2024.11.22

はぴテク相談室:人は何故寄付をするのか

相談者

最近、なんだか毎日時間に追われてる感じがして、余裕がないんです。何かちょっとした気分転換になることってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それはつらいですね。実は、研究の知見の中に「寄付をすると時間に追われる感覚が和らぐ」という面白い話があるんです。意外に思いますか?

相談者

えっ、寄付ですか? お金を出すのに、むしろ余裕が生まれるってどういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

不思議ですよね😊 複数の研究分野(心理学・神経生理学なども含む)の知見をまとめた調査によると、寄付をすることはストレスホルモンを減らしたり、自己効力感――「自分には何かできる」という感覚――や「人生に意味がある」という感覚を高めることと関連していると報告されています。時間の余裕感についても同様に言及されています。

相談者

へえ! でも寄付って、そもそも「人のためにやるもの」ですよね。自分が楽になるために使うのって、なんか利己的な気がして…。

はぴテクさん
はぴテクさん

その感覚、すごく正直でいいと思います。でも、研究では「寄付する側からみた合理性」という表現が使われていて、社会学・経済学・心理学などどの分野からも「寄付する人にとっての合理性は支持されている」と整理されているんですよ。つまり、自分にもメリットがあるからこそ続けやすい、という見方もできます。

相談者

なるほど。でも日本って寄付する文化、あまりないイメージがあります。

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね! 実際、世界寄付指数という国際調査では、日本は142カ国中139位とほぼ最下位レベルです。ただ面白いことに、アンケートでは日本人の多くが「社会貢献はしたい」と思っていることも分かっています。では、なぜ寄付しないのか? その理由の第1位は「寄付したお金がきちんと使われるか不安」というものでした。

相談者

あ〜、それは私も思います。どこに消えるか分からないと、ちょっと怖いですよね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさに! だから吉田先生の研究では、「資金の使い道を明確にすれば、潜在的に寄付したい人の意欲を引き出せる」という考え方で、新しい寄付の仕組みが提案されています。例えば、困っている家庭の給食費や光熱費をアプリ経由で直接代わりに払う、という形にすることで「自分のお金が何に使われたか」がはっきり分かる設計です。

相談者

それなら安心感がありますね! でも、そういうアプリって今もあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

提案の段階のものは論文の中で紹介されていますが、今すぐ試せるものとして、国連世界食糧計画の「Share the meal(シェア・ザ・ミール)」というアプリが85円という少額から使えます。寄付先も選べるので、「何に使われるか」がある程度見えやすい構造になっています😊

相談者

85円なら試しやすいですね。でも、これで本当に自分の気持ちが変わるかどうか…

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろん「やれば必ずこうなる」と断言できるものではないです。研究で示されているのは「寄付する人に見られる傾向」であって、因果関係が完全に証明されたものではない点は押さえておいてください。それでも、「時間に追われてるなと感じたときにちょっとやってみる」くらいの気軽さで試してみる価値はあると思いますよ😊

相談者

そう言ってもらえると気が楽になりました。まず少額からやってみます!

■ 今日のまとめ

  • 寄付は、ストレスホルモンの低下・自己効力感や人生の意味の向上・時間的余裕感との関連が複数の学術分野から報告されており、「する側にも合理性がある」行動として研究されています。
  • 日本の寄付が少ない最大の理由は『お金の使い道が不安』という調査結果があり、使途を明確にする仕組みがあれば潜在的な寄付意向を引き出せる可能性が示されています。
  • 少額・使途明確な寄付プラットフォームを気軽に試してみることが、寄付習慣の第一歩になりえます。ただし研究はあくまで関連性の報告であり、効果を保証するものではありません。

■ 出典・注意事項

  • 吉田悦章「フィンテックを活用した寄付プラットフォームによる互恵的困窮層救済システムの基本設計」全労済協会公募委託調査研究報告書, 2024/11/21 https://www.jstage.jst.go.jp/article/zrskobo/85/0/85_69/_pdf

  • 【注意事項】本研究は寄付プラットフォームの設計提案を目的とした報告書であり、寄付と幸福感等の関係は複数分野の先行研究の集約として紹介されているものです。寄付が幸福感を高めることを直接実証した研究ではなく、相関・関連として示されたものである点にご注意ください。

  • 【注意事項】世界寄付指数(World Giving Index)の順位は調査年によって変動する可能性があります。また、アンケート結果は回答者の属性・設問設計に依存するため、日本全体の意識を完全に代表するものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
人は何故寄付をするのか
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-22-1732312803/

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