はぴテク相談室:主観的ウェルビーイングを測る時は、ネガティブ感情を測るのも大事だよ〜
最近、自分って幸せなのかな?ってふと考えるんですよ。毎日そんなに不満はないし、生活も安定してるし、夫婦仲も悪くない。でも何か、モヤモヤしたり、イライラしたりすることも結構あって。幸せなのに気分が沈むのって、おかしいですかね?
全然おかしくないですよ!むしろ、それってすごく大事な気づきだと思います。実は「幸せ」って、一言で測れるほど単純じゃないんですよね。今日はそのヒントになりそな研究を紹介しながら、一緒に考えてみましょうか。
ぜひ聞かせてください。幸せって、もっとシンプルなものだと思ってました。
研究者たちも長い間「幸せって何で測るの?」って議論してきたんです。大きく分けると、①人生全体への満足感、②パートナーや健康など特定の分野への満足感、③ポジティブな感情の多さ、④ネガティブな感情の多さ、⑤全体的な幸福感、という5つの軸があるとされています。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームが、パートナー関係にある約1,500人のデータでこれを調べてみたんですね。
5つも軸があるんですね。でも、「人生が満足」って人は「夫婦仲も良い」みたいに、結局どれも似た値になりそうじゃないですか?
鋭い!実際、研究でも「大体似た傾向が出る」という結果でした。人生満足度が高い人は、夫婦満足度も健康満足度もポジティブ感情も高い傾向があった。だから「全部測らなくてもいいんじゃ?」って思いたくなるんですけど……一つだけ、他と違う動きをした軸があったんです。
それって、もしかしてネガティブな感情ですか?
その通りです!ネガティブ感情だけが、他の軸とズレる人が結構いたんです。研究では、夫婦満足度が高い順に5つのグループに分けたのですが、「全体的には満足しているのに、ネガティブ感情も多い」というグループが確認されたんです。これを研究では「Ambivalent(アンビバレント=相反する気持ちが共存している)」なプロファイルと呼んでいます。
まさに私がそれかも…!夫婦関係も生活も悪くないのに、なんかモヤモヤするっていう。そういう人が実際にいると分かるだけで、少し楽になります。
そうですよね。「幸せなのにネガティブな気持ちがある」のは矛盾じゃなくて、ちゃんと存在するパターンなんだ、と研究が示してくれているわけです。だからこそ研究者たちは「ポジティブなものがないからネガティブなものもない、とか、その逆もしかり、と早合点しないことが大事」と言っています。
じゃあ、「不満はない=幸せ」でも、「ポジティブな感情がある=ネガティブな感情はない」でもないってことですね。
まさにそこがポイントです!この研究が言いたいのは、幸せを「一つの物差し」だけで測ろうとすると、こぼれ落ちるものがある、ということなんですよね。特にネガティブな感情は、他の満足度の高さからは見えてこない独立した軸なので、ちゃんと別で確認することに意味があると。
自分でも「満足してるから問題ない」って思い込んで、モヤモヤした気持ちをなんとなく無視してきた気がします。
その気づきはすごく大切だと思います。ただ、この研究はあくまで「こういうパターンの人が存在する」という関連を示したものであって、「なぜそうなるか」「どうすれば変わるか」まで答えが出ているわけではないんです。なので「ネガティブ感情がある自分はダメだ」とか「何かを変えなきゃ」と焦る必要もなくて、まず「あ、自分の中にこういう気持ちもあるんだな」と認識することが、幸せを多角的に見る第一歩かなと思いますよ。
幸せって「ポジティブだけ追いかけるもの」じゃなくて、ネガティブな部分も含めてちゃんと見ることが大事なんですね。なんかスッキリしました!
よかったです!「満足してるのにモヤモヤする」は、矛盾でも弱さでもなく、人間の幸せの複雑さがそのまま出ているだけ。自分のネガティブな感情にも、ちゃんと目を向けてあげてくださいね。
■ 今日のまとめ
- 「満足感が高い=ネガティブ感情がない」とは限らない。研究では、生活や夫婦関係への満足度は高くても、ネガティブな感情も多いという「アンビバレント」なパターンが確認された。
- 主観的ウェルビーイング(幸せの度合い)は、人生満足・分野別満足・ポジティブ感情・ネガティブ感情・全体的幸福感という5つの軸で構成される。多くの軸は似た傾向を示すが、ネガティブ感情だけは他の軸と独立して動くことがある。
- ポジティブなものがあるからネガティブなものはない、あるいはその逆、と早合点しないことが大切。自分のネガティブな気持ちにも別個に目を向けることが、幸せを多面的に理解するうえで意味を持つ。
■ 出典・注意事項
- 出典:Frontiers in Psychology, 2024年3月4日公開「Diversity in happiness indicators: a latent profile analysis」https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2024.1304074/full
- 注意事項①:本研究は横断的な観察研究であり、変数間の関連(相関)を示したものです。「満足度が高いからネガティブ感情が生じる」などの因果関係を示すものではありません。
- 注意事項②:対象はパートナー関係にある1,487人の二次分析データです。パートナーがいない人や異なる文化的背景を持つ集団への一般化には限界があります。
- 注意事項③:5つのプロファイルの分類は統計的手法(潜在プロファイル分析)によるものであり、現実の人間を厳密に5種類に分けられるわけではありません。あくまで傾向の把握のための分析です。
研究自体の紹介はこちら😊
主観的ウェルビーイングを測る時は、ネガティブ感情を測るのも大事だよ〜
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-03-30-1711839608/