2026.03.17

日本の客観的幸福度、世界一位❗主観的幸福度、世界最下位。。

〜グローバル・フラワリッシング・スタディの23カ国での調査より〜

世界の幸福度調査、グローバル・フラワリッシング・スタディ(GFS)のデータを元にした最新研究。

GFSでは主観的な幸福度を多方面から測って頂いておりますが、

そこに、客観的な幸福度(著者らの独自指標)を掛け合わせると、どうなるの?というお話。

※対象国は22カ国ですが、研究では中国と上海を別で調査しているので、23カ国での比較となっています。

世界全体としては、主観と客観は、相関が弱い。

いやむしろ、一人当たりGDPなんかは、高くなればなるほど、

人生の意味や目的、人格や美徳、社会的関係が下がっていく。

金銭的に豊かになるほど、幸せのスコアが落ちていく傾向にありました。

そして、日本の結果が凄まじく、

客観的幸福度は世界一位❗(23カ国中)

一方で、

主観的幸福度は世界最下位・・・(23カ国中)

という結果。

ここまで極端な結果を出せる日本って、面白いですね😊

以前も紹介しましたが、

主観的幸福度を構成する下記で最下位でした。

・人生の目的

・自己評価による精神的健康

・関係の満足感・充実感

・社会的サポート

・親密な友人の存在

・宗教的な礼拝への参加

・善を促進する志向性

・先を見通した行動(delayed gratification)

・希望

・感謝

・愛情を示すこと

・慈善的な寄付

・見知らぬ人への支援

・自己評価による身体的健康

・宗教的・精神的なつながり

・死後の生の信仰

・変革的な宗教体験

・宗教的な読書・聴取

・祈り・瞑想

・神・神々・霊的な力への信仰

・宗教的な中心性

・宗教的・精神的な慰め

・神に愛されていると感じる

・信仰の分かち合い

考察では、

1:東アジアの集団主義的文化が自己を控えめに評価している?

→でも、同じく集団主義の中国ではそんな傾向はない。

し、主観的でも、日本が上位に入っている項目もある。

2:KAROSHI(過労死)という言葉を産んだように、働き方文化がヤバい?

3:変な出方をしているのではなく、本当に日本が苦しんでいる?

などされていました。

うーん、ちょっと日本の幸福度を爆上げしていく為にも、向き合って考えていく必要がありますね。。。

※参考_客観的幸福度は、以下の7項目より算出

・大気の質

・平均寿命

・一人当たりGDP

・失業率

・民主主義指数(政治的自由の度合い)

・就学期待年数(子どもが学校に通うと予測される年数)

・収監率(人口10万人当たりの受刑者数)

ーーー

グローバル・フローリッシング・スタディの国別報告書:22か国における幸福度比較評価の事例研究

The Global Flourishing Study national report card: A case study in comparative wellbeing assessment across 22 countries

Tim Lomas et al.、プレプリント、2026/3/14

https://www.researchsquare.com/article/rs-8426416/v1

各国の状況を評価することは、客観的指標(例:GDP)であれ主観的指標(例:生活評価)であれ、単一の指標や指数に頼る傾向が広く見られることを考えると、非常に難しいことで知られています。根本的な問題は、国とその繁栄は多次元的であり、さらに、ある面では優れているが、別の面では劣っている(たとえ一部の国が他の国よりも多くのことを「正しく」行っているとしても)ため、繁栄の包括的な評価は、きめ細かく多面的なものでなければならないということです。私たちは、グローバル繁栄研究(GFS)に参加した22か国を対象に、GFSにおける77の自己申告による繁栄関連指標(207,919人の参加者を含む)と34の国家レベルの客観的指標を評価・比較することで、このことを実証します。結果は複雑な様相を示しています。まず、自己申告による幸福度(12のGFS項目を含む指標による)と客観的幸福度(本稿のために作成された7つの指標による指標による)の間には、比較的控えめな正の相関しか見られず、個人レベルのGFSデータを使用した場合のrは0.32、国平均を使用した場合のrはわずか0.15に低下した。次に、すべての指標で「最高」の国はなく、国によって主観的指標で平均6.1ランク、客観的指標で平均5.4ランクの差があった。例えば、主観的指標で上位3位だったのはインドネシア、フィリピン、メキシコだったが、客観的指標ではそれぞれ16位、13位、12位に過ぎなかった。客観的指標では、日本、ドイツ、オーストラリアが上位を占めた(逆に、主観的指標では最下位、18位、17位だった)。そのため、日本は客観的指標では1位だが、主観的指標では最下位という驚くべき結果となった。各国の繁栄の複雑さを明確にし、解釈するために、各国ごとに、主観的および客観的な観点から上位5つの強みと弱み、そして総合的な指標スコアを示す国別「成績表」を作成し、提示・解釈します。これは、教育者が生徒の進歩を励ますと同時に建設的な批判の視点から伝える方法から着想を得ています(ただし、このアプローチが国を評価する唯一の方法ではないことを謙虚に認識しています)。この結果は、社会レベルでの繁栄をより深く理解し、促進しようとするすべての人にとって有益となるでしょう。

投稿者によるコメント・補足(2件)
コメント 1

【研究内容】
■ この研究は何を明らかにしようとしたのか
「どの国が一番幸せか」という問いに対して、私たちはGDPや生活満足度といった単一の指標で答えようとしがちです。しかし、そうした単純な数字は国の実態を大きくゆがめてしまいます。
この研究は、22か国・約20万8千人のデータを用いて、国の「繁栄(フラーリッシング)」を多角的に評価することを目的としています。繁栄とは、人生のあらゆる側面が良好な状態にあることを指します。
ーー
■ 研究の背景:なぜ単一指標では不十分なのか
▼ GDPの限界
国際的な豊かさの指標として長く使われてきたGDP(国内総生産)は、経済規模は測れても、人々が実際に幸せかどうかは測れません。
▼ 生活満足度の限界
世界幸福度報告書(World Happiness Report)で使われる「生活評価(人生はどのくらい良いか)」という指標も、GDPと強く相関しており、豊かさ以上のことをあまり反映していないという指摘があります(Nilsson et al., 2024)。
▼ フィンランドのパラドックス
世界幸福度ランキングで8年連続1位のフィンランドでも、精神的健康問題や薬物使用の割合はEU平均より高いとOECDが報告しています(OECD, 2019)。「幸せな国」というラベルだけでは見えてこない問題があるのです。
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■ 使用したデータと指標
▼ 主観的指標(自己報告)
Global Flourishing Study(GFS)という国際調査から、77項目の主観的な繁栄関連指標を使用しました。中心となるのは「Secure Flourishing Index(SFI)」と呼ばれる12項目の繁栄指数で、以下の6つの領域をカバーしています。
・幸福感と生活満足度
・精神的・身体的健康
・意味と目的
・人格と美徳
・親密な社会的関係
・経済的・物質的安定
▼ 客観的指標(外部データ)
世界銀行などの国際機関のデータから34項目の客観的な国レベル指標を用いました。そのうち7項目を「Objective Flourishing Index(OFI)」として統合しています。
・大気の質
・平均寿命
・一人当たりGDP
・失業率
・民主主義指数(政治的自由の度合い)
・就学期待年数(子どもが学校に通うと予測される年数)
・収監率(人口10万人当たりの受刑者数)

コメント 2

【日本の結果整理】
■ 日本の総合プロフィール
日本はこの研究において、最も鮮明な「矛盾」を体現している国として特別に取り上げられています。客観的指標では22か国中1位でありながら、主観的な繁栄では最下位(23位)という、研究者が「これほど極端な乖離は他にない」と述べるほどの対照的な姿を示しています。
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■ 主要インデックスにおける日本の順位
▼ 主観的繁栄(Secure Flourishing Index:SFI)
SFIとは、幸福感・健康・意味・人格・社会的関係・経済的安定の6領域を総合した自己報告型の繁栄指数です。
・SFI総合順位:23位(最下位)
・SFI平均スコア:5.89点(10点満点)
・参考:1位インドネシア(8.10点)との差は2.21点
・フラーリッシング指数(経済的安定を除く5領域):23位(5.93点)
・Wave 1からWave 2にかけての変化:
 Wave 1→Wave 2:5.89→5.75点(23位→23位)
 わずかに低下し、最下位のまま
・SFI標準偏差(繁栄の国内格差の指標):20位(SD = 1.79)
 ポーランド(1位、SD = 1.30)と比べ、国内のばらつきがやや大きい
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▼ 客観的繁栄(Objective Flourishing Index:OFI)
OFIとは、大気の質・平均寿命・一人当たりGDP・失業率・民主主義指数・就学期待年数・収監率の7指標をグローバル順位で平均した指数です。
・OFI順位(GFS22か国内):1位
・OFI順位(グローバル):6位
・平均グローバル順位:28.71(数値が小さいほど良い)
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▼ 総合ランキング(SFI順位+OFI順位の平均)
・総合順位:12位(平均12.0 = 主観23位 + 客観1位)
・主観的ランキングと客観的ランキングの差が最も大きい国
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▼ 指標間のばらつき
ランク標準偏差とは、その国がさまざまな指標でどれほどバラバラな順位を取るかを示す値です。
・主観的指標間のランク平均:23位(平均順位18.44)
・主観的指標間のランク標準偏差:14位(SD = 6.42)
 →ほぼすべての主観指標で低位に固まっているため、ばらつきは中程度
・客観的指標間のランク平均:1位(平均順位4.63)
・客観的指標間のランク標準偏差:5位(SD = 4.10)
 →客観指標では比較的安定して高位に位置する
ーー
■ 日本の強み(主観的指標 トップ5)
以下の「強み」は、低い数値が良いことを意味する指標(ネガティブな経験の少なさ)が中心です。
・1位(GFS内):「神に罰せられていると感じる」人の少なさ
 スコア0.03(3%)── 宗教的な罪悪感や恐れをほとんど感じない
・1位(GFS内):「宗教的批判を受けた経験」のある人の少なさ
 スコア0.01(1%)── 宗教を理由に批判された経験がほぼない
・4位(GFS内):「心配が止まらない」という不安の少なさ
 スコア0.13(13%)
・5位(GFS内):「差別を受けたと感じる」人の少なさ
 スコア0.16(16%)
・5位(GFS内):「痛みを感じる」人の少なさ
 スコア0.33(33%)
▼ 補足
これらの「強み」の多くは、ある経験や感覚が「ない」ことを示すものであり、積極的な幸福(ポジティブな繁栄)を示しているわけではない点に注意が必要です。
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■ 日本の弱み(主観的指標 ワースト5)
以下はすべて22か国中最下位(23位)です。
・23位:将来の生活評価(5年後の生活はどうなっているか)
 スコア6.02点
・23位:楽観性(将来に対する前向きな見通し)
 スコア6.74点
・23位:自由感(自分の人生を自由に選べると感じるか)
 スコア6.43点
・23位:マスタリー(自分の人生をコントロールできているという感覚)
 スコア0.39(39%が「できている」と回答)
・23位:人生の意味
 スコア5.99点
▼ さらに23位の項目(脚注より)
以下の項目でも日本はすべて最下位(23位)を記録しています。
・人生の目的
・自己評価による精神的健康
・関係の満足感・充実感
・社会的サポート
・親密な友人の存在
・宗教的な礼拝への参加
・善を促進する志向性
・先を見通した行動(delayed gratification)
・希望
・感謝
・愛情を示すこと
・慈善的な寄付
・見知らぬ人への支援
・自己評価による身体的健康
・宗教的・精神的なつながり
・死後の生の信仰
・変革的な宗教体験
・宗教的な読書・聴取
・祈り・瞑想
・神・神々・霊的な力への信仰
・宗教的な中心性
・宗教的・精神的な慰め
・神に愛されていると感じる
・信仰の分かち合い
これは77項目のうち、約3分の1にあたります。

論文紹介 なんとかなる 文化と幸福・日本的幸福主観的幸福・幸福測定研究方法論・指標

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