慶應SDMの甲谷先生らの2024年の研究😍
心理的安全性の向上に向けた介入手法に関して有用な観点を整理したところ,
6つの重要テーマが分かった😍😍
どれも、とても面白いです。
ウェルビーイングの取り組みは、割と熱量ある人を中心に愛を持って進めていくのが効果的だったりしますが、
心理的安全性は、ちゃんと進めるというか、全員参加とかガッチリやるのが効果的。みたいな印象です。
ただ、科学的な論文には、科学的なことしか載せられないという点はあるかなぁ。
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1.介入手法への参加度合い
→参加を自由にするよりも、強制的でも、参加してもらう方が効果的。
2.チームアプローチの必要性
→リーダーだけよりも、全メンバーへのアプローチの方が効果的。
3.介入対象のコンテキストとの適合
・・・介入手法を適用するチームやメンバーの置かれた状況に適合したトピックまたは手法内容を適用することの重要性
→チームサイズ・タイプ・課題に沿ったアプローチが大事。なので、外部のファシリテーターと、実際のチームメンバーで話し合いながら取り組みを決定していく。
4.介入中のコミュニケーションの構造化・規範化
→心理的安全なコミュニケーションってこうだよ、を提示すると効果的。
5.第三者介入(伴走者,ファシリテーター)の意義
→外部のファシリテーターがいると、効果的
6.介入前(もしくは介入初期)の心理的安全性スコアに対する認識
・・・介入によって心理的安全性が統計的有意に向上しなかったことに対する理由として,介入前の心理的安全性の値がすでに高かったことや天井効果について考慮する必要性
→スコアが高いところは、スコアだけで評価せず、インタビューなどで変化を追うのも大事
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心理的安全性向上のための実践的介入に向けた知見の整理と今後の展望
産業・組織心理学研究,2024
甲谷 勇平(慶應義塾大学)上田 寛(広島大学)佐藤 優介(慶應義塾大学)白坂 成功(慶應義塾大学)
https://researchmap.jp/kotaniyuhei/published_papers/50141390/attachment_file.pdf
※要旨直訳
本研究では、心理的安全性を向上させるための既存の介入方法に焦点を当てた叙述的レビューを実施しました。その目的は、心理的安全性を高めるための有用な視点整理を行い、今後の介入方法の開発可能性を探ることです。叙述的レビューでは、以下の6つの主要なテーマが明らかになりました:
- 介入方法への参加の程度、2) チームアプローチの必要性、3) 介入対象の文脈との適合性、4) 介入中のコミュニケーションの構造化と標準化、5) 第三者介入(同伴者、ファシリテーター)の重要性、6) 介入前(または介入開始時)の心理的安全性スコアの認識。
テーマ1)では、介入刺激を計画通りに参加者に提供することを確保し、自由意志に基づく参加を許さないことが重要であることが示されました。テーマ2)では、個人ではなくチーム全体を対象とした介入設計の必要性が指摘されました。テーマ3)では、介入手法で取り上げるテーマや内容が、介入対象が直面する状況や課題と一致するように設計されるべきであることが示されました。テーマ4)は、介入中のコミュニケーションの方法と手順を明確に示す必要性を強調しました。テーマ5)は、第三者の関与を含む介入設計の必要性を指摘しました。テーマ6)は、介入の影響と文脈の変化を正確に捉えるため、定量分析と定性分析を組み合わせた混合分析アプローチが不可欠であると示唆しました。これらの6つの主要なテーマを考慮した介入方法の開発は、心理的安全性の向上に効果的なアプローチにつながる可能性が高いと考えられます。
考 察 本研究では、心理的安全性に関する介入手法に着目し、分析に取り組んだ。その結果、心理的安全性の向上に向けた介入人を検討する際の重要テーマとして「介入手法への参加度合い」「チームアプローチの必要性」「介入対象のコンテキストとの適合」「チームメンバー全員を対象とした介入」の第三者介入(仲裁者、ファシリテーター)の意義」「介入前(もしくは介入期)」の心理的安全性スコアに対する認識」の6つが明らかになった。ここでは、各要素テーマの結果に対する考察を行う。 1. 介入手法への参加度合い Lampman et al.(2021)は、介入手法への参加度合いが低いチームは、心理的安全性の改善が見られなかったことを示したうえで、介入の双方性に関連する要素がより重要であると考察している。そして、介入手法に対する関与的かつ促進的なリーダーシップがなければ、心理的安全性を含む組織内での風土変革は難しくなると主張している。このモデルに準拠すればリーダーは1日1回の日中に1回は全員に関わることに焦点をリーダーシップをチームハドルの様子で確認したLampman et al.(2021)の介入手法の比較として、Shunk et al.(2014)のコーチ介入手法では、10分間、毎週一コーチがチームハドルに出場し、チェックイン等により介入サポーターの様子を確認している。なお、電話の様子の確認はShunk et al.(2014)は行っていない。その結果、Shunk et al.(2014)は、チームワーク介入関関係の指標が向上したことを確認している。このLampman et al.(2021)とShunk et al.(2014)の介入手法を比較するも、介入への参加を介入対象者に選択させるかという違いがあることがわかる。Lampman et al.(2021)の電話によるアプローチは、介入対象者に電話に出るか出ないかを選択させている。つまり、介入への参加を自由に選択できる状況であった。一方、Shunk et al.(2014)はコーチが直接チームハドルに参加し、そこで介入対象者にフィードバックを提供するアプローチを採用している。つまり、介入への参加を強制的にさせている。このように、心理的安全性の向上に向けた介入手法の設計に あたっても、介入対象者に介入への参加を選択させるかという点において設計を検討する必要があると考察できる。 2. チームアプローチの必要性 Lampman et al.(2021)が指摘しているように、医療チーム医学の改善への効果のメカニズムについては、チームメンバー全員が介入対象なのではなく、チームメンバー全員が心理的安全性を含むチームアプローチがより有効であることが予測される。Lampman et al.(2021)は、医療チームを対象とし、リーダーのみに介入するチームと心理的安全性を含むチームアプローチを採用したチームの 似概念の向上に向けた介入研究のレビューにおい て、介入対象者のニーズに基づいた介入方法を設計 する必要があると述べている。このO'Donovan & McAuliffe(2020a)と同様に、Dusenberry & Robinson(2020)は、介入対象の文脈(課題意識 や価値観)を考慮した多様な介入方法を提示するこ とが重要であると指摘している。具体的には、チームデザイン(チームサイズ、チームタイプ、チーム課題等)の違いによ って介入効果が異なる可能性が示唆されている。他に も、介入手法の導入方法に関する検討について、 Haviland et al.(2022)は、導入段階で常時務務に混加する形 式の導入は対象者の抵抗感を生じさせてしまい、心理的安全性よりも忙しや固くさ がかわってしまった結果、介入効果がなかったと考察 している。これらの点については、Newman et al.(2017)は、チームコンテキストに対する適 性に合わせてより個別化する必要があることを指摘し ているとしてチームのコンテキストに適合した介入手 法の設計が望まれる。また、Schmidt et al.(2021)は、 対象チーム内のメンバーの職種や立場の違いを考慮 した介入手法を設計する必要があることを示唆してお り、組織内における異職種間のコミュニケーション に異なるアプローチが必要とされる段階と、成果を達成できる困難さの違い、 病院内での物理的な距離感の違いなど様々な隘種間 の違いが挙げられている。(Romjin et al., 2018)。そ のため、介入対象者側へ人の置かれた状況も考慮す る必要があると考えられる。 以上のように、介入対象のコンテキストとの適合 というテーマでは、チームレベルでのコンテキスト との適合と個人レベルでのコンテキストとの適合の 2つの観点が提供されている。このコンテキストの心理的安 全性の向上に向けた介入手法設計の際にどのように 考慮していくかについて、先行研究では、研究者と 実践者が協働して介入策を設計するサイト・アプローチを採用することで、介入がサー ポート場励し介入策設計されるサイト・アプローチを採用することで、介入がサー ビス環境やニーズに合ったものになることが保証されると提案されている。(O'Donovan & McAuliffe, 2020a)。 4. 介入中のコミュニケーションの構造化・規範化 Haviland et al.(2022)が考察しているように、 介入中のコミュニケーションの取り方に対する介入 がなければ、心理的安全性を向上させることは難し い可能性がある。Haviland et al.(2022)は、医療チー ムにおいてシミュレーション介入を行う中で、介入 中のコミュニケーションの取り方を示さなかった ため、通常業務時と同様のコミュニケーションが取ら れ、従来の立場や地位の違 どを考慮して実施できる部分として区別しているこ とが示唆されている。 5. 第三者介入(伴走者、ファシリテーター)の意 義 Grande et al. (2015) の結果から、技術トレーニ ング時に行われたコミュニケーション上の課題についてトレーニング後にメンバーで振り返り、かつ第 三者によるファシリテーションによって、安心して デリバリーングを行うことができた結果、コミュニ ケーション上の問題が改善され、チームのパフォー マンスが向上し、心理的安全性が向上した可能性が考 えられる。ファシリテーターの介入の効果については これまで様々な研究が蓄積されている。例えば、 山本・佐藤(2022)は、ファシリテーションがある 場合とない場合を比較した際、ファシリテーション ありのグループがファシリテーションなしと比べて参 加メント が抑制されており、批判的思考態度が向 上していることを明らかにしている。Park et al. (2023) も、介入の結果から、心理的安全性に向 けてファシリテーターといった第三者の立場から心 理的安全性を高める手段をより多く活用することの重 要性と周囲の安全性の向上に有効だと考察している 。Reierson et al. (2017)