はぴテク相談室:子供の優しさ(向社会性)と脳科学
うちの子、なかなか自分のおもちゃやお菓子を友達に分けようとしないんです。優しい子に育てたいんですけど、どうしたらいいんでしょうか…
そのお悩み、よく聞きますよ〜!実はつい最近、「子どもの優しさ(向社会性)と脳の関係」を調べた面白い研究が出たんです。脳の画像を使った研究なんですが、お子さんのことを考えるヒントがたくさんあったので、一緒に見ていきましょうか😊
脳の研究ですか!難しそうですけど、ぜひ聞かせてください。
大丈夫です、かみ砕いてお話しますね。この研究では6〜9歳の子どもたちに「自分が多く持っている状況」と「相手の方が多く持っている状況」、2つの場面でものを分け与えてもらう実験をしました。そのときに脳のどの部分が活発に動いているかを、頭に小さなセンサーをつけて測ったんです。
なるほど!で、どんなことがわかったんですか?
まず大きな発見は、「自分が多く持っているとき」と「相手の方が多く持っているとき」では、脳の違う場所が使われていた、ということです。自分が有利なときは比較的すんなり分けられる。でも自分が不利なとき、つまり自分の方が少ないのに分けるときは、衝動を抑える脳の部分(前頭前皮質という場所)がより強く働いていたんです。
あ〜、自分が少ないのに分けるのは、たしかに大変ですよね。大人でも難しい(笑)。
ほんとそうですよね(笑)。だから研究では「不利な状況で分け与えるには、寛大さだけじゃなくて、衝動を抑える力も必要」という結論になっています。「もったいない、あげたくない」という気持ちをグッとこらえる力が必要なんですね。これが意外なポイントで、優しさって心だけの問題じゃなくて、ある意味「脳のトレーニング」でもあるんです。
衝動を抑える力…。うちの子はまだ6歳なんですけど、年齢も関係ありますか?
実はそれも研究で出ていて、6・7歳よりも8・9歳の子どものほうが、より多く分け与えていたんです。しかも脳の連携(前頭前皮質どうしのつながり)も8・9歳の方が強かった。つまり、衝動を抑える力は年齢とともに育っていくものなので、今の段階で「なかなか分けない」のは、ある意味自然なことでもあるんですよ😊
それを聞いてちょっとホッとしました…!じゃあ焦らなくていいんですね。でも、何か親としてできることはありますか?
はい、研究でもう一つ面白い結果が出ていて、「嬉しい気持ちのときは、寛大さが高まる」というデータがあります(β = .42, p < .001)。つまり、ポジティブな感情と寛大さには関連があることが示されているんです。だから、日々の生活の中でお子さんが「嬉しい!楽しい!」と感じる時間を増やしてあげることが、優しい行動につながりやすい状態をつくることに関係しているかもしれないんです。
嬉しい気持ちが大事なんですね!じゃあ、楽しい雰囲気のときに「これ友達に分けてみたら?」って声をかけるのも良さそうですか?
そのアイデア、いいと思いますよ!研究からは「嬉しい気持ちのときの方が寛大さが高まる関連がある」ことが示されているので、機嫌のいい時間を大切にしながら、自然に「分け合う経験」を積ませてあげることは理にかなっていますね。無理強いするより、楽しい雰囲気の中でさりげなく、という感じで😊
衝動を抑える力を鍛えるには、何か具体的なことはありますか?
この研究自体は「何をすれば衝動を抑える力が育つか」という訓練方法までは調べていないので、そこは正直に言いますね。ただ研究が示しているのは、「その力は年齢とともに育っていく」「脳の前頭前皮質という部分の発達と関係している」ということ。日々の遊びや生活の中でルールを守ったり、ちょっと待つ経験を重ねたりすることが、この脳の部分の発達と無関係ではないと考えられています。ただ、これは研究の直接の結論ではなく、あくまで関連する知見としての話です。
研究の範囲内で正直に教えてくれてありがとうございます!なんか、優しさって心だけじゃなくて、脳の発達とも一緒に育っていくものなんですね。焦らず見守りながら、楽しい時間を大切にしようと思います。
素敵な気づきですね✨ まとめると、「優しさは脳全体で育つもの」「嬉しい気持ちが寛大さと関連している」「衝動を抑える力は年齢とともに発達していく」という研究の知見を、お子さんと一緒にゆっくり育んでいってください😊 今日のお話が少しでもお役に立てたら嬉しいです!
■ 今日のまとめ
- 自分が不利な状況でものを分け与えるには、寛大さに加えて「衝動を抑える力」が必要で、それは脳(前頭前皮質)の働きと関連しています。
- ポジティブな感情(嬉しい気持ち)と寛大さには関連があることが示されており、日常で楽しい時間を増やすことが優しい行動とつながる可能性があります。
- 衝動を抑える力や脳の連携は年齢とともに発達していくため、6〜7歳でなかなか分けられなくても、焦らず見守ることが大切です。
■ 出典・注意事項
- 出典:Positive Emotions and Inhibitory Control Enhance Prosocial Sharing Behavior in Children under Unequal Resource Conditions: An fNIRS Study, NeuroImage, 2025/8/29, https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811925004379
- 注意事項①:本研究はfNIRS(機能的近赤外分光法)を用いた観察・相関研究です。脳活動や感情と向社会的行動の間に関連が見られたことを示すものであり、因果関係を証明するものではありません。
- 注意事項②:対象は6〜9歳の子どもに限定されており、他の年齢層や文化的背景への一般化には慎重さが必要です。
- 注意事項③:研究紹介中の「大人にも当てはまる」という言及は研究者の推測であり、本研究の直接の結論ではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
子供の優しさ(向社会性)と脳科学
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-08-30-1756591208/