2026.01.04

許しても記憶は消えないが、悲しみは消える

2025年のBESTウェルビーイング研究の5本目😊

"許し(forgiveness)"についての研究😊

"許し(forgiveness)"は

海外だとウェルビーイング研究のなかでも一つの柱なのですが、

日本だと、少ないというか、一般の人への説明も難しい分野ですね。。。

というのも、

キリスト教においては、"許し"が結構色んな所に出てきていて、

罪→悔い改める→許し→回復というのが一つのモデルになっている。(カトリック教会の懺悔室とかもありますね)

一方で、仏教では、許すというよりも、執着を手放す、という観点で論じられている。

というのが、あるのかな〜と勝手に思っています。

ちょっと話がずれましたが、

許し研究では、

許せないことをされたが、それを許すことができると、

①エピソード減退説

詳細を忘れるから、嫌な感情も薄れる

②感情減退説

事実は憶えているが、感情だけが変わる。

思い出したとしても、そこまで嫌な感情が起きない。

の2つの説が唱えられていました。

で、今回の研究では、

②感情減退説:事実は憶えているが、感情だけが変わる。

なんだなぁ。という話でした。

ーーー

過去の過ちに対する許しが自伝的記憶に及ぼす感情的な影響

The emotional impact of forgiveness on autobiographical memories of past wrongdoings.

Journal of Experimental Psychology,2025

Fernández-Miranda, G., Stanley, M., Murray, S., Faul, L., & De Brigard

https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fxge0001787

DL用(ドラフト版)

https://philarchive.org/archive/FERTEI-11

許しは、不正行為に対する強力な反応です。しかし、許しの根底にある心理的プロセスとは一体何でしょうか?私たちは、許しは、不正行為を受けた時の記憶の仕方を変えることで作用するという考えを検証しました。具体的には、許しによって不正行為を受けた時の記憶の感情的な強さや否定的な価値が軽減されることを発見しました。これらの記憶が変化するにつれて、人々は不正行為者に対してより慈悲深くなり、彼らを避けたり復讐したりする意欲が低下すると報告しています。しかし、許しは過去の不正行為の内容の記憶の質には影響を与えないようです。つまり、許しは、不正行為を受けた時の記憶の仕方を変える感情変化のプロセスを通じて作用するようです。

計しは記憶をどう変えるのか? 計しと記憶に関する二つの対立説 「エピソード記憶の薄れ」説 計すことで、不快な状況を思い出す苦痛が減り、 記憶の側面や詳細が弱れていく主張です。 「感情の薄れ」説 計しても記憶の情動は低下しますが、その 記憶を思い出す時の感情が弱まっていく主張です。 研究が示す結論: 「感情の薄れ」説を支持 計し、記憶をどう変えるのか?の ネガティブな感情が和らぐ。 出来事が起こった場時 現在 感情の大きさ 計した場合 計さない場合 より強い → 計した場合は、抑圧していない場地へ、感情の強さが弱く、 不快感も自ことが示されました。 記憶の「詳細」は消れない。 「計しても忘れない」は真実。 計わが合わないことによって、記憶の側面は、色、音、文章などの エピソード特性に詳しく提供されません。 感情の変化が、相手への態度を変化させる。 計しは、感じ心を他者と消いという背景も考え少なさせ、書類 を高めることと関連していた。 許しは、過去の記憶をどう変えるのか? 自伝的記憶に対する許しの感情的影響 Gabriela Fernández-Miranda, Matthew Stanley, Samuel Murray, Leonard Faul, and Felipe De Brigard Duke University, Providence College NotebookLM 「許すが、忘れはしない」 ―この言葉の真の意味とは? コロンビアの武装紛争で家族3人を殺害されたラファエル・ポッソ氏。彼は犯人を許しましたが、事件の記憶は今も鮮明です。「激しい怒り」が「悲しみ」に変わり、「復讐」ではなく「終結」を求めるようになったと語ります。 彼の経験は、心理学における重要な問いを提起します。許しが感情を変えるとき、私たちの記憶には一体何が起きているのでしょうか? 記憶と許しをめぐる、2つの対立する説 許しが記憶に与える影響については、2つの有力な説が存在します。本研究は、どちらの説が正しいのかを検証するものです。 容疑者A:エピソード記憶の風化説 (The Episodic Fading Account) 容疑者B:感情の風化説 (The Emotional Fading Account) 許すことで、出来事の想起や反省が減る。その結果、出来事の詳細(感情、文脈、鮮明さ)が薄れ、感情的な苦痛が和らくと主張する。 * **メカニズム**:記憶の詳細が失われる→感情が薄れる 出来事の詳細は鮮明なままだが、それを見い出す際の感情的な反応だけが変化する。感情の再評価などによって、記憶の感情的側面だけが選択的に修正されると主張する。 * **メカニズム**:感情が変化する→記憶の詳細は維持される 調査方法:許した記憶と許していない記憶の「質」を比較する 本研究では、一連の実験を通して、参加者が「許した」過去の不法行為の記憶と、「許していない」不法行為の記憶を比較しました。 許した記憶 → 記憶特性質問票 (Memory Characteristics Questionnaire, MCQ) ジョンソンらが開発した、自伝的記憶の 現象学的特徴を測定するための質問票。 記憶の質を多角的に評価します。 → エピソード的特性 感覚的詳細(視覚、聴覚)、文脈 的詳細(場所、時間)、鮮明さ など。 許していない記憶 ↓ 感情的特性 出来事当時および想起時の感情 のトーン、感情価(ポジティブ/ ネガティブ)、強度など。 エピソード記憶の風化説が正しければ: 許した記憶は、エピソード的特性と感情的 特性の両方で評価が低くなるはずです。 感情の風化説が正しければ:許した記憶 は、感情的特性の評価のみが低くなり、 エピソード的特性に差はないはずです。 第一の手がかり:詳した記憶は感情的に穏やかになるが、記憶の鮮明さは変わらない パイロット研究および研究Ⅰにおいて、一貫した結果が示されました。参加者が「詳した」と報告した記憶は、「詳していない」記憶と比較して、想起時の感情的苦痛が有意に低いこと明らかになりました。 エピソード的特性 想起時の感情的特性 両群間で有意な差は見られませんでした。 有意な差が示されった。 (記憶の鮮明さ、視覚的詳細、色、音、文脈情報) 「詳していない」記憶は、「詳した」記憶に比べて・・・ • 想起時の感情価がよりネガティブ(Valence Now) • 想起時の感情の強度が高い(Intensity Now) • 想起時の全体的なトーンがネガティブ(Tone) • 現在への影響が大きいと感じられる(Implications Now) この結果は、「感情の風化説」を強く支持するものです。 感情の変化は「今」に限定される。過去の出来事自体の評価は変わらない 研究1で感備価(Valence)と感情強度(Intensity)を「出来事が起こった当時(Then)」と「現在想起した時(Now)」で比較したところ、決定的なパターンが明らかになりました。 Intensity (感情強度) 7 6 5 4 3 2 1 当時(Then): 両群間に差はない。 今(Now): 明確な差が見られる。 Forgiveness (許し) No Forgiveness (許していない) Then(当時) Now(今) Valence (感情価) 7 6 5 4 3 2 1 Forgiveness (許し) No Forgiveness (許していない) Now(今) Then(当時) 結論:許しは、過去の出来事そのものの評価を変えるのではなく、現在の想起に伴う感情的な反応を変えさせるプロセスであることを示唆しています。 Notebookui 調査の拡大:この感情の変化は、許す「被害者」だけでなく、許さ れた「加害者」にも見られる 研究2では、調査対象を拡大し、「被害者」として誰かを許した/許していない記憶と、「加害者」として誰かに許された/許されなかった記憶を比較しました。(N=595) 許した/許された (Forgiven) 許していない許されなかった (Unforgiven) 被害者 (Victim) 加害者 (Perpetrator) 主な発見: • 感情的特性の再現:許し(許されること)は、役割(被害者/加害者)に関わらず、想起時のネガティブな感情領と感情強度を低下させました。この結果は、許しに伴う感情的変化の普遍性を示唆しています。 • エピソード的特性の不変:加害者の視点から想起した場合でも、許された記憶と許されなかった記憶の間で、エピソード的特性(鮮明さ、詳細など)に差は見られませんでした。 • 役割による違い:当然ながら、被害者の記憶は加害者の記憶よりも感情的にネガティブで強烈でしたが、許しによる感情の風化パターンは両者で共通していました。 なぜ感情の変化が重要なのか?それは行動の変化と結びついている 許しかもたらす感情の変化は、単なる内的な感覚にとどまりません。研究3では、対人関係における動機との関連を調査しました。 測定ツール:TRIM(Transgression-Related Interpersona
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そもそも、ゆるしって?という場合にオススメ😊

ゆるし研究の概論
2016,関西大学 紀要論文
髙田 菜美先生
https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/records/11911

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※AIに聞く、キリスト教の「ゆるし」
キリスト教の「ゆるし」とは、神がイエス・キリストの犠牲を通して人間の罪を無条件に赦す恵みと、人間が傷つけられた相手や自分自身に対して怒りや裁きを手放し、愛をもって受け入れる行為を指し、神の赦しを土台に「赦す」こと、そして「赦される」ことの循環が信仰生活の中心となります。これは単に「許す(許可する)」ではなく、「赦す(ゆだねる)」ことであり、回復と和解を意味します。

■神からの「赦し」
・恵みとして与えられる: 人は自分の力では償えない罪を犯すため、神がキリストの十字架によって無償で与えてくださるのが「赦し」です。
・悔い改めと感謝: この赦しを受けるには、自分の罪を認め(悔い改め)、感謝して受け入れることが必要です。この信仰から、神との正しい関係が始まります。
・「ゆるしの秘跡」: カトリック教会などでは、司祭を通して罪を告白し、神からの赦しを受ける「ゆるしの秘跡(告解)」が行われます。

■人間が「赦す」こと
・神の赦しを土台に: 神に赦された経験があるからこそ、自分も他者を赦すことができるようになります。
・「七の七十倍」: イエスは無限に赦すことを教え、「わたしたちが人に赦すごとく、わたしたちの罪を赦したまえ」と、神の赦しと人間の赦しが切り離せない関係であることを示しています。
・内面的なプロセス: 相手への怒りや恨みを手放し、自分自身の感情をコントロールすることであり、相手と親しくなることや、加害者の謝罪が必須というわけではありません。

■「赦し」が意味するもの
・裁きをやめる: 人を裁いたり責めたりせず、その人の中に光を見出すこと。
・和解と癒し: 赦しは、傷ついた関係の回復(和解)と、自分自身の心の癒しにつながります。
・責任と愛: 赦しは、相手の気づきや回復を支え、共に生きるための愛と努力を伴います。

■まとめ
キリスト教における「ゆるし」は、神の無条件の愛と赦しを受け入れ、その恵みによって自らもまた他者を赦し、自らを赦すという、信仰と人生を支える中心的なテーマです。

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本研究のウェルビーイング小話はこちら😊
はぴテク相談室:許しても記憶は消えないが、悲しみは消える
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-01-04-1767556655/

論文紹介 なんとかなるありのままに 感情・レジリエンス主観的幸福・幸福測定意味・目的・スピリチュアリティ

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