。
- 【注意事項③】他論文からの引用部分(ポジティブな面を切り離せないことの良い影響)は本研究で直接検証されたものではなく、可能性の示唆にとどまります。
研究自体の紹介はこちら😊
仕事と余暇は切り分けるべきだ。ただし、幸せに働いている人は別
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-01-1714600806/