はぴテク相談室:「共話」型コミュニケーションのデザインに向けて
最近、職場の同僚や友人と話していても、なんか会話がうまく弾まないというか、ちぐはぐな感じがして。話し終わったら相手が話す、みたいな感じで、なんか…テンポが合わないんですよね。これって私のコミュニケーションが下手なんでしょうか。
それ、すごくよく分かります!実は早稲田大学の研究で、まさにそのテンポ感について面白い知見があるんです。会話には大きく2種類あって、「ターンテイキング型」と「共話型」があるんです。
ターンテイキング型と共話型?なんですかそれ?
ターンテイキング型というのは、まさにあなたが感じている「片方が話し終わったら、もう片方が話す」という交互のスタイル。一方、共話(きょうわ)型は、お互いの声が自然に重なり合いながら一緒に会話を紡いでいくスタイルです。あいづちを打ったり、相手が言い淀んだときに「あ、○○ってこと?」って続きを補ったりしながら、二人で一緒に会話を作っていく感じです。
あ〜!確かに気の合う友達と話すときって、自然とそういう感じになりますよね。「そうそう!」とか「わかる〜!」とか挟みながら。あれが共話なんですね。
まさにそれです!そしてこの研究では、共話的なコミュニケーションが、会話の質の向上や、社会的な分断の緩和、メンタルヘルスの向上につながっていく可能性があると示唆しています。ただし、これはあくまで「関連がありそう」という段階の話で、「共話すれば必ずメンタルが良くなる」と断言できるものではないのでご注意ください。
なるほど。でも、どうすれば共話っぽい会話ができるようになるんでしょう?
この研究がヒントになるんですが、共話で特に重要とされているのが「あいづち」なんです。研究では、あいづちを動的に挿入するボットを作って実験したんですが、ボットがあいづちを打つだけで、人間がその会話を『より親しみやすく、協力的』に感じたという結果が出たんです。
ボットのあいづちでもそんな効果があるんですか!それはちょっと意外ですね。
そうなんです!さらに面白いのが、共話的なやりとりが生まれた場面では、人間がボットに「人間らしさ」を感じていたことも分かりました。あいづちって、思っている以上に会話の雰囲気を変える力があるみたいです。
じゃあ、私も意識的にあいづちをもっと打つようにすればいいってことですかね?
それは一つの実践として自然だと思います!あとこの研究では、共話が起きやすい会話の種類として「雑談・世間話・オープンエンドなブレスト(答えが決まっていない自由な話し合い)」が挙げられています。例えば職場でも、答えを決めようとする会議より、ざっくばらんなブレストのほうが声が重なりやすくて、関係が温まりやすいかもしれませんね。
ブレストか〜。確かにブレストのときって、「あ、それいいね!」「そこから広げると…」みたいな感じで、自然と声が重なる気がします。意識したことなかったけど、あれが共話だったんですね。
そうです!その感覚、大事にしてみてください。会話の「テンポが合わない」と感じるときは、もしかしたら相手もターンテイキング型を意識しすぎているだけかもしれません。あなたが少し意識的にあいづちや相手の言葉の補完を増やしてみると、会話の雰囲気が変わる可能性がありますよ。あくまでこの研究の範囲内での話ですが、試してみる価値はありそうです!
なんかちょっと気が楽になりました。コミュニケーションが下手なんじゃなくて、スタイルの話だったんですね。さっそくあいづちを意識してみます!
■ 今日のまとめ
- 会話には「交互に話すターンテイキング型」と「声を重ね合う共話型」の2種類があり、テンポが合わないと感じるのはスタイルのミスマッチが原因のこともある
- 共話では「あいづち」が特に重要で、研究ではあいづちを打つだけで会話が親しみやすく協調的に感じられることが示された(ただし因果関係の確定ではなく関連の示唆)
- 雑談・世間話・オープンエンドなブレストは共話が起きやすい場面。日常でこうした場を意識することが、会話の質向上につながる可能性がある
■ 出典・注意事項
- 出典:「話者同士でつくりあう『共話』型コミュニケーションのデザインに向けて ―あいづちが生み出す協調的かつオープンエンドな会話―」早稲田大学, 2024年6月4日 https://research-er.jp/articles/view/134250
- 注意事項①:本研究はコミュニケーションの質向上・社会的分断緩和・メンタルヘルス向上との関連を示唆するものであり、共話が直接それらを引き起こすという因果関係を証明したものではありません
- 注意事項②:実験はボットと人間の会話を対象としたもので、人間同士のあらゆる場面に同様の結果が当てはまるとは限りません
- 注意事項③:実験参加者の属性や規模の詳細が不明なため、結果の一般化には限界がある可能性があります
研究自体の紹介はこちら😊
「共話」型コミュニケーションのデザインに向けて
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-06-04-1717540211/