2024.10.13

はぴテク相談室:都市部と都市部以外は、どちらが幸せか?そして、その4つの理由。

相談者

最近、都会の生活に疲れてきました。毎日人混みで、なんか心が落ち着かなくて…。やっぱり都会って幸せになりにくいんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

その感覚、実はデータでも裏付けられているんですよ。2024年にデンマークで行われた研究によると、都市部(5大都市)の住民は、都市部以外の住民よりも生活満足度が有意に低いという結果が出ています。しかもこれ、デンマークだけじゃなくて、先進国全般に見られる傾向なんです。「都市の方が豊か=幸せなはず」という常識とは逆なので、研究者たちは『幸福のパラドクス』と呼んでいます。

相談者

えっ、そうなんですか!でも都会って収入も高いし、便利だし、幸せそうなイメージがあるんですけど…。

はぴテクさん
はぴテクさん

実はこの研究でも、都市部の方が収入が高いのは確認されているんです。でも面白いことに、「収入が高いことで幸せになっている」という影響はほとんど見られなかったんですね。それよりも、別の4つの要因の方が幸福度の差をずっとよく説明していたんです。

相談者

4つの要因、気になります!どんなことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この4つです。①自然環境へのアクセスの少なさ(差の約37%を説明)、②地域の絆・つながりの弱さ(約22%)、③退職者の割合が低いこと(約14%)、④外国生まれの住民の割合が高いこと(約9%)。合わせると、都市と地方の幸福度の差のなんと94%がこれで説明できるとされています。

相談者

自然やつながりは何となくわかるんですが、退職者の割合とか外国生まれの住民って、どういう関係があるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

退職者については、仕事や通勤のストレスがない分、時間的にゆとりがある生活を送りやすいという背景が考えられます。都市部は働く世代が多いので、その分ストレスも高くなりやすいんですね。外国生まれの方の割合については、都市部に集中しやすい傾向があり、文化的・社会的なつながりを築くのに時間がかかることが幸福度に影響している可能性が示唆されています。ただし、これはあくまで統計的な関連であって、因果関係が証明されているわけではないのでご注意ください。

相談者

自然とのつながりが一番大きいんですね。都会に住んでいても、公園に行くとか緑を増やすとか、そういうことで少し違ってきますかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究は直接そこまでは言及していないのですが、自然環境へのアクセスが幸福度の差の最大の要因だったという結果は、都市の中でも自然に触れる機会をどう作るかが大事というヒントになりそうですよね。公園を積極的に使ったり、植物を身近に置いたりすること、試してみる価値はありそうです。

相談者

つながりの弱さも気になりました。都会って、隣に誰が住んでいるかも知らないみたいな感じで…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね。この研究で言う「絆の社会的資本」というのは、近所の人や地域コミュニティとの日常的なつながりのことです。都市部ではこれが薄くなりがちで、それが幸福度に関連していると示されています。たとえば、地域のイベントに顔を出してみたり、近所の人と小さな会話を増やしてみたりすることで、こうしたつながりは少しずつ育てていけるかもしれません。

相談者

日本でも同じような傾向ってあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

日本でも都道府県別の主観的幸福度を見ると、都市部以外の地域が上位に来る傾向があります。たとえばある調査のトップ10には沖縄、鹿児島、熊本、三重、大分、奈良、宮崎、滋賀、福岡、高知などが入っています。東京や大阪といった大都市圏は必ずしも上位ではないんですよ。ただしこれも調査によって結果は異なりますし、あくまで傾向としての話です。

相談者

じゃあ都会に住んでいる自分はどうすればいいんでしょう…。引っ越しは難しいし。

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が教えてくれるのは、住む場所そのものよりも、「自然へのアクセス」と「人とのつながり」が幸福度と強く関連しているということです。都市に住みながらでも、緑のある場所を意識的に訪れたり、地域のコミュニティに少し顔を出したり、ご近所さんと挨拶を交わすだけでも、こうした要素を少しずつ取り入れることができるかもしれません。大きな環境の変化がなくても、日常の中でできることを探してみましょう。

■ 今日のまとめ

  • 先進国では都市部よりも都市部以外の方が生活満足度が高い傾向があり、これは「幸福のパラドクス」と呼ばれています。
  • デンマークの研究では、自然へのアクセスの少なさ(37%)・地域のつながりの弱さ(22%)・退職者の少なさ(14%)・外国生まれ住民の多さ(9%)の4要因が都市と地方の幸福度の差の94%を説明しました。
  • 収入の高さは都市部の幸福度を底上げしている証拠は見られず、自然とのつながり・人とのつながりが特に重要な関連要因でした。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Møller Dahl, M. et al. (2024). Why are City Residents Less Happy than the Rest of the Population in Developed Countries? Studying the Urban-Rural Happiness Gap in Denmark Using Blinder-Oaxaca Decomposition. Quality of Life Research. https://link.springer.com/article/10.1007/s11482-024-10380-3

  • 【注意事項①】本研究はデンマーク2011/2012年の調査データ(n=2000)に基づいており、日本や他国・他の時代への一般化には限界があります。

  • 【注意事項②】分析はブラインダー・オアハカ分解法による統計的関連の分析であり、各要因が幸福度の差を「引き起こした」という因果関係を証明するものではありません。

  • 【注意事項③】日本の都道府県別幸福度データは本論文外の調査であり、調査主体・方法によって結果が異なる場合があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
都市部と都市部以外は、どちらが幸せか?そして、その4つの理由。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-10-13-1728857403/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 ありがとう 地域・自治体ウェルビーイング自然・環境とウェルビーイング主観的幸福・幸福測定

← 検索にもどる