はぴテク相談室:Big5性格傾向と幸せなどの心理特性。
最近、自分の性格を変えたいなと思っているんですが…外向的じゃないし、心配性だし、なかなか幸せを感じにくいんです。性格って変えられるものなんでしょうか?
そのお悩み、よく聞きますよ。まず少し知っておいてほしいのが「Big5(ビッグファイブ)」という性格の考え方です。心理学では、人の性格を「外向性」「協調性」「誠実性」「開放性」「神経症傾向」の5つで大きくとらえることができると言われています。そしてこの5つはそれぞれ幸せとの相関(つながり)が知られているんですよ。
神経症傾向って何ですか?私、心配性なので気になります…
神経症傾向は「不安を感じやすい・気にしやすい・感情が揺れやすい」といった傾向のことです。実はこの傾向だけは幸せと逆相関、つまり神経症傾向が高いほど幸せを感じにくい傾向があるとされています。一方で外向性・協調性・誠実性・開放性の4つは幸せと正の相関があるとされています。でも、だからといって「自分はダメだ」と落ち込まなくて大丈夫ですよ!
そう言ってもらえると少し楽です…でも性格って生まれつきで変わらないイメージがあって。
実は今日紹介したいのがまさにそこにつながる研究なんです。オーストラリアの研究者ベインブリッジさんたちが面白いことを調べました。「自尊心」「グリット(やり抜く力)」など、幸せや心の健康に関わる様々な心理特性を測る尺度が、Big5とどのくらい似ているか(相関しているか)を検証したんです。
それはどういう意味があるんですか?
たとえば「自尊心」や「やり抜く力」といった心理特性の多くが、Big5の性格傾向と非常に深く結びついていることがわかりました。研究では、調べた尺度の71〜83%がBig5の枠組みの中に位置づけられたんです。相関が0.9を超えるものもあったくらい強いつながりでした。つまり、これらの心理特性とBig5の性格傾向は、かなり近いものを測っている可能性があるということです。
じゃあ、たとえば自尊心を育てると、性格にも影響があるということですか?
研究から言えるのは「相関がある」ということで、因果関係(どちらかが原因でどちらかが結果)まではこの研究では言い切れません。ただ、幸せに関わる心理特性とBig5の性格傾向が深く関連しているということは、たとえばやり抜く力や自尊心を日々の生活の中で意識して育んでいくことが、Big5の性格傾向とも無関係ではないかもしれない、という見方はできますね。
なるほど。では具体的に何かできることはありますか?
Big5でいうと、神経症傾向は気にしすぎる傾向ですが、「誠実性(コツコツやる力)」や「協調性(人と仲良くする力)」は日々の行動で少しずつ育てやすい部分とも言われています。たとえば小さなことでも計画を立てて達成してみる(誠実性)、人に親切にしてみる(協調性)といった行動の積み重ねが、関連する心理特性とともに育まれていく可能性があるわけです。
性格を直接変えようとするんじゃなくて、関連する行動や心理特性から少しずつアプローチできるかもしれないんですね。
そうそう、まさにそのイメージです!この研究が教えてくれるのは、「性格」と「幸せに関わる心理特性」はバラバラじゃなくて、互いに深くつながっているということ。だから幸せを育む習慣や考え方を意識することが、じわじわと自分の性格傾向にも影響しうる、という見方ができるんですよ。もちろんあくまで相関の話なので過信は禁物ですが、悲観しすぎる必要もないと思います。
なんだか少し前向きになれた気がします。Big5って聞いたことあったけど、こんなに幸せと深く関わってるんですね。ありがとうございます!
よかったです!Big5はシンプルに見えて奥が深いんですよ。性格を「変えなきゃ」と焦るより、自分の特性を知ったうえで、幸せにつながる習慣や心の筋トレを少しずつ積み重ねていくのが大切だと思います。今日の内容が少しでもお役に立てれば嬉しいです😊
■ 今日のまとめ
- Big5(外向性・協調性・誠実性・開放性・神経症傾向)の5つの性格傾向は、それぞれ幸せとの相関が知られており、神経症傾向だけは逆相関の関係にある。
- 自尊心・やり抜く力など幸せに関わる多くの心理特性は、Big5と非常に深く相関しており、71〜83%の尺度がBig5の枠組みの中に位置づけられることが研究で示された。
- 性格傾向と幸せに関わる心理特性は深くつながっているため、幸せにつながる習慣や心理特性を意識して育むことがBig5とも無関係ではない可能性があるが、因果関係までは断言できない。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Bainbridge, T. F., et al. (2022). Evaluating the Big Five as an organizing framework for commonly used psychological trait scales. Journal of Personality and Social Psychology. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35025595/
- 【注意事項①】本研究は相関研究であり、Big5と各心理特性尺度の間に因果関係があるとは言えません。
- 【注意事項②】Study1は253名、Study2は786名(合計1,039名)のサンプルによる研究であり、対象集団の属性や規模による限界があります。
- 【注意事項③】性格傾向と幸せの相関についても、あくまで統計的な傾向であり、個人に当てはまるとは限りません。
研究自体の紹介はこちら😊
Big5性格傾向と幸せなどの心理特性。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-12-1736719203/