はぴテク相談室:リーダーの幸せに大切なのは、活力だ!
最近、チームのリーダーをやっているんですが、なんだかいつもぐったりしていて…。部下への対応も雑になってきている気がして、自分がリーダーとして大丈夫なのかなって不安なんです。
それは本当につらいですね。実はフォーチュン1000社の影響力あるリーダー20人にインタビューした研究があるんですが、「活力(バイタリティ)」がリーダーの幸せやパフォーマンスにとってとても大切だということが明らかになっています。「活力」というのは、自分の中にある身体的・心理的・感情的なエネルギーのことです。まず少し聞いてもいいですか?最近、何が一番しんどいと感じていますか?
うーん、部下の不満やネガティブな発言をずっと受け止め続けなきゃいけないのが、じわじわ疲れます。あと、怒りたくても我慢することも多くて…。
まさにそれ、研究でも「活力を消耗させる要因」としてはっきり挙がっているんです。他人のネガティブな考え方や感情的なズレ(感情的不協和音と呼ばれます)、そして自分の気持ちを抑えて振る舞う「感情労働」や「自制心」がリーダーの活力をじわじわ奪っていくと言われています。「ああ、これか」と感じませんか?
めちゃくちゃ当てはまります…。しかも最近、自分で考える時間がなくて、ずっと誰かの対応ばかりしている気がして。
それも研究で言う「ジョブ制御の喪失」ですね。自分で仕事の進め方をコントロールできていると感じられなくなると、活力がどんどん削られていく。逆に、活力を支えるものとして「ジョブ制御(自分で考えるための時間)」が挙げられていました。一人で静かに考える時間、最近ありましたか?
ほとんどないですね…。そういえば、活力が低いとリーダーシップにどんな影響が出るんでしょうか?
これが研究の中でもかなり興味深い部分なんですが、同じ人でも活力が高い状態と低い状態でリーダーシップがガラッと変わるんです。活力が低いと、コミュニケーションが短くなったり、部下への好奇心がなくなったり、判断が遅くなったり、近視眼的(目の前のことしか見えない)になったりする傾向が見られました。「部下への対応が雑になっている」と感じているのも、活力の低下と関係しているかもしれません。
なるほど…。じゃあ逆に、活力が高い時はどうなるんですか?
活力が高い時のリーダーは、部下との関係がポジティブになり、好奇心が旺盛で、チームに楽しい環境を作り、先を見通す広い視野を持てるとされていました。「自分もそうなりたい」と思えるような状態ですよね。だから活力を整えることは、自分のためだけじゃなく、チーム全体のためにもなるんです。
では、活力を取り戻すために何をすればいいんでしょうか?
研究では、活力を支える要素がいくつか挙げられていました。人間関係、身体的な健康、仕事の達成感、成長マインドセットやレジリエンスといった「考え方」、仕事や人生の「意味」、自然光や自然環境、強みを活かしてフロー状態になる「エンゲージメント」、そして「休暇・仕事から離れる時間」です。今の自分に一番足りていないのはどれだと思いますか?
「仕事から離れる時間」と「人間関係」かなあ。チームの人とちゃんと話せていないし、休日も仕事のことを考えてしまっています。
その2つは研究でも特に強調されていた要素です。日中でも短時間でも仕事から頭を切り離す時間を意識的に作ること、そして信頼できる人との関係を大切にすること。どちらも「すぐ大きく変える」必要はなくて、「少しだけ意識する」ところから始められますよ。たとえば、昼休みに10分だけ仕事のことを考えない時間を作るとか、部下と雑談する時間を週1回持つとか。
それくらいならできそうです。なんか、自分がぐったりしているのは意志が弱いからじゃなくて、活力が消耗する状況にいたからなんだって思えてきました。
まさにそうです!この研究が示しているのは、リーダーの疲弊は個人の弱さではなく、活力を削る構造的な要因があるということ。だからこそ、活力を意識的に育てることが大切なんです。まずは「自分のエネルギーの状態」を日々少し気にかけてみるだけでも、変化のきっかけになるかもしれません。
■ 今日のまとめ
- リーダーの活力(バイタリティ)は、感情労働・自制心・コントロールの喪失・他者のネガティブな考え方などによって消耗されやすい
- 活力が低い状態では、コミュニケーションの減少・判断の遅れ・近視眼的なリーダーシップが現れやすく、チームにも影響が出やすいことが示唆されている
- 人間関係・身体的健康・仕事から離れる時間・成長マインドセットなどが活力を支える要素として挙げられており、小さな実践から始めることが有効
■ 出典・注意事項
- 出典: Frontiers in Psychology, 2023年10月2日 "Glowing or burnt out: A qualitative investigation of leader vitality" https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2023.1244089/full
- 注意事項①: 本研究はフォーチュン1000社のリーダー20人を対象にした定性的インタビュー研究です。統計的な因果関係を示すものではなく、あくまでインタビューから浮かび上がったテーマ・傾向です
- 注意事項②: 対象者がフォーチュン1000社のリーダーに限定されているため、異なる規模・業種・文化のリーダーにそのまま当てはまるとは限りません
- 注意事項③: 活力とリーダーシップの関係は相関・関連として示されているものであり、因果関係が証明されているわけではありません
研究自体の紹介はこちら😊
リーダーの幸せに大切なのは、活力だ!
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-10-11-1697061603/