2025.02.15

はぴテク相談室:都市部(人口増加地域)と地方(人口減少地域)の各種満足度。

相談者

最近、地方移住を考えているんですが、正直なところ幸福度が下がらないか不安で…。都会と地方って、やっぱり満足度に差があるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大事な視点ですね!実はちょうどその疑問に答えてくれる研究が2025年2月に経済産業研究所から出たんですよ。約1万人を対象にした日本国内の調査で、生活全体の満足度と、仕事・健康・保育・介護・人との出会いなど10の分野を細かく調べています。どんな結果だったと思いますか?

相談者

う〜ん、やっぱり都会のほうが満足度は高いんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。人口が増えている地域(研究では都市部と定義)の生活満足度は平均5.91、人口が減っている地域(地方)は5.71と、都市部がやや高い結果でした。ただ差は「僅か」で、劇的な開きというわけではないんです。

相談者

思ったより小さい差ですね。でも、分野によって違いはあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!分野別に見ると、一番差が大きくて統計的にも有意だったのが「人との出会いの機会」なんです。地方では、新しい人と知り合ったり交流したりする機会への満足度がとくに低い傾向がありました。

相談者

確かに、地方だと人間関係が固定されやすいイメージはありますね。逆に地方のほうが満足度が高い分野はあったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はここが面白くて、「地方に移住すると環境・安全・コミュニティへの満足度が上がるだろう」と予想されていたんですが、研究ではそういった有意な結果は出なかったんです。また、健康や教育については都市も地方も有意な差がなかったというのも、一般的なイメージを覆す発見でした。

相談者

え!地方のほうが自然も豊かで安全そうなのに、満足度は上がらないんですか。それは意外ですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんですよ。「豊かな自然=満足度が高い」とは必ずしもならないのが、この研究のポイントのひとつです。さらに移住そのものに注目すると、地方から都市部へ移住した人は、全体的な生活満足度が地方にとどまった人より約7.4%高くなり、仕事・賃金・保育・介護・出会いの機会などで有意に向上していました。

相談者

じゃあ逆に都市から地方に移った人はどうでしたか?

はぴテクさん
はぴテクさん

都市から地方へ移住した場合は、全体的な生活満足度・介護・空気と水の環境などで有意に低下という結果でした。「空気や水への満足度」が下がっているのも少し意外ですよね。都市→地方なのに。これは、移住先の生活インフラや利便性との比較で感じるギャップが影響している可能性があります。ただ、研究はあくまで相関を見ているので「移住したから下がった」と断言はできません。

相談者

転勤など強制的な移住も含まれているんですよね?自分で選んで移住した場合は違う結果になりそうですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まさに研究自体もその点を注意点として挙げています。転勤など本人の意志によらない移住も含まれているので、「自ら望んで地方移住した人」だけを見ると、また違う結果が出る可能性は十分ありそうです。自分で納得して選んだ移住かどうかは、満足度に大きく関わりそうですよね。

相談者

なるほど。じゃあ地方で暮らしていくうえで、満足度を高めるために意識できることってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が示す最大のヒントは、「人との出会いの機会」への満足度が地方で特に低い、という点です。地方に住む・移住するなら、地域のイベントや趣味のコミュニティ、SNSを活用した新しいつながりづくりを意識することが、満足度を保つうえで特に重要になりそうです。研究でも、地方の長期的な持続可能性のためにこの分野の改善が急務だと指摘されています。

相談者

「出会いの機会」が鍵なんですね。移住を検討するときも、その地域でどんなつながりが持てるかを事前に調べておくと良さそうですね。ありがとうございました!

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね!住む場所を選ぶとき、給与や自然環境だけでなく「どんな人と出会えるか」という視点も加えてみると、より満足度の高い選択につながるかもしれません。ご自身がどんな生活を大切にしたいか、この研究を参考にじっくり考えてみてくださいね😊

■ 今日のまとめ

  • 人口増加地域(都市部)の生活満足度は人口減少地域(地方)より僅かに高く、特に「人との出会いの機会」での差が最も大きかった。
  • 都市部への移住は生活満足度・仕事・賃金・保育・介護・出会いの機会で有意に向上。一方、地方への移住は全体満足度・介護・空気と水で有意に低下し、環境や安全での向上は確認されなかった。
  • 健康・教育では都市・地方間で有意差がなく、一般的なイメージと異なる結果も。地方で満足度を維持するには「人とのつながりの機会」への意識が特に重要と示唆される。

■ 出典・注意事項

  • 出典:熊谷惇也・兪善彬・馬奈木俊介「Impacts of Urban-rural Migration on Domain-specific Satisfaction(都市部と農村部の間の人口移動が専門分野別の満足度に与える影響)」独立行政法人経済産業研究所(RIETI)、2025年2月。https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/25020005.html

  • 【注意事項①:相関と因果】本研究はアンケート調査データの分析であり、移住と満足度の変化の関連性(相関)を示すものです。「移住したから満足度が変化した」という因果関係を直接証明するものではありません。

  • 【注意事項②:移住の性質】転勤など本人の意志によらない移住も分析対象に含まれています。自発的移住のみに限定した場合、結果が異なる可能性があります。

  • 【注意事項③:定義の限界】本研究では「人口増加地域=都市部」「人口減少地域=地方」と定義しており、実際の都市・地方の区分とは一致しない場合があります。

  • 【注意事項④:対象集団】日本国内を対象としたオンライン調査であり、結果を他の国や異なる調査方法にそのまま当てはめることには限界があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
都市部(人口増加地域)と地方(人口減少地域)の各種満足度。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-02-15-1739656802/

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