はぴテク相談室:幸福に影響を与える因子をAIで予測してみたら、イギリス人はお金よりもパートナーと
最近、仕事を頑張って収入を上げることが幸せへの近道だと思って必死に働いているんですが、なんか疲れてきちゃって…。お金をもっと稼げば幸せになれるんでしょうか?
それは頑張っていますね、お疲れさまです😊 実はそのお悩みにとても関係する研究があるんです。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのオパリナ先生らが、ドイツ・イギリス・アメリカの100万人以上のデータをAI(機械学習)で分析して、「何が幸福を予測するか」を調べた研究です。まず年収と幸せの関係から聞いてみますか?
ぜひ聞きたいです!やっぱりお金があるほど幸せになるんですよね?
面白いことに、国によってかなり違うんですよ。イギリスだと年収約770万円(4万ポンド)、ドイツだと約800万円(5万ユーロ)を超えると、それ以上収入が増えても幸福度がほぼ上がらなくなる「頭打ち」の傾向が見られました。一方アメリカは明確な頭打ちはなかったものの、収入が高くなるほど幸福度アップの効果はどんどん小さくなっていく、という結果でした。
へえ〜!じゃあある程度の収入を超えると、もっと稼いでも幸せはあまり増えないってこともある、ということですか?
この研究のデータではそういう傾向が見られました。ただし「相関関係」として見られたパターンであって、「収入を上げたから幸福度が下がる」という因果関係が証明されたわけではない点は押さえておいてください。それから、日本のデータは今回の研究には含まれていないので、日本に直接当てはまるかどうかはわからないんですよね。
なるほど。じゃあお金以外で、幸せに関係している要素って何があったんですか?
ここがすごく面白いんですが、国ごとにトップ5がぜんぜん違うんです!ドイツは「ストレスへの対処」「健康」「忍耐力」など、わりとストイックな要素が上位。アメリカは「毎日新しいことを学ぶ」「収入」「健康」といった要素。そしてイギリスは…「パートナーとのキス😍」が上位5位に入ってたんですよ!
え、キス!?それって本当ですか(笑)?お金よりキスの方が幸福と関連が強いってことですか?
はい、イギリスのデータでは「多くの心配があること(マイナスに働く)」「リラックスの程度」「結婚への後悔がないこと」「仕事の徹底度」「パートナーとのキス」がトップ5でした。収入はこのトップ5には入っていなかったんです。もちろんこれも「関連がある」という話で、「キスをすれば幸せになれる」という因果関係ではないですし、イギリス特有の文化的背景も影響しているかもしれません。
なんか、パートナーとの日常的なスキンシップって大事なんですね。私、最近仕事が忙しくて、パートナーとの時間がめっきり減っていたかも…。
それは大事な気づきかもしれませんね。今回の研究全体を通じて、健康状態・経済状況・パーソナリティ(性格的な特性)・人間関係、この4つが幸福を予測する大きな柱として浮かび上がっていました。お金はその中の一要素ではあるけど、人間関係や健康と並んで語られる要素のひとつ、ということですね。
収入だけに集中して他のことをないがしろにしていたかもしれません…。あと、ドイツの「ストレス対処」や「心配の程度」も気になりました。心配が多いのはよくないんですか?
ドイツのデータでは「心配の程度が高い」ことが幸福度と負の関連、つまり心配が多いほど幸福度が低い傾向がありました。イギリスでも「多くの心配があること」がトップで、しかも負の影響として最も大きい予測因子でした(数値0.033)。「ストレス対処」や「忍耐力」がプラスの予測因子として出ていたドイツを見ると、心配やストレスそのものよりも、それにどう向き合うかも幸福と関連しているようです。
仕事を頑張ること自体は悪くないと思うんですが、「何のために頑張るか」を見直した方がいいのかもしれないですね。パートナーとの時間とかリラックスとか、もう少し意識してみようかな。
すごく良い振り返りだと思います😊 この研究が教えてくれるのは、「幸福に関連する要因はお金だけじゃないし、国や文化によっても違う」ということ。また年齢と幸福度には「U字型の関係」、つまり若いころと年を重ねてからは幸福度が高く、中間で一度下がりやすい傾向も確認されています。今あなたがしんどさを感じているのも、そういう時期的な要素もあるかもしれません。一つひとつの要素を大切にしながら、自分なりのバランスを探してみてくださいね。
■ 今日のまとめ
- 年収と幸福度の関係は国によって異なり、イギリスとドイツでは一定の収入水準を超えると関連が頭打ちになる傾向が、AIを使った大規模データ分析で見られた
- 幸福と関連する要因は国ごとに異なり、ドイツは健康・ストレス対処、アメリカは学びや収入、イギリスはリラックスや人間関係(パートナーとのキス)が上位に挙がった
- 健康・経済状況・パーソナリティ・人間関係が幸福を予測する4つの大きな柱として共通して浮かび上がっており、お金はその中の一要素にすぎない
■ 出典・注意事項
- 出典:Oparina et al. (2025) 'Machine learning in the prediction of human wellbeing', Scientific Reports, 2025/1/10. https://www.nature.com/articles/s41598-024-84137-1
- 注意事項①:本研究はアンケートデータに基づく相関分析であり、「○○をすれば幸福度が上がる」という因果関係を示すものではありません
- 注意事項②:分析対象はドイツ・イギリス・アメリカのデータ(2010〜2018年)であり、日本を含む他の国・文化圏への直接的な当てはめには限界があります
- 注意事項③:幸福度は自己申告(主観的評価)に基づくものであり、測定方法や調査設計による限界があることが研究者自身も認めています
研究自体の紹介はこちら😊
幸福に影響を与える因子をAIで予測してみたら、イギリス人はお金よりもパートナーと
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-11-1736632802/