所得と幸せ
■米国と日本では、所得の上昇は、統計的に有意なかたちで幸福度に影響を与えていなかった。
>イースタリンはさらに、次のようなパラドクスを発見した。米国の幸福度調査で、「大変幸福である」と答えた人の割合は、1946年から57年にかけて上昇したものの、63年から70年にかけて低下した、という事実である。豊かな社会の到来とともに、米国では所得の上昇が、かえって幸福度の低下を招くようになった。
>このパラドクスについてイースタリンは、1995年の論文(*3)でさらに検討した。米国と欧州9カ国と日本(計11カ国)を対象に、所得と幸福度の長期的な関係を調べた。すると、米国と日本では、所得が増えても幸福度は上昇していないことが分かった。
■M・オプフィンガーの研究
>所得と幸福度の関係は、地域によって異なるのではないか。M・オプフィンガーの研究は、次のような結果を導いた。東欧諸国、中東・北アフリカ諸国、およびラテンアメリカ諸国では、所得と幸福度のあいだに正の相関関係がある。これに対して西ヨーロッパ諸国とアジア諸国では、所得と幸福度の関係は見出せない。
>米国およびカナダ、オセアニア諸国、サブサハラ(サハラ砂漠より南の地域)・アフリカ諸国では、所得が幸福度に与える効果はマイナスになる(*4)。このように、世界の諸地域で、異なる傾向があることが分かった
■R・ヴェーンホーヴェンとF・ファアグンストの研究
>R・ヴェーンホーヴェンとF・ファアグンストは、67カ国のデータを調べた。すると世界全体で、所得(1人当たりGDP)の伸びと幸福度の上昇には正の相関があることが明らかになった。諸国の傾向を平均すると、1人当たりの所得が年率で1%増加すれば、0〜10段階評価の平均的な幸福度は、0.00335上昇する(*5)。所得と幸福度のあいだには、わずかな正の相関関係がある、という結果が出た。
■D・トシュコフの研究
図を添付
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「最も幸福になれる」年収と労働時間のバランスとは…「幸福の損益分岐点」を研究者たちが徹底調査した結論
PRESIDENT Online,2024/4/30