はぴテク相談室:企業と個人のレジリエンス構成要因
最近、仕事でミスが続いたり、職場で予期しないトラブルが起きたりして、なんだかどんどん落ち込んでしまいます。立ち直る力、いわゆるレジリエンスを高めたいのですが、何から始めればいいのかわからなくて…
それは大変でしたね。「立ち直る力=レジリエンス」を高めたいというお気持ち、とてもよくわかります。実は専修大学の上田先生が2024年に発表されたレビュー研究に、企業と個人のレジリエンスを構成する要因をまとめた興味深い知見があるんです。今日はその内容をもとに一緒に考えてみましょう!
レジリエンスって具体的にどういうことですか?なんとなくしか知らなくて…
レジリエンスとは、「さまざまなリスクや逆境にめげず、元の状態に戻り、さらに成長していく力」のことです。ゴムが伸びても元に戻るようなイメージですね。そしてこの研究では、レジリエンスは幸せ(ウェルビーイング)にも深く関係している要因だと位置づけられています。
なるほど!でも「企業と個人」両方のレジリエンスを調べているんですか?なぜ両方なんでしょう?
いい質問です!この研究では、企業のレジリエンスは経営者一人だけでなく、社員や関係者との相互影響の中から生まれることが多いと指摘しています。つまり、個人の価値観・経験・思考が集まって企業全体の立ち直る力になるので、個人レベルと企業レベルを切り離して考えるのはあまり意味がない、という視点なんです。
確かに、職場全体の雰囲気って個人にも影響しますよね。では、個人のレジリエンスを構成するうえで特に大切なのはどんな要因なんですか?
この研究では、個人レベルでは「その人自身の強い思いや価値観」「これまでの経験」「思考のクセや性格的な要因」などがレジリエンスの源泉として重要だと示されています。簡単に言うと、「自分はどういう人間で、何を大切にしているか」という軸がしっかりしているほど、逆境から立ち直りやすい傾向があるということですね。
「自分の価値観を明確にする」ということですか。それは具体的にどうすれば…?
研究そのものが具体的なトレーニング方法を提示しているわけではないので、断言はできませんが、研究が示す方向性から言うと、「自分が仕事で何を大切にしているか」「どんな経験が自分を支えてきたか」を振り返ることが、価値観や経験の棚卸しにつながりそうです。日記に書いてみたり、信頼できる人と話してみたりするのも一つのアプローチかもしれませんね。
企業レベルでのレジリエンス要因も気になります。職場全体として何が重要なんでしょう?
企業レベルでは、経営者の意思決定が大きな影響を持つ一方で、経営者と社員の間で意見をキャッチボールする双方向のやりとりが重要だと研究は述べています。つまり、トップダウンだけでなく、現場の社員の価値観や経験も反映される風通しの良いコミュニケーションが、組織全体の立ち直る力につながっているようです。
個人と企業、両方に共通する一番重要な要因って何なんでしょう?
この研究が特に強調している共通の最重要要因は、「個人の思い・価値観・経験」です。経営者であれ一般社員であれ、その人が持つ価値観や積み上げてきた経験がレジリエンスの核になる、と整理されています。企業レベルでも結局はそういった人々の集合が土台になるため、個人の内面的な軸が企業全体のレジリエンスにもつながっているわけです。
ということは、私自身が自分の価値観や経験をちゃんと見つめることが、職場全体のレジリエンスにも貢献できるということですか?それはちょっと励みになりました!
そうですね、この研究の知見からはそのような方向性が読み取れます。ただし、これはレビューや事例研究をもとにした知見なので、「必ずこうなる」という因果関係として断言はできません。でも、自分の価値観・経験を大切にしながら、周りとオープンに意見を交わすことが、あなた自身の立ち直る力を育て、職場のウェルビーイングにも関係していくという視点は、日常の中で意識してみる価値がありそうですよ!
■ 今日のまとめ
- レジリエンスとは逆境にめげず元の状態に戻り成長していく力のことで、個人の幸せ(ウェルビーイング)とも深く関係しています
- 個人・企業に共通するレジリエンスの最重要要因は「自分自身の価値観・思い・経験」であり、これが逆境からの立ち直りの核になると研究は示しています
- 企業のレジリエンスは経営者と社員の双方向のコミュニケーションから生まれることが多く、個人の内面的な軸が組織全体の立ち直る力の土台になっています
■ 出典・注意事項
- 上田泰(2024)「企業と個人のレジリエンス構築要因の共通要素に関する研究」専修大学社会科学研究所 社会科学年報 第58号 https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/record/2000653/files/3012_0058_07.pdf
- 【注意事項】本研究は事例研究およびレビューに基づくものであり、要因間の相関・関連を示すものです。因果関係(原因→結果)を直接証明するものではありません
- 【注意事項】主に企業経営者・組織を対象とした事例・文献を中心に分析されており、すべての個人や職場環境に同様に当てはまるとは限りません
- 【注意事項】個人のレジリエンス向上に向けた具体的なトレーニング方法や手順は本研究の直接の対象ではなく、本対話での応用はあくまで研究の方向性に基づく参考情報です
研究自体の紹介はこちら😊
企業と個人のレジリエンス構成要因
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-15-1715814817/