2025.03.03

はぴテク相談室:B型はモテない?血液型差別から見る差別の構造

相談者

あの…ちょっと聞きにくいんですけど、私B型なんです。就活のときも合コンでも「あ、B型ね」って言われるたびになんか損してる気がして。これって気のせいですかね…?

はぴテクさん
はぴテクさん

気のせいじゃないかもしれません。実は2025年に経済産業研究所から、まさにその問いに答える研究が出たんです。日本の約4000人のデータを分析したところ、B型の人は他の血液型と比べて結婚率が約7%低く、失業率は2倍以上、40歳未満の男性では年収が68万円も低いという結果が出ていました。数字で見るとかなり衝撃ですよね。

相談者

えええ!?年収68万円も低いって本当ですか?でも血液型って生まれつきのものだから、実際に性格が違うってことなんじゃないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこが面白いところなんです。同じ調査をアメリカでも行ったところ、アメリカでは血液型による差はまったく見られなかったんです。血液型による生物学的な影響があるなら、アメリカでも同じ差が出るはずですよね。つまりこの差は、血液型そのものではなく、「B型は自己中心的」という社会的な思い込みが生み出したものだと考えられるんです。

相談者

なるほど…。でも思い込みだけでそんなに大きな差が出るんですか?採用担当者が意識的に差別してるってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

差別のルートは2つあると研究では整理されています。一つは「直接的な差別」。実際に2000年代には、エントリーシートに血液型を書かせて面接でB型だとわかったら不採用にする、という会社が実在したとの記録もあります。もう一つはもっと見えにくい「間接的な差別」で、これが「自己成就予言」と呼ばれる現象です。

相談者

自己成就予言…?どういう意味ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

「あなたはこういう人間だ」と言われ続けると、本人がそれを信じてそのように行動してしまう、という現象です。研究では面白い検証をしていて、「子どもの頃、夏休みの宿題をいつやったか」という質問を使っています。すると、血液型ブームが広まった後に子ども時代を過ごした世代(40歳未満)のB型は宿題を先延ばしにする傾向があったけれど、ブーム前に育った40代以上では差がなかったんです。

相談者

うわあ…。「B型はマイペース」って言われ続けたことが、実際の行動に影響してたってことですか。それって怖いですね。じゃあ私も影響を受けてるってことかな…

はぴテクさん
はぴテクさん

その可能性はありますよね。ただ、大事なのはこれが「生まれつきの性格」ではなく、「社会的なラベルの影響」だということが研究で示されていることです。つまり、もともとB型に特有の性格が存在するわけではない、というのがこの研究の核心なんです。ラベルが先にあって、行動がそこに引き寄せられていた、ということです。

相談者

そう聞くとなんかすごく腑に落ちました。でも、じゃあどうすればいいんでしょう?ラベルをはがすってどうやって?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者自身もこう述べています。「幸せになるという予言を持てれば、人はそちらに向かって動いていくのではないか」と。自己成就予言は、ネガティブな方向にも、ポジティブな方向にも働きうる仕組みです。「B型だからダメ」ではなく、自分の実際の行動や経験に基づいた自己イメージを育てることが、ひとつの対抗策になりうると思います。

相談者

なるほど。ラベルそのものを疑うっていう視点が大事なんですね。でも周りの人がまだB型差別的な発言をしてきたらどうすれば…

はぴテクさん
はぴテクさん

そういうときは、この研究の事実を静かに伝えるのも一つの方法です。「アメリカでは血液型による差は出なかった」「ブーム前の世代には差がなかった」という事実は、「これは社会が作った話であって、生物学的な話ではない」ということを示す、なかなか強い根拠です。感情的にならずに「面白い研究があってね」と話すだけで、相手の認識が変わることもありますよ。

相談者

それ、やってみます!なんか今日話してすごく気が楽になりました。B型だから不利なんじゃなくて、社会の思い込みが問題だったんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。この研究が示しているのは、差別は「根拠のないラベル」から始まり、社会全体でそれを信じることで現実の格差になっていく、という構造です。それはB型差別に限らず、さまざまな偏見にも共通するメカニズムです。ご自身の価値は血液型には関係ない、ということを、データが裏付けてくれていますよ。

■ 今日のまとめ

  • B型への不利(結婚率・失業率・年収の差)は、アメリカでは見られなかったことから、血液型そのものではなく「社会的な思い込み」が生み出した差である可能性が示されています。
  • 「言われ続けるとそうなる」自己成就予言の影響も確認されており、血液型ブーム後に育った世代のB型に宿題先延ばし傾向がみられた一方、ブーム前の世代には差がありませんでした。
  • ラベルはポジティブな方向にも作用しうる。根拠のない偏見を疑い、自分の実際の経験に基づく自己イメージを持つことが、自己成就予言への対抗につながる可能性があります。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Quantifying Social Construction: Evidence from blood type discrimination in Japan/経済産業研究所(RIETI), 2025年2月25日 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/25020013.html

  • 【注意事項①:相関と因果】本研究は観察データによる分析であり、血液型差別が格差を「引き起こした」と断定するものではなく、両者の関連を定量化したものです。

  • 【注意事項②:データの限界】使用データは2005〜2006年の約4000人の標本であり、最新の状況や現在の格差をそのまま反映しているわけではありません。

  • 【注意事項③:男女差】有意な差が確認されたのは主に男性であり、女性については有意な差は見られませんでした。当時の雇用における男女差や、女性の調査回答者の多くが専業主婦だったことが背景として挙げられています。

  • 【注意事項④:自己成就予言の範囲】自己成就予言の証拠は「宿題の先延ばし行動」という限定的な項目で確認されたものであり、性格全般への影響については研究間で結論が一致していません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
B型はモテない?血液型差別から見る差別の構造
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-03-03-1741039752/

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