2025.01.03

はぴテク相談室:意見の合わない人と会話をするのは、思っているほど悪いことではない

相談者

最近、職場でちょっと政治的な話題になったとき、同僚と意見が全然違うことに気づいて…。それ以来なんとなく気まずくて、その人とは当たり障りのない話しかできなくなっちゃったんです。意見が違う人とは深く話さない方がいいのかなって思い始めてて。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気まずさを感じてしまいますよね。でも実は、その「意見が違う人と話すのは怖い」という感覚、多くの人が持っているんですが、研究を見るとちょっと面白いことが分かっているんですよ。

相談者

え、どんなことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

ペンシルバニア大学のウォルド先生たちが2024年に行った研究なんですが、1,264人のアメリカ人を対象にした3つの実験で、「意見が違う人と話す前」と「話した後」の気持ちを比べてみたんです。すると、話す前は「きっと嫌な経験になるだろうな」と思っていた人が多かったのに、実際に話してみたら予想よりずっとポジティブな体験だったという結果が出たんです。

相談者

えっ、そうなんですか?でも意見がぶつかったりしないんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろん意見はぶつかりますよ。でも研究によると、特に対面で話した場合、意見が合う人と話したときとほぼ同じくらいポジティブな体験として感じられたんです。それだけじゃなくて、意見が違う人との会話の方が、意見が合う人との会話より「学びが多い」とも感じられていました。

相談者

なんで事前の予想と実際の体験がそんなにズレちゃうんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究ではいくつか理由が挙げられていて、一つは「共通点を過小評価してしまう」こと。意見が違うと思うと、そっちにばかり目がいって、実は共有している部分がたくさんあることを忘れがちなんですよね。もう一つは「会話そのものが持つ社会的なつながりを生み出す力」を事前には想像しにくいこと。実際に顔を見て話すと、不思議とつながりを感じやすくなるんです。

相談者

確かに…。同僚とも、意見が違う話題以外では普通に仲良くしてたんですよね。でもなんでこんなに「嫌な体験になりそう」って思い込んじゃうんでしょうね。

はぴテクさん
はぴテクさん

それには別の2024年の研究も関係していて、SNSやネットの影響が大きいかもしれないと言われています。ネット上の討論って激しいものが目立ちやすくて、それが「意見の対立ってああいうものだ」という印象を作ってしまいがちなんです。でも実際の日常会話、特に顔を合わせてする会話は、ネット上のものとはかなり違って、もっと感情的に複雑で、後からポジティブな気持ちになることも多いと報告されています。

相談者

言われてみると、ネットで見る議論ってすごく攻撃的で怖い感じがしますよね。それが「意見が違う人と話す=危険」みたいなイメージになってるのかも。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうなんです。研究者たちは「ネット上の否定的なコンテンツが増幅されやすいこと」「人間はもともとネガティブな情報に引っ張られやすいこと」、この2つが重なって、現実の対話がどんなものかという認識がゆがんでしまっていると言っています。実際には、意見の違いがあっても、対話を通じてお互いをより好きになったり、相手に好かれていると感じたりする体験が起きていたんです。

相談者

じゃあ、その同僚ともう一度ちゃんと話してみる価値はあるかもしれない、ってことですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の結果からは、そういう対話を試みること自体が思っているよりずっとポジティブな体験になる可能性がある、と示されていますよ。ただし、これはあくまで実験の結果であって「必ずそうなる」と保証するものではないですし、対象がアメリカ人であることも頭に置いておいてほしいんですが、「どうせ嫌な思いをするだけだから話さない」という思い込みは、ちょっと疑ってみてもいいかもしれませんね。

相談者

なんか少し気持ちが軽くなりました。避けることで学びやつながりの機会を自分で消してしまっていたのかもって思います。

はぴテクさん
はぴテクさん

その気づき、すごく大事だと思います。研究では、意見が違う人との対話を避けることで「学習・社会的つながり・自由な意見交換」への障壁を自分で作ってしまう可能性があると指摘しています。当たり障りのない話も大切ですが、たまには「ちょっと違う意見の話もしてみようかな」くらいの軽い気持ちで試してみると、意外な発見があるかもしれませんよ。

■ 今日のまとめ

  • 意見が違う人と話す前は「嫌な体験になりそう」と多くの人が予想するが、実際に話してみると予想よりずっとポジティブな体験だったことが研究で示されている
  • 対面での会話では、意見が合う人と話すときとほぼ同じくらいのつながりや楽しさを感じられ、さらに意見が合う人との会話より学びが多いと感じられる傾向があった
  • ネット上の激しい討論が目立つことで「意見の違い=不快・危険」という認識がゆがんでいる可能性があり、その思い込みが対話の機会を減らしてしまっているかもしれない

■ 出典・注意事項

  • 【主要論文】Wald, C. A., Kardas, M., & Epley, N. (2024). Misplaced Divides? Discussing Political Disagreement With Strangers Can Be Unexpectedly Positive. Psychological Science, 2024. https://www-2.rotman.utoronto.ca/userfiles/brownbags/marketing/files/WaldKardasEpley.pdf

  • 【紹介記事】The Top 10 Insights from the Science of a Meaningful Life in 2024. Greater Good Magazine, 2024/12/19. https://greatergood.berkeley.edu/article/item/the_top_10_insights_from_the_science_of_a_meaningful_life_in_2024

  • 【注意事項】この研究はアメリカ在住の成人1,264人を対象とした実験であり、結果が日本の文化的背景や職場環境にそのまま当てはまるとは限りません

  • 【注意事項】実験では主に見知らぬ人との対話が扱われており、職場の同僚など既存の関係性への適用には限界があります

  • 【注意事項】研究は相関・傾向を示すものであり、「対話すれば必ずポジティブな結果になる」という因果関係を証明するものではありません

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
意見の合わない人と会話をするのは、思っているほど悪いことではない
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-03-1735943303/

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