はぴテク相談室:人との交流は幸せ。(特に対面)、能動的な活動は幸せ。
最近、なんとなく気分が上がらなくて…。家でひとりでスマホをぼーっと見ている時間が増えてしまっています。何か変えた方がいいのかなとは思うんですけど、何をすればいいのかよく分からなくて。
そうですか、気分が上がらない日が続いているんですね。それはちょっとしんどいですね。実は最近、「何をしているときに人は幸せを感じやすいか」を調べた面白い研究が発表されたんです。今の状況にとても関係がある内容なので、一緒に見ていきませんか?
ぜひ聞かせてください!スマホをぼーっと見ているのって、やっぱりよくないんでしょうか…。
この研究では、106人の参加者に1日5回・15日間にわたって「今何をしていたか」「どんな気持ちだったか」「幸福度はどうか」を記録してもらいました。その結果、『テレビを見る』『リラックスして何もしない』『ただ待つ』といった受け身の活動よりも、何かに積極的に取り組む能動的な活動のほうが、幸福感と関連していることが分かったんです。スマホをぼーっと眺めるのは、研究でいうと『受動的な活動』に近いかもしれませんね。
なるほど…。じゃあ能動的な活動ってどんなことですか?運動とか、ちゃんとした趣味じゃないとダメですか?
それが、意外と幅広いんですよ!研究で「能動的」とされていた活動には、運動や趣味はもちろんですが、料理、家事、買い物、人との付き合い、仕事・勉強、さらには祈ることや食事を楽しむことも含まれていました。特別なことじゃなくて、『自分が何かをしている状態』であれば十分みたいです。
それなら料理とか、私にもできそうです!でも、能動的に動くと幸せになれるのはなぜなんでしょう?
そこがこの研究の面白いところで、「瞬間的なポジティブ感情」が間に入っているということが分かったんです。つまり、能動的な活動をする→その瞬間にちょっとした喜びや興味・満足感などのポジティブな気持ちが生まれる→それが積み重なって長期的な幸福感につながる、という流れです。この『瞬間的なポジティブ感情が媒介する』部分が、幸福感の差の約12%を説明していました。
12%って少ない気もしますけど…。あと、さっきから気になっているんですが、人との交流についても何か分かりましたか?私、最近ひとりでいることが多くて。
実はそちらもとても重要な発見があって、『ひとりでいる』より『誰かと交流している』ほうが幸福感と関連していて、さらにその中でも『対面での交流』が一番強く関連していたんです。順番にすると、対面 > ビデオ通話などIT経由 > ひとり、という感じです。そしてこの関係も、瞬間的なポジティブ感情が媒介していて、その部分が幸福感の差の約25%を説明していました。
対面がいちばんなんですね!でも、なかなか人と会う機会って作りにくくて…。LINEとかでやり取りするのじゃダメなんでしょうか?
研究の結果では、LINEやビデオ通話などIT経由の交流も、ひとりでいるよりは幸福感と関連していましたよ。対面に比べると関連の強さは弱かった、ということなので、『まずはオンラインでもつながる』というのも十分意味がありそうです。できるときに対面の機会を増やしていけるといいですね、という感じでしょうか。
それを聞いて少し気が楽になりました。でも、ポジティブな感情って、なんか無理やり作るものじゃないですよね…?
おっしゃる通りで、無理に「ポジティブになろう!」と思い込む必要はないと思います。この研究が示しているのは、対面で人と会ったり、何か能動的なことをしたりすると、自然と瞬間的なポジティブ感情が生まれやすい、という関連性です。感情を直接コントロールするより、『行動の場』を少し変えてみることで、気持ちが動くきっかけになりやすいということですね。
なるほど!じゃあまず、友達に連絡して会う約束をしてみたり、家でぼーっとする時間を料理に変えてみたりするところから始めてみます。ありがとうございました!
いいですね!小さな一歩から始めるのがいちばんです。対面での交流と、何か能動的な活動、どちらも日常の中でちょっとずつ増やしていけるといいですね。今日話した研究はあくまで『関連がある』ということを示したものなので、『必ずこうなる』という保証ではないですが、日々の行動のヒントとして使ってみてください。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 対面での人との交流は、IT経由の交流やひとりでいるよりも幸福感と関連しており、その差の約25%は『瞬間的なポジティブ感情』が生まれることで説明されていた。
- 料理・趣味・家事・運動など能動的な活動は、テレビを見るなど受動的な活動より幸福感と関連しており、その差の約12%は瞬間的なポジティブ感情が媒介していた。
- 瞬間的なポジティブ感情の積み重ねが長期的な幸福感につながる可能性があり、感情を直接変えようとするより『行動の場』を変えることが一つのヒントになりそう。
■ 出典・注意事項
- 出典:Weidman, A. C., et al. (2023). Why Being Social and Active Boosts Psychological Wellbeing: A Mediating Role of Momentary Positive Emotions. Social Psychological and Personality Science. https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/19485506231218362
- 注意①:本研究は相関・媒介分析であり、『対面交流や能動的活動が幸福感を直接引き起こす』という因果関係を証明したものではありません。
- 注意②:参加者は106人と比較的少数であり、特定の集団(時期・地域・属性)に偏っている可能性があります。結果をすべての人に一般化するには慎重さが必要です。
- 注意③:媒介効果(ポジティブ感情が説明する割合)は約12〜25%であり、幸福感に影響する要因はほかにも多数存在します。
研究自体の紹介はこちら😊
人との交流は幸せ。(特に対面)、能動的な活動は幸せ。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-01-04-1704409206/