はぴテク相談室:ネットはやめるべき?新研究が意外な結果を提示
最近、スマホやネットを使いすぎてるかなって気になってて…。「ネットは幸福に悪い」ってよく聞くじゃないですか。やっぱり減らした方がいいんでしょうか?
その不安、すごくよく分かります!「スマホ断ち」とか「デジタルデトックス」って言葉をよく聞きますもんね。でも実は、2024年にオックスフォード大学が発表した大規模な研究で、ちょっと意外な結果が出たんですよ。
え、意外な結果って?やっぱりネットは悪いって結論じゃないんですか?
逆なんです!168カ国・約241万人のデータを2006年〜2021年にかけて分析したところ、インターネット利用と幸福度の間には「正の関係」、つまりネットを使う人ほど幸福度が高い傾向があることが示されたんです。全体の84.9%のデータ分析でそういう結果が出ていて、逆に幸福度が下がる関係が見られたのは14.7%にとどまりました。
84.9%も!それはびっくりですね。でも、どのくらい差があるんですか?
インターネットを積極的に使う人は、ほとんど使わない人や全く使わない人と比べて、生活満足度が約8.5%高いと報告されています。数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、241万人規模のデータでこれだけ一貫して出ているのは注目に値しますね。
じゃあ、ネットはどんどん使えばいい、ってことになるんですか?
ちょっと待ってください(笑)。これはあくまで「関連がある」という研究で、「ネットを使えば幸福になれる」という因果関係を証明したものではないんです。もともと生活が豊かな人がネットも使いやすい環境にある、という逆の解釈も完全には排除できません。あくまで『傾向として関連が見られた』という話です。
なるほど、因果ではないんですね。じゃあ、SNSとか特定のサービスはどうなんでしょう?SNSは特に悪いって聞きますが。
鋭いですね。この研究は「インターネット全体」への接続・利用を対象にしていて、SNSだけを切り出した分析ではないんです。なのでSNS特有の影響については、この研究からは明確なことは言えません。ただ研究の記事でも、ネット全体としてはプラスの傾向があるけれど、使い方や内容によって異なる可能性は否定されていませんね。
じゃあ、「ネット=悪」とは言い切れないけど、何でもOKとも言えないってことですか?
まさにその理解がとても正確です!この研究が示しているのは、『ネットを利用すること自体は幸福度と負の関係にあるわけではない』ということ。むしろ接続できること・利用できること自体は、世界168カ国で共通してウェルビーイングと正の関係が見られた。これはネットに対する過度な恐怖心を持つ必要はないよ、というメッセージとも読めます。
ちょっと気持ちが楽になりました。ネットを使っていること自体に罪悪感を持たなくてもいいんですね。
そうです!罪悪感を持ちすぎる必要はないと思いますよ。ただ、この研究は「どんな使い方をしても同じ」とは言っていません。商業・教育・娯楽など様々な目的でのインターネット利用全体を見た結果ですから、自分がどんな目的でどんな気分でネットを使っているか、ちょっと意識してみるのは良いかもしれませんね。
使う目的や気持ちを意識する、ですか。具体的にはどんなことを考えればいいですか?
たとえば「このネット時間、後で気分が上がってたか下がってたか」を軽く振り返るだけでも違いますよ。ネット全体としては幸福度と正の関連が示されていますが、あなた自身の体験が一番大切なデータです。使った後にすっきりしているなら、それはあなたにとって良い使い方のサインかもしれませんし、モヤモヤが残るなら使い方を少し変えるヒントになるかもしれません。
■ 今日のまとめ
- 168カ国・約241万人を対象にした大規模研究で、インターネット利用と幸福度の間には正の関連が見られることが示された(84.9%の分析で正の関係)。
- ただしこれは『関連』であって、ネットが幸福を直接引き起こすという因果関係の証明ではない点に注意が必要。
- ネット利用そのものを過度に恐れる必要はないが、どんな目的・気分で使っているかを自分で振り返ることが、自分らしいネットとの付き合い方につながる。
■ 出典・注意事項
- 【元論文】Wohl, A. et al. (2024). A multi-faceted analysis of the association between internet use and well-being. Technology, Mind, and Behavior. https://tmb.apaopen.org/pub/a2exdqgg/release/1
- 【注意事項①・相関と因果】本研究は観察データに基づく相関研究であり、インターネット利用がウェルビーイングを直接高めるという因果関係を示したものではありません。
- 【注意事項②・対象と限界】168カ国の大規模データを扱っているが、国・地域・年代・インターネットへのアクセス環境の違いが結果に影響している可能性があります。SNS等の特定サービスの影響は本研究から切り出せていません。
- 【注意事項③・期間】データは2006〜2021年のもので、近年のSNSや動画配信の爆発的普及後の状況を必ずしも反映していない可能性があります。
研究自体の紹介はこちら😊
ネットはやめるべき?新研究が意外な結果を提示
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-16-1715898607/