2024.04.14

はぴテク相談室:職場における創造性に関する研究

相談者

最近、職場で「もっと創造的なアイデアを出してほしい」と言われるんですが、正直どこから手をつければいいか全然わからなくて…。自分には創造的なセンスがないのかな、って落ち込んでいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩みますよね。でも、ちょっと面白い研究を紹介させてください。2024年に発表されたJournal of Management Studiesという経営学の権威ある雑誌の研究なんですが、「創造性って、センスの問題じゃない」ということが見えてきているんです。

相談者

センスじゃない、ですか?じゃあ何なんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、創造性に関係する2つの要素に注目しています。ひとつは「創造的自己効力感」、つまり『自分はクリエイティブなことができる』という自信。もうひとつは「創造性への内発的動機づけ」、つまり『創造的な仕事が面白い、やってみたい』という関心や興味です。この2つが互いに影響し合って、創造性が育まれる、というんです。

相談者

自信と関心、ですか。でも私、どっちもあまり高くないかもしれないです…。

はぴテクさん
はぴテクさん

大丈夫ですよ。この研究が面白いのは、「どちらが先でもいい」という点なんです。関心(面白いと思う気持ち)がある人は、創造的なプロセスに関わることで自信が育ちやすい。逆に、自信がある人は、レジリエンス(粘り強さ)を通じて関心が高まりやすい、という2方向のルートが示されているんです。

相談者

じゃあ、関心さえあれば最初は自信がなくてもいい、ということですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そういう読み方もできますね。研究によると、創造的な仕事に関心がある場合は、「プロセスへの関与」が鍵になります。つまり、最終的な成果だけを求めるのではなく、アイデアを出す過程そのものにしっかり関わること。さらに「タスク変動性」、つまり毎回少しずつ違う課題に取り組む環境だと、その効果がより強まることも示されています。

相談者

毎回同じ仕事ではなく、変化のある仕事の方がいい、ということですね。確かに、いつも同じ作業だと考える機会がないかも。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうです。変化のある仕事の方が、自分で考えたり試したりする機会が増えますよね。そうした経験の積み重ねが自信につながっていく、というルートが研究から見えてきています。ちなみに逆のルート、つまり自信がある程度ついてきたら、今度は「レジリエンス」と「難しいタスクへの挑戦」が関心をさらに高める、という流れも確認されています。

相談者

レジリエンスって、失敗してもへこたれない力のことですよね?難しいタスクと組み合わさると創造性が高まる、というのは興味深いですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです、粘り強さですね。難しい課題に挑むとき、失敗しても「もう一回やってみよう」と立て直せる力があると、むしろ面白さや関心が高まって、創造性の発揮につながりやすい、ということが示されているんです。なので、最初から難題に放り込まれるより、まずは変化のある仕事でプロセスを楽しみながら経験を積む方が、現実的なスタートかもしれません。

相談者

なるほど。ということは、今の私の状況だと、まず「自分が少し面白いと思える創造的な仕事」に、結果だけ気にせずプロセスから関わってみる、というのが良さそうですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

いいまとめ方ですね!ちなみにこの研究は食品製造会社で新製品を考えるというお題での実験も含まれているので、職種によっては当てはまり方が違う可能性もあります。ただ、「関心→プロセス参加→自信」という流れは、幅広い場面で参考になりそうです。そして創造性を発揮できるようになると、仕事のウェルビーイング、つまり充実感や幸福感にもつながっていくと考えられていますよ。

相談者

最初から「センスがない」と諦めずに、関心とプロセスを大切にするところから始めればいいんですね。少し気が楽になりました。ありがとうございます!

はぴテクさん
はぴテクさん

よかったです!焦らず、まず「ちょっと面白いな」という感覚を大切にしながら、過程を楽しむ姿勢で取り組んでみてください。創造性は育てていけるものだと、この研究は示してくれていますから。

■ 今日のまとめ

  • 創造性には『自分にもできる』という自信(創造的自己効力感)と『やってみたい』という関心(内発的動機づけ)の2つが関係しており、どちらが先でも互いを高め合うことが研究から示されています。
  • 関心がある人は、結果だけでなくプロセスから関わること、そして変化のある仕事(タスク変動性)に取り組むことで自信が育まれやすい傾向が見られました。
  • 自信がついてきたら、粘り強さ(レジリエンス)を持ちながら難しい課題に挑むことで、さらに関心と創造性が高まりやすいというルートも確認されています。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Tuan, L.T. et al. (2024). Competence Drives Interest or Vice Versa? Untangling the Bidirectional Relationships between Creative Self-Efficacy and Intrinsic Motivation for Creativity in Shaping Employee Creativity. Journal of Management Studies. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/joms.13072

  • 注意事項①:本研究は実験および実地調査(フィールドスタディ)による相関・因果の検討を含みますが、すべての結果が因果関係を直接証明するものではありません。

  • 注意事項②:実験の一部は食品製造会社での新製品開発というお題で実施されており、業種や職種が異なる場合は結果の当てはまりが限られる可能性があります。

  • 注意事項③:「創造性が高まるとウェルビーイングが向上する」という点は本研究の主要な検討対象ではなく、研究の直接的な知見として示されたものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
職場における創造性に関する研究
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-14-1713135608/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 やってみよう 職場・働く幸せ感情・レジリエンス

← 検索にもどる