2025.01.07

はぴテク相談室:コロナ前・中・後における幸せに大切なもの

相談者

最近、ニュースでコロナ禍の振り返りみたいな話を見て、ふと思ったんですけど…あの頃って、何が自分にとって大事だったのかが変わった気がするんです。今は経済的なことが気になるし、でもコロナ中は人とのつながりがすごく大事だった気がして。これって私だけでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

全然あなただけじゃないですよ!実は、それをデータで裏付けるような面白い研究があるんです。バングラデシュの大学の研究者が、2018年〜2023年の156か国のデータを使って、「幸福度に影響する6つの要素の重要度が、コロナ前・中・後でどう変わったか」を分析したんです。

相談者

へえ、国単位のデータなんですね。どんな6つの要素なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

「一人当たりGDP(経済的豊かさ)」「社会的支援(困ったとき頼れる人がいるか)」「健康寿命」「人生の選択の自由」「寛容さ(寄付などで測定)」「汚職に対する認識」の6つです。毎年出ている『世界幸福度レポート』のデータをもとに、AIを使って幸福度を予測するモデルを作り、それぞれの要素がどれだけ影響しているかを数値化したんです。

相談者

コロナ中は、やっぱりつながりが大事になったってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうなんです!コロナ前は「経済(GDP)」が一番重要度が高くて0.33だったのが、コロナ中は「社会的支援」がトップの0.34に上がりました。GDPはなんと0.20まで下がったんです。不安な状況では、お金よりも「誰かに頼れる」という感覚が幸福度と強く結びついて見えた、ということですね。

相談者

なるほど…。じゃあ今、コロナが落ち着いた「コロナ後」はどうなってるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

コロナ後(2022〜2023年)は、GDPの重要度がなんと0.40まで跳ね上がって、また1位に戻っています。経済への関心が高まっている時期と重なっていますね。面白いのは、「人生の選択の自由」の重要度がコロナ前の0.11からコロナ後は0.16に上がっていること。コロナ中に「自由に動けない」経験をした後で、自由に選択できることへの重みが増した、という見方もできそうです。

相談者

「人生の選択の自由」か…確かに、コロナ明けに旅行したり、好きなことをしたいって気持ちが強くなった気がします。でも、これって世界全体の話ですよね。日本はどうなんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

日本のデータも出ていて、なかなか興味深いんです。2023年のランキングだと、健康寿命は世界1位、一人当たりGDPは14位なんですが、社会的支援が41位、人生の選択の自由が64位、そして寛容さはなんと142位なんです。

相談者

えっ、社会的支援が41位って意外に低いですね…。あと寛容さ142位はちょっとショックです(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

寛容さは主に寄付金額で測っているので、日本の文化的な背景が数字に影響している面もあります。社会的支援は「困ったときに頼れる人がいますか?」という質問への回答なんですが、日本は「一人で頑張る」文化が影響しているかもしれませんね。人生の選択の自由も64位で、体感とのギャップを感じる方も多いと思います。

相談者

そう考えると、日本って健康と経済は強いけど、つながりとか自由感が弱いってことなんですね。コロナ中に一番大事になった「社会的支援」が低いのは、ちょっと気になります。

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い視点ですね。ただ、一点補足すると、この研究は国レベルのデータを使った大きな傾向の話なので、個人個人の体験に直接当てはまるわけではありません。また、相関関係の分析なので「社会的支援が増えれば幸福度が上がる」と因果関係で言い切れるわけでもないんです。あくまで「幸福度と強く関連している要素が時期によって変わった」という観察ですね。

相談者

なるほど、因果関係じゃないんですね。それでも、自分がコロナ中に感じたことと重なって、なんか納得感があります。コロナを経て、つながりとか自由とかを改めて意識するようになったのは自然なことだったんだなって思えました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そう感じてもらえてよかったです!自分の感覚がデータと重なると、ちょっと安心しますよね。コロナという特別な時期が、世界的に「何を大切にするか」の感覚に影響を与えたことが、データからも見えてくる。そういう視点で自分の経験を振り返るのも面白いと思いますよ😊

■ 今日のまとめ

  • コロナ中は「社会的支援(誰かに頼れる感覚)」が幸福度と最も強く関連する要素として浮上し、平時に重要な「経済(GDP)」の比重が下がった
  • コロナ後は経済の重要度が回復・上昇する一方、「人生の選択の自由」の重要度もコロナ前より高まっており、自由に選べることへの意識の変化が見られる
  • 日本は健康寿命1位・GDP14位と高水準だが、社会的支援(41位)や人生の選択の自由(64位)、寛容さ(142位)は相対的に低く、国際比較での独自のパターンがある

■ 出典・注意事項

  • Amir et al., 'Exploring happiness factors with explainable ensemble learning in a global pandemic', PLOS One, 2025/1/2. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0313276

  • 【注意事項】この研究は2018〜2023年の156か国の国レベルのデータを使った分析であり、個人の幸福に直接適用できるものではありません

  • 【注意事項】SHAP値による重要度は「幸福度スコアとの関連の強さ」を示すものであり、各要素が幸福度を高める・下げるという因果関係を示すものではありません

  • 【注意事項】幸福度の測定にはキャントリルの梯子(主観的な自己評価)を使用しており、文化や回答傾向による国間の差異が含まれる可能性があります

  • 【注意事項】「寛容さ」は主に寄付金額から算出されており、日本のような寄付文化の違いが順位に影響している可能性があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
コロナ前・中・後における幸せに大切なもの
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-07-1736287203/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 ありがとうなんとかなるありのままに 主観的幸福・幸福測定研究方法論・指標

← 検索にもどる