はぴテク相談室:集団主義では近しい人への感謝をしない。
最近、家族や仲良い友達に対して、なんか感謝の言葉を言いそびれてしまうんですよね。もともと言葉にするのが苦手で…。これって良くないことなんでしょうか?
それ、すごくよくある悩みですよね。実は最近おもしろい研究が出ていて、「近しい人ほど感謝を言わない」という現象が文化的に起きやすいことが分かってきたんです。まず、その話を聞いてみますか?
えっ、そうなんですか!感謝しない人の方が多いってことですか?
正確に言うと、「集団主義的な文化(例:中国)では、親しい人への感謝の表現が、個人主義的な文化(例:アメリカ)より少ない傾向がある」という研究結果なんです(Yu & Chaudhry, 2023)。なぜかというと、集団主義では近しい人には「やってくれて当たり前」という期待が強くなりやすいから。感謝って、期待を超えたときに生まれやすいものなんですよね。
あー、確かに!家族には「やってくれるのが普通」みたいに思っちゃってるかも。じゃあ日本はどうなんですか?集団主義のイメージがあるんですが。
面白いことに、ホフステードという研究者の文化比較の枠組みで見ると、日本は実は「集団主義と個人主義の中間〜やや個人主義寄り」というデータがあります。なので、日本人が必ずしも集団主義的な感謝パターンに当てはまるとは限らないんですよ。
意外ですね!じゃあ私がなかなか感謝を言えないのは、文化のせいで仕方ないってこと…でしょうか?
文化的な背景が影響している可能性はあります。ただ、「仕方ない」で終わらせるのももったいなくて。日本で約30万回にわたる幸福度の計測データを見ると、感謝をよくする人の方が幸福度が高いという傾向が見られているんです。
30万回!すごいデータ量ですね。でも、感謝の気持ちが生まれにくい相手に、無理やり言うのって不自然じゃないですか?
その感覚、すごく正直でいいと思います。ただ、ちょっと視点を変えてみると、「仕組みが分からなくてもやってみる」ことに価値があるんですよね。たとえばボールの投げ方って、物理的には複雑な力学が働いているんですが、それを全部理解しなくても投げ続ければ上手くなるじゃないですか。感謝も同じで、なぜ感謝が幸福度と関連するのかを完全に理解しなくても、まず言ってみる、というアプローチが有効かもしれません。
確かに(笑)。考えすぎてたかも。ちなみに、その研究では遠い関係の人への感謝はどうなんですか?
それも興味深くて、「関係が遠い人(知人や初対面の人など)への感謝の表現は、集団主義・個人主義の文化どちらでも差がなかった」という結果が出ています。つまり、文化の差が出るのは「親しい関係」に限られているんです。
なるほど〜。じゃあ店員さんへの「ありがとう」はみんな言えるけど、家族への「ありがとう」が一番難しい、みたいな感じですね。
まさにそうなんです!その研究でも「感謝の表現は、期待を超えたことを伝えるサイン」として機能しているという解釈が示されています。親しい人への感謝が難しいのは、ある意味「それだけ深い関係」の裏返しでもあるんですよね。でも、だからこそ意識的に言葉にしてみると、幸福度という観点からもプラスになる可能性があります。
なんか少し気が楽になりました。難しく考えすぎず、まず言ってみる、を試してみます!
それが一番ですよ!「ありがとう」って一言でいい。小さなことからでも、積み重ねていくのが大切だと思います。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 集団主義文化(例:中国)では、近しい人への感謝表現が個人主義文化(例:アメリカ)より少ない傾向があるが、遠い関係の人への感謝には文化差が見られなかった(Yu & Chaudhry, 2023)。
- 日本はホフステードの文化指標では集団主義・個人主義の中間〜やや個人主義寄りとされており、必ずしも集団主義の感謝パターンには当てはまらない。
- 日本国内の約30万回の幸福度測定データでは、感謝をよくする人の方が幸福度が高い傾向が見られており、感謝の仕組みを深く理解しなくても、まず実践してみることに意味がある可能性がある。
■ 出典・注意事項
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研究自体の紹介はこちら😊
集団主義では近しい人への感謝をしない。
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