はぴテク相談室:夫婦関係においては、思いやりをベースとしつつも、Give&Takeのスパイスも大
最近、夫婦間の家事分担でモヤモヤしていて…。私は相手のことを思って積極的に家事をしているのに、なんか報われてないというか、関係がうまくいってない気がして。どうしたらいいんでしょう?
それはつらいですね。実は、家事をする「気持ち・動機」と夫婦関係の満足度や幸せとの関係を調べた、とても興味深い最新研究があるんです。学習院大学の宮崎先生が2025年に発表されたもので、共働き夫婦156組を対象にした調査です。一緒に見ていきましょう!
家事をする「動機」が関係するんですか?やるかやらないかじゃなくて?
そうなんです!この研究では、家事をする動機を大きく2つに分けています。ひとつは「思いやり動機」、つまり『パートナーが喜ぶから』『疲れてそうだから代わりにやろう』という相手を思っての行動。もうひとつは「お返し動機」、つまり『昨日やってもらったから今日は自分が』『公平に分担したい』という気持ちです。あなたが今やっているのは、どちらに近い感じがしますか?
どちらかというと…相手を思ってやっている「思いやり動機」のほうだと思います。でも、相手からのお返しが少なくて、なんかしんどくなってきた感じで。
なるほど、それはしんどいですよね。研究の結果を見ると、「思いやり動機が高い人は、幸せ度が高く、夫婦関係満足度も高い」という相関が確認されています。ただし、これは「思いやりを持つこと自体」が本人に良いという話で、相手が同じように返してくれるかどうかは別の問題なんです。一方的に思いやりを注ぎ続けることが、必ずしも関係全体を良くするとは限らないんです。
じゃあ「お返し動機」はあまり良くないんですか?なんとなく打算的な感じがして、使うのが嫌な気がして…。
実は、「お返し動機」が単独で幸せや夫婦関係満足度に直接影響するという結果は出ていないんです。でも、ここが面白いところで、「お返し動機を上手に使い分けること」が夫婦関係満足度の向上と関連していたんです。具体的には、パートナーが冷たい態度をとっている時に、それに合わせて家事のペースを少し落としたり、意識的に「平等」を意識したりする、という調整です。
えっ、相手が冷たい時に、あえてお返し動機寄りにする、ということですか?なんか、愛情がなくなるみたいでちょっと抵抗があるんですが…。
気持ちはよく分かります!でも研究が示しているのは、思いやりをベースにしながらも、相手の態度に応じてお返し動機をスパイスのように使い分けることが、長期的に見て夫婦関係に良い影響と関連していた、ということです。ずっと一方的に与え続けるのではなく、対等な関係であることを意識することも大事、というイメージですね。
なるほど…。「思いやりは大切だけど、一方的になりすぎるのも関係を良くしない」ということでしょうか?
まさにそのイメージです。研究では「配偶者の応答性の知覚」というキーワードが出てきます。これは、「パートナーが自分にどれくらい応えてくれているか」という感覚のことです。相手の反応が冷たい、そっけないと感じる日には、お返し動機を意識した行動にシフトすることが関係満足度と正の関連を示していました。毎日の小さな積み重ねが夫婦関係に影響するということも、8日間の日記調査で明らかになっています。
なんか少し気が楽になりました。思いやりを持ちつつも、ちゃんと相手の態度を見ながら、対等を意識してもいいんですね。ちなみに、夫婦どちらかが幸せになれば、相手にも波及するんでしょうか?
研究では、「夫の幸せ↔夫の夫婦関係満足度↔妻の夫婦関係満足度↔妻の幸せ」がすべて相関し合っているという結果も出ています。つまり、夫婦の幸せと関係満足度はお互いにつながり合っている、ということが示されています。ただし、これはあくまで「関係がある」という話で、どちらかを上げれば必ずもう一方が上がると因果関係が証明されたわけではありませんので、その点はご注意を。
ありがとうございます!「思いやりをベースにしながら、相手の態度を見て上手にバランスをとる」という心がけを意識してみます。なんかすっきりしました!
素敵な気づきですね!まとめると、思いやり動機を大切にしつつ、相手がそっけない時には意識的に「対等・平等」を意識したお返し動機を使い分けることが、夫婦関係を長く良好に保つヒントになりそうです。あなたの関係が少しでも良くなっていくといいですね😊
■ 今日のまとめ
- 思いやり動機(相手を思って家事をすること)が高い人は、幸せ度・夫婦関係満足度が高いという相関が確認されています。
- お返し動機(平等や返礼を意識した行動)は単独では幸せや満足度に直接影響しないものの、相手の態度が冷たい時に上手に使い分けることが夫婦関係満足度の向上と関連していました。
- 夫婦の幸せと関係満足度はお互いに相関し合っており、思いやりをベースにしつつも一方的になりすぎず対等なバランスを意識することが大切なようです。
■ 出典・注意事項
- 宮崎弦太(2025)「配偶者の応答性知覚に応じた共同的動機と交換的動機の調整:夫婦関係の良好さと主観的幸福感との関連」社会心理学研究, 40(3). https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssp/40/3/40_2023-035/_article/-char/ja
- 【注意事項】本研究は相関研究であり、「思いやり動機が高いから幸せになる」という因果関係が証明されたわけではありません。
- 【注意事項】対象は共働きの既婚夫婦156組(日本)であり、異なる状況・文化・家族形態への一般化には限界があります。
- 【注意事項】動機の「使い分け」の効果も、観察された相関に基づくものであり、特定の行動を取れば必ず結果が変わるとは言えません。
研究自体の紹介はこちら😊
夫婦関係においては、思いやりをベースとしつつも、Give&Takeのスパイスも大
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-06-09-1749506542/