はぴテク相談室:子育てにユーモアは不可欠
最近、子育てがしんどくて…。子どもに怒鳴ってしまったり、ギスギスした雰囲気になってしまったりして、自分ってダメな親なのかなって落ち込んでいます。
そうなんですね、毎日お疲れ様です。怒鳴ってしまった後に自己嫌悪になる、というのはよく聞く話で、それだけ真剣に向き合っているからこそですよね。今日は、そんな子育てのしんどさに少し役立つかもしれない、ユーモアに関する研究をご紹介したいと思います。
ユーモア…?子育てに笑いが関係するんですか?
はい!ペンシルベニア州立大学の研究チームが2024年に発表したパイロット研究なんですが、18〜45歳の312人に調査したところ、「親がユーモアを使っていた」と答えた人の約50%が「親との関係が良好だった」と答えて、約44%が「親の子育ては上手だった」と感じていたんです。
へえ!でも、ユーモアを使わなかった親の子どもはどうだったんですか?
対照的で驚く数字なんですが、「親がユーモアを使わなかった」と答えたグループでは、「親との関係が良好」と答えたのはわずか約3%、「子育てが上手だった」と感じていたのも約4%だったんです。数字の開きがかなり大きいですよね。
すごい差…!でも、これって「ユーモアを使ったから関係が良くなった」ということなんですか?
そこは大事なポイントで、この研究で分かったのはあくまで「相関関係」、つまり「ユーモアを使う親ほど、子どもが関係を良好に感じている傾向がある」ということです。ユーモアが原因で関係が良くなる、と直接言い切れるわけではありません。また、今回の調査はパイロット研究といって、本格的な大規模研究の前段階のもので、サンプルも312人と比較的少なく、回答者の約64%が男性、約77%が白人という偏りもあります。なので結果はあくまで参考として見てほしいのですが、それでも興味深い傾向ですよね。
なるほど、参考として。でも実際、なぜユーモアが子育てに良いと考えられているんでしょう?
研究者のレヴィ教授はこう説明しています。「ユーモアは認知的柔軟性、つまり物事を違う角度から見る力を育て、ストレスを和らげ、創造的な問題解決や回復力を促す可能性がある」と。また、親子関係って少し上下関係がありますよね。ユーモアはその緊張をほぐして、お互いが気持ちよくなれる場をつくる効果が期待されているんです。
確かに、怒鳴り合いになったとき、誰かがちょっと笑えることを言ったらスーッと空気が変わった経験はあります。でも、いつも笑いを取れるわけじゃないし、どうすればいいんでしょう?
おっしゃる通り、難しいですよね。この研究でも「ユーモアをどう建設的に使うか」が課題だと言っていて、調査対象者の約70%が「子育てへのユーモアの活用法を学べるコースを受けたい」と答えていたくらいです。つまり、みんな「やってみたいけど、どうすればいいか分からない」と感じているんです。
70%もそう感じているなら、ちょっと安心しました(笑)。まずどこから始めればいいんでしょう?
例えば、日常の小さな笑える瞬間を意識して見つけてみることが一つの入り口になるかもしれません。子どもが変な顔をした、食事中に変なことを言った、そういうことを「面白いな」と受け止めて、一緒に笑ってみる。子どもを笑いの対象にするのではなく、一緒に笑う、という方向性が大切だと研究者も話しています。完璧なジョークを言う必要はなくて、日々の小さなユーモアの積み重ねがポイントみたいです。
「一緒に笑う」というのは素敵な言葉ですね。怒鳴ってしまうより、笑い合える関係の方が絶対いいですし、少し意識してみます!
それだけ子どもとの関係を真剣に考えているあなたなら、きっと自然にできると思いますよ。研究もまだ発展途上で、今後もっと大規模な調査が続く予定だそうです。ユーモアという視点で子育てを見直してみると、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。
■ 今日のまとめ
- 親がユーモアを使っていたグループでは約50%が親との関係を良好と感じており、使わなかったグループの約3%と大きな差が見られた(ただしこれは相関関係であり、因果関係ではありません)
- ユーモアには認知的柔軟性の向上・ストレス軽減・回復力の促進といった効果が期待されており、親子間の緊張をほぐすツールとして注目されている
- 完璧なジョークは不要で、日常の小さな出来事を「一緒に笑う」という姿勢の積み重ねが子育てにおけるユーモア活用の第一歩
■ 出典・注意事項
- 出典:Emery L, Levy B, et al. 'Humor in parenting: Does it play a role?' PLOS ONE, 2024年7月17日. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0306311
- 関連報道:ScienceDaily, 2024年8月12日. ペンシルベニア州立大学発表 https://www.sciencedaily.com/releases/2024/08/240812123148.htm
- 【注意事項①】本研究はパイロット研究(予備的調査)であり、サンプル数はn=312と比較的少数です。今後の大規模研究での検証が必要です
- 【注意事項②】回答者の約64%が男性・約77%が白人であり、特定の属性に偏りがあるため、結果をすべての集団に一般化することには限界があります
- 【注意事項③】本研究で示されているのは相関関係であり、ユーモアの使用が良好な親子関係を直接引き起こすという因果関係が証明されたものではありません
研究自体の紹介はこちら😊
子育てにユーモアは不可欠
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-08-13-1723586406/