2024.02.08

はぴテク相談室:世界の先住民の方々は、日本人より幸せだった。

相談者

最近、仕事や生活で色々と疲れてしまって…。もっとお金があれば幸せになれるのかなって思うんですが、なんか違う気もして。はぴテクさん、どう思いますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは疲れましたね。「お金があれば幸せになれる」って感覚、すごく自然な気持ちだと思います。実は最近、その考え方に一石を投じる面白い研究が発表されたんですよ。聞いてみますか?

相談者

ぜひ聞かせてください!どんな研究ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

カナダのマギル大学の研究なんですが、世界19か所の先住民や伝統的な暮らしをしているコミュニティの方々、合わせて約3,000人に「生活にどれくらい満足していますか?」と聞いたんです。するとなんと、平均スコアが0〜10点で6.8点だったんですよ。

相談者

6.8点…それって高いんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです!日本の生活満足度の平均がだいたい5.79点くらいと言われているので、それより高い。しかも、調査対象のコミュニティの64%しか現金収入がなかったにもかかわらず、です。なかには、豊かで有名なスカンジナビア諸国(北欧)に匹敵、あるいは上回るスコアを出したコミュニティもあったんです。

相談者

え、すごい…!でも、なんでお金がなくても満足度が高いんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では、その理由を断定はしていないんですが、「こういった要素が関係しているかもしれない」として挙げられているのが、仲間や家族などの社会的なつながり・支え合いスピリチュアルなもの(精神的・文化的なよりどころ)、そして自然との密接なつながり、この3つなんです。

相談者

なるほど…。確かに、お金じゃなくて「つながり」みたいなものが大事って聞きますよね。でも、じゃあ私たちの現代的な生活って、なんか間違ってるんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が示しているのは、「現代の生活が間違い」というよりも、「高い生活満足度を達成するための方法は、経済的な豊かさ一本道ではなく、もっと柔軟だ」ということなんですよね。今まで世界の幸福調査って、先進国や大きな国が中心で、こういった小規模な伝統的コミュニティがほとんど含まれていなかった。だからこそ、「お金持ちの国ほど幸せ」という印象が強くなっていた可能性があるんです。

相談者

確かに、統計って対象によって全然変わりますよね。でも、先住民の暮らしに戻れというわけにもいかないし…。

はぴテクさん
はぴテクさん

おっしゃる通りで(笑)。実際、先住民の方々は平均寿命が約10年ほど短いというデータもあって、医療や衛生面では現代の恩恵は大きい。だからこそ研究者たちが注目しているのは、「彼らの暮らしのどの部分が生活満足度を支えているのか」を学んで、現代の生活の中に取り入れられないか、という視点なんです。

相談者

なるほど!じゃあ、私たちが日常生活で意識できることって何かありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究から直接「こうすれば満足度が上がる」とは言えないんですが、研究が指摘している要素をヒントにするとしたら、身近な人との時間やつながりを大切にすること自然の中に出かけてみること自分の中で大切にしている価値観や文化とつながること、あたりが参考になるかもしれません。お金を増やす方向だけじゃなく、こういった方向も「生活の満足感」に関係している可能性があるよ、という研究結果です。

相談者

なんかちょっと、肩の荷が下りた気がします。もっと稼がないと、って焦ってたけど、もう少し違う角度も見てみようかな。

はぴテクさん
はぴテクさん

その気持ち、すごく大事だと思います。この研究も「経済成長だけが幸福への道ではない」というメッセージを科学的に示してくれているので。焦る気持ちは自然なことだけど、「自分にとっての満足感って何だろう」って立ち止まって考えるきっかけにもなりますよね。

■ 今日のまとめ

  • 世界19か所の先住民・伝統的コミュニティ約3,000人を調査したところ、現金収入が非常に低いにもかかわらず、平均生活満足度は6.8点(0〜10点)と日本(約5.79点)を上回る水準だった。
  • 社会的なつながり・支え合い、スピリチュアルなよりどころ、自然とのつながりといった要素が生活満足度を支えている可能性が示唆されている(ただし研究はあくまで関連性を示すものであり、因果関係ではない)。
  • 「高い生活満足度=経済的豊かさが必要」という前提は、小規模・伝統的社会を除外した調査に偏っていた可能性があり、幸福を達成する手段はより柔軟だということが示唆されている。

■ 出典・注意事項

  • 【元論文】Zadra, J.R. et al. (2024). Small-scale societies report high life satisfaction. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 121(6). https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2311703121

  • 【報道】Neuroscience News (2024/2/6). Happiness Beyond Wealth: Joy That Money Can't Buy. https://neurosciencenews.com/psychology-happiness-wealth-25564/

  • 【注意事項①・研究の限界】本研究は「生活満足度」を測定したものであり、厳密な「幸福度」とは異なる指標です。また、調査に使用した測定尺度(生活満足度スコア)は、ワールドハピネスレポートで使われるキャントリルのラダーより0.3〜0.6点ほど高く出やすい傾向があると指摘されています。

  • 【注意事項②・相関と因果】社会的つながりや自然とのつながりと生活満足度の関係は「関連性(相関)」として示されたものです。これらの要素が満足度を高める直接の「原因」であると断定はできません。

  • 【注意事項③・対象集団の限界】調査対象は世界19か所の先住民・地域コミュニティに限定されており、結果をすべての人・社会に一般化することには注意が必要です。また、先住民コミュニティでは平均寿命が約10年短いとするデータもあり、生活満足度以外の側面も含めた総合的な理解が重要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
世界の先住民の方々は、日本人より幸せだった。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-02-08-1707432079/

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