はぴテク相談室:人間のウェルビーイングと、非人間(木々、川、動物、聖霊など)のウェルビーイング
最近、なんか都会の生活に疲れてきて…自然の中にいると少し楽になる気がするんですけど、それって気のせいなんですかね?
気のせいじゃないと思いますよ😊 実はそのあたりに関係する、とても興味深い研究が最近発表されたんです。フィンランドのトゥルク大学のウオティネン先生たちが、インドの先住民(アディバシ)の方々に「幸せってなんですか?」と聞いて調べた研究なんですが……その答えがとても印象的だったんです。
へえ、どんな答えだったんですか?
「私たちは森なしでは不完全で、森も私たちなしでは不完全です」という言葉が出てきたんです。人間が自然を必要としているだけじゃなくて、自然も人間を必要としている、という双方向の関係として捉えているんですよね。幸せは自分一人の中にあるんじゃなくて、木々や川や動物とのつながりの中にある、という考え方です。
「森も私たちなしでは不完全」か…なんか、すごい言葉ですね。でも私は都会に住んでいるし、そんなふうに自然と深くつながるなんてできないかも、って思ってしまいます。
確かに、この研究で話を聞かれた方々は、中央インドの村で実際に森とともに暮らしている先住民の方々なので、そのライフスタイルそのものを真似するのは難しいですよね。ただ、この研究が教えてくれているのは、「自然とのつながりや愛着が、幸福感の大切な要素になりうる」という視点です。木々を「子どものように」大切にする、という言葉も出てきていて、関係性の深さが幸せと結びついているようなんです。
「木々を子どものように」か…なんか、植物の世話をするのが好きな人の気持ちに似てるかもしれない。私も最近、部屋に観葉植物を置き始めたんですよね。
それ、とても素敵な話ですね!研究の中では、「木の下で眠るのは素晴らしい。木々は私たちに語りかけてくるようです」という声もあって、自然との対話的な感覚が幸せにつながっているようです。観葉植物に話しかけたり、その成長を見守ったりすること、もしかしたらそれも一種のつながりかもしれませんよ😊
なるほど!でも、この研究って「自然が幸せに役立つ」という話ですよね。それって昔から言われていることと何が違うんですか?
鋭いですね!従来の研究は「自然は人間の幸せのために役立つ」という、どちらかというと人間目線の見方が多かったんです。でも今回の研究が面白いのは、「非人間(木々、川、動物、精霊など)の幸せそのものが、人間の幸福の概念に含まれている」という点なんです。「土地に緑があれば土地は幸せで、私も幸せ。土地が荒れていれば、私も不幸せ」という言葉が出てきていて、自然の幸せと自分の幸せが切り離せないんですよね。
自然の幸せと自分の幸せが一体、か…。そう考えると、環境問題を他人事に感じにくくなりそうですね。
まさに!この研究でも、先住民の自治権の拡大が生態系の持続可能性を高める可能性があると示唆されています。自然を「守るべき資源」としてではなく、「ともに生きる家族」として捉えると、関わり方が変わってきますよね。野生動物についても「野生動物も家族のようなもの。同じ森に依存しているから友好的な関係にある」という声がありました。
都会疲れを感じていた自分が、なんか少し違う目線で自然を見られそうな気がしてきました。でも、研究として注意しておくことはありますか?
ありがとうございます、大事な視点ですね!この研究は、中央インドの特定の先住民コミュニティへのインタビューや観察をもとにした質的研究なので、「こういう見方・感じ方があった」という記録です。「自然とつながれば誰でも幸せになれる」という因果関係を証明したわけではないので、そこは区別して受け取ってくださいね。でも、自分の幸せを考えるときに「自然との関係」という視点を加えてみるのは、とても豊かな発想だと思いますよ😊
はい!なんか、部屋の観葉植物をもっと大切にしたくなってきました。そして週末は少し緑のある場所に行ってみようかな。今日はありがとうございました!
素敵な気持ちになってくれて嬉しいです!「一緒にいることが大切。つながりなしで一人でいると全てが重く感じられる」という研究の言葉がありましたが、それは人間同士だけじゃなくて、自然ともいえるのかもしれませんね。ゆっくり、自分なりのつながり方を探してみてください🌿
■ 今日のまとめ
- 人間の幸福は、木々・川・動物などの「非人間」の幸福とつながっているという見方が、インドの先住民コミュニティのインタビューから明らかになりました。
- 従来の研究が「自然は人間の幸せに役立つ」という人間目線だったのに対し、この研究では「非人間の幸せそのものが、人間の幸福概念の一部」という新しい視点が示されています。
- 自然を『守るべき資源』ではなく『ともに生きる家族』として捉えることで、つながりや愛着が幸福感の大切な要素になりうるとされています(ただし因果関係の証明ではなく、特定コミュニティの見方の記録です)。
■ 出典・注意事項
- Uotinen, J., Loivaranta, T., & Seal, A. (2025). Nonhuman Well-Being is a Part of Happiness and Well-Being Conceptions Among Central Indian Indigenous Communities. Journal of Happiness Studies. Published online 2025/1/9.
- 【注意事項①】本研究は中央インドの特定の先住民(アディバシ)コミュニティを対象とした質的研究(インタビュー・参加型観察)であり、結果を他の文化・地域・集団に一般化することには限界があります。
- 【注意事項②】研究で示されているのは先住民の方々の見方・語りであり、「自然とのつながりが幸福を高める」という因果関係を実証したものではありません。相関や概念の記述として受け取ってください。
- 【注意事項③】本研究は8つの村を対象としたフィールドワークに基づく質的研究であり、大規模なサンプルによる量的検証は行われていません。
研究自体の紹介はこちら😊
人間のウェルビーイングと、非人間(木々、川、動物、聖霊など)のウェルビーイング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-23-1737670497/