モラルサークルの国際比較
日本はあの国に次いで下から2番目
先日のセリグマン先生の話や、紹介した論文にも載っていたモラルサークル(道徳の輪)。
昨年末に5万人の世界調査の結果が報告されていました😊
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■分かった事
国際比較の結果としては、
・寛大なほど、モラルサークルも大きい。(個人レベル)
・一方で、宗教圏では、宗教の教えによって、寛大でなくても、モラルサークルが大きい。(特にイスラム教圏は大きい。)
・国レベルで見ると、寛大さはGDPが高くなるほど、低くなる。
(個人主義度やジニ係数(格差)は寛大さに影響がなかった。)
とのことでした。
まぁ宗教、凄いですね。。
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■日本
そして日本は、最下位のロシアに次いで、下から2番目。
スコアが6.93なので、
自分の国までがモラルサークルの範囲ですね・・・
日本の古来からの教えを考えると、そんなに低い!?とビックリしつつも、今のSNSとかニュースを見ると、妥当な気も。
(さすがに謙虚だから、という感じではないような気も。)
むむむむ。さて、どう高めていくか。
でも、海外の国々のモラルサークルが大きいのは良いことですね😍
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■モラルサークルの測り方
Moral Circle Scale(16段階)の詳細
以下のどの範囲までを道徳的配慮を拡張するか。
みなさんは、どのレベルまでの、幸せを考えることができますか?
1:あなたの直接の家族すべて
2:あなたの拡大家族すべて
3:あなたの最も親しい友人すべて
4:あなたの友人すべて(遠い友人も含む)
5:あなたの知人すべて
6:あなたが今まで会ったことのある人すべて
7:あなたの国の人々すべて
8:あなたの大陸の人々すべて
9:すべての大陸の人々すべて
10:すべての哺乳類
11:すべての両生類、爬虫類、哺乳類、魚類、鳥類
12:パラミシウムやアメーバを含む地球上のすべての動物
13:宇宙人を含む宇宙のすべての動物
14:植物や木を含む宇宙のすべての生き物
15:岩などの無機物を含む宇宙のすべての自然物
16:存在するすべてのもの
→その数字がスコア。
1位のバングラディッシュはほぼ12なので、全ての動物までが範疇。
アメリカはほぼ9なので、人類全てくらいまで。
日本はほぼ7なので、日本国内まで
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■モラルサークルに効いてくる寛大さ
寛大さは、その国の日給中央値をもらえた時に、何%慈善団体に寄付するか。という質問。
TOP3:ドイツは82.80%、ブルガリアは86.44%、バングラディッシュは77.95%
最下位3:日本19.65%、アイルランド:25.89%、デンマーク32.02%。
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Beyond borders: The moderating role of cultural religiosity in the relationship between moral circle and generosity
**Wang Zheng, Juzhe Xi **
Internatioonal Journal or Psychology,2024/12
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39256926/
DL用↓
研究では、道徳循環と個人の向社会的行動の間に関連があることが示されています。しかし、この関係がより広い範囲の国々に当てはまるかどうか、また社会文化的文脈の影響を受けるかどうかは依然として不明です。本研究では、57カ国49,540人の参加者を含む国際的なデータセットを用いて、道徳循環が個人の寛大さに与える影響と、文化的宗教性の調整役割を調査しました。結果は、国境を越えた文脈において、道徳循環と寛大さの間に有意な正の相関関係があることを示しています。特に、宗教文化においては、道徳循環と寛大さの関連は弱いことがわかりました。さらに、3つの頑健性チェックによって、これらの調査結果が頑健であることが確認されました。本研究では、多国籍の文脈において道徳循環と寛大さの間に正の相関関係があることを確認しましたが、文化的宗教性の調整役割も強調されました。この調査結果は、今後の研究において、文化的および宗教的枠組みが倫理的行動にどのように影響するかをさらに調査する必要があることを示唆しています。
キーワード: 国境を越えた差異、文化的宗教性、寛大さ、道徳的循環、向社会的。
ただし、本研究でのモラルサークルは簡易版で。
ガッチリ、モラルサークル測るならこちらの方が良さそう。
Moral Expansiveness: Examining Variability in the Extension of the Moral World(2017)
https://www.researchgate.net/publication/290157323_Moral_Expansiveness_Examining_Variability_in_the_Extension_of_the_Moral_World
研究の前提となる既存研究の流れ
この研究は複数の学問分野の知見を統合したものです。時系列と論理的な流れに沿って説明します。
1. 道徳的拡張の理論的基盤(1980年代〜)
Peter Singer (1981)『The Expanding Circle』
2. 心理学的実証研究の登場(2010年代)
Crimston et al. (2016)『Journal of Personality and Social Psychology』
Neldner et al. (2018)『PLoS One』
3. 測定尺度の確立(2019年)
Waytz et al. (2019)『Nature Communications』
4. 宗教と道徳行動の研究(2014年〜)
Norenzayan (2014)『Behaviour』
Gebauer & Sedikides (2021)『Current Opinion in Psychology』
5. 文化的宗教性の調整効果研究(2020年代)
Zheng (2024)『Current Psychology』
6. 今回の研究への統合
理論的仮説の形成:
方法論的基盤:
研究の革新性
この研究は初めて個人レベルの心理的要因(道徳的範囲)と文化レベルの要因(宗教性)の相互作用を57か国という大規模データで検証した点で画期的です。これまでの研究は主に単一国家内や限定的な文化比較に留まっていました。
セリグマン先生のIPPAでのお話
https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1967655734045115/
世界中の生きとし生けるものの幸せを願うには。に関する一研究。
→モラルサークルは幼少期は大きい。小学校くらいから小さくなっていく。
https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1943024803174875/