2023.07.03

はぴテク相談室:アイドルへの推し活は幸せに繋がるのか?

相談者

最近、アイドルの推し活をしているんですが、なんか同じアイドルを好きな人たちと比べてしまって、しんどくなることがあって…。推し活って本当に幸せに繋がるものなのかな、って悩んでいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大事な気づきですね!実は2023年に日本マーケティング学会で発表された研究で、まさにそのテーマが550人のアイドルファンを対象に調べられているんです。基本的には「推し活は幸せに繋がる」という結果なんですが、もう少し細かく見ると、あなたが感じているしんどさの原因もちゃんと説明できるかもしれません😊

相談者

へえ、そんな研究があるんですね!どういう仕組みで幸せに繋がるって言っているんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、推すという行為を「心理的所有感」という言葉で説明しています。難しそうな言葉ですが、要するに「このアイドルは私にとって特別な存在だ」という気持ちのことです。そしてこの気持ちには2つの種類があるとされていて、ひとつが「心理的一体感」=アイドルと自分が一緒になったような感覚、もうひとつが「心理的責任感」=このアイドルを応援しなければという使命感のような感覚、です。

相談者

なるほど!私も「このアイドルのこと誰よりも好き!」みたいな気持ちがありますし、「ちゃんと応援しなきゃ」って焦る気持ちもあります。それが2種類に分かれるんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそれです!で、この2種類の気持ちは、同じアイドルを好きなほかのファン(同担)への意識の持ち方に影響するんです。「心理的一体感」が強いと、同担のみんなと仲間として繋がれる感覚、つまり「同担仲間意識」が生まれやすい。一方「心理的責任感」が強いと、「あの人より私のほうがもっと好き」という「同担競争意識」が生まれやすくなるとされています。

相談者

あ…それです!「あの人より私のほうが長くファンやってる」とか「グッズの数で負けたくない」みたいな気持ちが出てきて、それがしんどいんだと思います。

はぴテクさん
はぴテクさん

その感覚、この研究でちゃんと説明されています。面白いのは、「同担仲間意識」も「同担競争意識」も、どちらもウェルビーイング(ここでは人生満足度のこと)には良い影響があると示されている点なんです。つまり、競争意識も完全に悪いわけではなく、幸福感にはむしろプラスに働く面もあるようなんです。

相談者

え、競争意識もウェルビーイングに良いんですか?それはちょっと意外でした。でもじゃあなんで私はしんどいんでしょう…?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!ここがポイントで、競争意識はウェルビーイングには一定の良い影響があるかもしれないけれど、「推し活を続けたいという気持ち(継続性)」にはマイナスの影響があることも示されているんです。つまり、競争意識が強くなりすぎると、「もう疲れた、推すのやめようかな」ってなりやすい、ということです。あなたが感じている「しんどさ」はまさにこれかもしれませんね。

相談者

なるほど…!競争意識は短期的には燃えるけど、長く続けるには向いていないってことですね。じゃあ、仲間意識のほうはどうなんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

仲間意識は、ウェルビーイングにも推し活の継続性にも両方プラスの影響があると示されています。同担の人たちと「一緒に好きで良かったね」「このシーン最高だよね」って共感し合える感覚が、幸せ感にも繋がるし、長く推し続ける原動力にもなりやすいということですね。

相談者

確かに、好きな人と語り合えるときはすごく楽しいし、元気になります。競争より仲間として繋がる意識を大切にしたほうが、長く楽しめそうですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そういう気づきはとても大切だと思います😊 ただひとつ補足しておくと、この研究は550人のアイドルファンのデータを分析した調査で、「こういう関連がある」という相関を示したものです。「競争意識を減らせば必ず幸せになる」と断言できるわけではないので、参考の一つとして受け取ってもらえると良いかなと思います。でも、自分の中にある「仲間意識」と「競争意識」のバランスを意識してみるだけで、推し活の楽しみ方が変わるかもしれませんね。

相談者

はい、すごくスッキリしました!競争意識が全然ダメなわけじゃないけど、仲間意識を大事にしながら楽しむのが長続きのコツなんですね。推し活、もう少し肩の力を抜いて楽しんでみます!

■ 今日のまとめ

  • 推し活(アイドルを応援する行為)は、「心理的所有感」という形でウェルビーイング(人生満足度)にプラスの影響と関連することが550人のファンを対象にした研究で示されました。
  • 同担への「仲間意識」はウェルビーイングにも推し活の継続にも良い影響と関連し、「競争意識」はウェルビーイングには一定のプラスがある一方、推し活の継続にはマイナスの影響と関連することが示されました。
  • 競争意識が強まりすぎると「疲れてやめたくなる」につながりやすいため、同担と共感・連帯する仲間意識を大切にすることが、長く楽しむ推し活のヒントになりそうです。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】石田大典(2023)「アイドルに対するファンの心理的所有感とその影響について―他のファンへの意識とウェルビーイングへの効果―」『マーケティングジャーナル』43(1), 日本マーケティング学会. https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketing/43/1/43_2023.034/_pdf

  • 【注意事項①】本研究は相関関係を示したものであり、「競争意識を減らせば幸福度が上がる」といった因果関係を証明したものではありません。

  • 【注意事項②】対象はアイドルファン550人であり、特定の文化・属性に限定されたサンプルのため、すべての人や状況に一般化できるわけではありません。

  • 【注意事項③】ウェルビーイングは「人生満足度尺度」で測定されており、幸福感の一側面を捉えたものです。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
アイドルへの推し活は幸せに繋がるのか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-07-03-1688374805/

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