はぴテク相談室:職場での親切と幸福
最近、職場でのストレスがすごくて…。毎日しんどいんですよね。給料をもっと上げてもらえれば少しはマシになるのかな、と思っているんですが、やっぱりお金って一番大事なんでしょうか?
それはつらいですね。職場でのしんどさ、よくわかります。実は、職場の幸せに何が一番効くか調べた面白い研究があるんです。オックスフォード大学などのチームが約2,000人近くを対象に調べたものなんですが…「給料」より大事なものがあると出てきたんですよ。
え、給料より大事なものって何ですか?気になります!
職場の幸福度に影響する要因をランキングすると、1位が「意味のある仕事」、2位が「職場での親切さ」、3位が「頼もしい上司」で、「公平な給与」は4位なんです。しかも親切さの影響は給与の約3倍近く強いという結果が出ていました。もちろんこれは相関の話なので、親切にすれば必ず幸せになれる、という因果関係とは少し違うんですが、それでも注目すべき関係性ですよね。
親切さが給与の3倍!?それはびっくりです。でも「職場の親切さ」って、具体的にどういうことですか?
この研究では「職場全体の親切さの雰囲気」と、「特定の相手(上司・同僚・部下)との親切のやり取り」の両方を調べています。面白いことに、「職場全体が親切な雰囲気かどうか」という大まかな感覚のほうが、幸福度との相関が一番強かったんです(相関係数0.69)。職場全体のムードって、すごく大事なんですね。
なるほど。じゃあ特定の誰かとの親切のやり取りはどうなんですか?上司とか同僚とか。
特定の関係で見ると、「上司との親切のやり取り」が幸福度と最も強く関連していました。上司に対して親切にする場合も(相関0.27)、上司から親切にしてもらう場合も(相関0.24)、どちらも同僚や部下との親切より強い関連が見られたんです。上司との関係って、職場の幸せに結構影響しているみたいですね。
上司との関係か…正直、今の上司とはあまりうまくいっていなくて。自分から親切にするのって難しいな、と感じてしまいます。
そうですよね、難しいと感じるのは自然なことだと思います。ただ研究では「上司に対して親切を与える側になること」も幸福度と関連していたんです。自分から小さく動いてみることが、自分自身の気持ちにも影響するかもしれない、という示唆ですね。例えば、上司のアイデアをちゃんと聞く、感謝の一言を伝える、といった小さなことでも「親切」に入ります。
小さなことでいいんですね。なんか、親切ってもっと大げさなことをしないといけないと思っていました。具体的にはどんなことが挙げられていましたか?
研究では色々な例が紹介されています。たとえば、「同僚の貢献を話の中で取り上げる」「忙しそうな人の仕事を少し手伝う申し出をする」「同僚のアイデアに真剣に耳を傾ける」「勤務時間外にはメールを送らないように気をつける」といったことです。どれも日常の中でできそうな、小さな行動ですよね。
確かに!それなら私でもできそうです。でも、自分が親切にするだけじゃなくて、周りからも親切にしてもらわないと意味がないですよね?
おっしゃる通りで、研究でも「受け取る親切」と「与える親切」の両方が幸福度と関連していました。ただ、面白いのは「部下から受ける親切」だけは統計的に有意な関連が見られなかったんです。一方で、上司や同僚から親切にしてもらうことは、幸福度と関連していました。一人でできることには限りがありますが、まず自分の行動を少し変えてみることから試してみるのも一つの選択肢かもしれませんね。
なんか少し希望が見えてきました。給与だけじゃなくて、日々の親切のやり取りに目を向けてみるのも大事なんですね。今日はありがとうございました!
こちらこそ!ただ一つお伝えしておくと、この研究はあくまで「親切さと幸福度の関連がある」という相関の話です。「親切にすれば必ず幸せになれる」という保証ではありません。また対象はある特定の集団なので、全員に当てはまるわけでもないんですね。でも、職場の雰囲気を少しずつ変えていくヒントとして、親切というレンズで職場を見直してみるのは、試してみる価値がありそうですよね😊
■ 今日のまとめ
- 職場の幸福度に最も強く関連していたのは「職場全体の親切な雰囲気」(相関0.69)で、次いで「意味のある仕事」「個人間の親切さ」が続き、「公平な給与」は4番目だった(あくまで相関の話)。
- 特定の相手との親切のやり取りでは、上司との関係(与える・受ける両方)が幸福度と最も強く関連しており、部下との関係は相対的に弱い関連だった。
- 「同僚の話を真剣に聞く」「感謝を伝える」「忙しい人を少し手伝う」など、日常の小さな行動が「職場の親切さ」として研究で挙げられている。
■ 出典・注意事項
- 出典:Rowland, L., et al. (2024). Kindness and happiness at work. Discover Psychology. https://link.springer.com/article/10.1007/s44202-024-00276-6(Kindness.org・オックスフォード大学など)
- 注意①【相関であって因果ではない】本研究は横断的な調査に基づく相関研究です。「職場の親切さが幸福度を高める」という因果関係が証明されたわけではありません。
- 注意②【対象集団の限界】研究1は6企業の従業員1,151人、研究2はオンライン調査781人が対象です。特定の集団のデータであり、すべての職場・文化に一般化できるとは限りません。
- 注意③【測定方法】「親切さ」の測定にはこの研究で新たに開発された「Kindness Questionnaire(KQ)」が使われており、一般的な尺度との比較可能性には留意が必要です。
研究自体の紹介はこちら😊
職場での親切と幸福
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-14-1731544365/