2023.05.30

はぴテク相談室:Well-Being経営についての日本語でのレビューです😍❗

相談者

会社で最近「ウェルビーイング経営」って言葉をよく聞くんですが、正直、健康経営と何が違うのかよく分からなくて…。うちの会社でも導入しようとしてるみたいなんですが、どういうものか教えてもらえますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね!実は専修大学の上田和勇先生が2023年に発表されたレビュー論文でも、まさにそこが丁寧に整理されているんですよ。まず「健康経営」は、社員の身体的・精神的な健康を管理・改善することで会社のパフォーマンスを上げようとするアプローチです。一方「ウェルビーイング経営」は、健康だけじゃなくて、社員が仕事や生活全体で「満たされている」「生き生きしている」と感じられる状態を大切にする、もう少し広い考え方なんです。

相談者

なるほど、健康経営よりもっと広い概念なんですね。でも具体的にどんな取り組みが「ウェルビーイング経営」になるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この論文では、ウェルビーイング経営の要因を大きく2つに分けて整理しています。一つが「ハード要因」、もう一つが「ソフト要因」です。ハード要因というのは、給与や福利厚生、職場環境の整備など、外から与えられる「外発的動機」につながるもの。ソフト要因は、仕事のやりがい、自分が成長している実感、会社の理念への共感など、内側からわき起こる「内発的動機」につながるものです。

相談者

ハードとソフト、両方大事ということですか?どちらかだけじゃダメなんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

論文で紹介されている企業の事例を見ると、両方を組み合わせているところが多いですね。たとえば京セラや伊那食品工業、三谷産業などの国内企業は、経営理念や社員との一体感といったソフト要因をとても大切にしています。一方でユニリーバ・ジャパンやイケア・ジャパンは、柔軟な働き方制度や多様性の尊重といったハード面の整備も充実させていると分析されています。どちらか一方だけでは不十分で、バランスが重要だというのが論文の示唆するところです。

相談者

伊那食品工業って、寒天で有名な会社ですよね。どんなウェルビーイング経営をしているんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです!伊那食品工業は「いい会社をつくりましょう」という理念のもと、社員が長く安心して働ける環境づくりをとても大切にしています。リストラをしない方針や、社員の成長を重視した経営がソフト要因の典型例として紹介されています。数十年にわたって増収増益を続けてきた実績が、ウェルビーイング経営の効果の一例として取り上げられています。ただし、これはあくまで事例の紹介であって、ウェルビーイング経営が業績向上を必ず引き起こすと証明されているわけではない点は押さえておいてくださいね。

相談者

なるほど、因果関係とは言い切れないんですね。ちなみにムーンファクトリー社って聞き慣れない会社ですが、どんな事例ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

ムーンファクトリー社は比較的小規模な企業ですが、社員一人ひとりの個性や強みを活かすことを重視した経営が紹介されています。小さな会社でもウェルビーイング経営は実践できる、という意味で興味深い事例です。大企業だけの話じゃないんですよ。

相談者

それは励みになります!でも、うちの会社がウェルビーイング経営を導入しようとするとき、何から始めればいいんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

論文では、まず自社の現状を「ハード要因」と「ソフト要因」の両面から見直すことが出発点になると示されています。たとえば、「給与や休暇制度は整っているか(ハード)」と同時に、「社員が仕事に意味ややりがいを感じているか(ソフト)」を確認することですね。どちらかが極端に不足していると、もう一方を整えてもなかなか社員のウェルビーイングにつながりにくいと考えられます。

相談者

ソフト要因、つまり「やりがい」や「理念への共感」って、会社側がどうやって育てるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

論文で紹介されている事例企業に共通しているのは、経営者自身がウェルビーイングの考え方を深く信じて、言葉だけでなく行動で示していることです。たとえば伊那食品工業の塚越会長のように、「社員の幸せが会社の目的」という姿勢をトップが体現しているケースが挙げられています。制度を作るだけでなく、経営者や管理職の姿勢や日々のコミュニケーションがソフト要因を育てる土台になるようです。

相談者

トップの姿勢が大事なんですね。健康経営との一番の違いをあらためてまとめると、どういうことになりますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

整理すると、健康経営は主に「社員の健康状態の維持・改善」に焦点を当てているのに対し、ウェルビーイング経営は「社員が仕事や生活を通じて感じる満足感・充実感・意味のある状態」全体を視野に入れています。健康はウェルビーイングの重要な一部ですが、ウェルビーイング経営はそこにとどまらず、やりがい・成長・人間関係・会社への共感なども含めて考えるのが特徴です。より人間全体を大切にしようという考え方ですね。

相談者

すごく整理できました!ウェルビーイング経営って、社員のためだけじゃなく、会社にとっても大切なことなんですね。ありがとうございました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね!社員が生き生きしている状態と、会社のパフォーマンスは無関係じゃないという考え方が、この研究の根底にあります。ただ、事例研究なので「これをやれば必ず業績が上がる」という保証ではなく、「こういう取り組みと良い状態が重なっている企業がある」という見方が正確です。自社の文化や規模に合わせて、ハード・ソフト両面をじっくり考えてみてください😊

■ 今日のまとめ

  • ウェルビーイング経営は健康経営より広い概念で、社員の身体的健康だけでなく、やりがい・成長・理念への共感など「生き生きした状態」全体を大切にする経営アプローチです。
  • 取り組みは「ハード要因(給与・制度など外発的動機)」と「ソフト要因(やりがい・理念共感など内発的動機)」の2軸で整理でき、京セラ・伊那食品工業・ユニリーバ・ジャパンなど複数企業の事例で両方のバランスが重要だと示されています。
  • 経営者・管理職がウェルビーイングの考え方を行動で体現することが、特にソフト要因を育てる土台として事例企業に共通して見られる特徴です。

■ 出典・注意事項

  • 上田和勇「Well-being 経営の構成要因と事例分析」専修ビジネス・レビュー(2023)Vol.18 No.1:15-31, 専修大学。https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/record/13313/files/3052_0018_05.pdf

  • 【注意事項】本稿は国内外の複数企業の事例を分析したレビュー論文であり、ウェルビーイング経営と業績向上の間の因果関係を実験的に証明したものではありません。紹介されている企業事例は特定の文化・規模・時代背景のもとでの事例であり、すべての企業に同様の効果が生じるとは限りません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
Well-Being経営についての日本語でのレビューです😍❗
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-05-30-1685487605/

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