2024.03.10

はぴテク相談室:優しい曲は胸に響き、ハッピーな曲は手足に広がる

相談者

最近、音楽を聴いていると気持ちが落ち着くことがあるんですが、なんか不思議で。曲によって「胸にくる」とか「体が動きたくなる」とか、感じ方が違う気がして。これって自分だけの感覚なんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、全然あなただけじゃないですよ!実はその感覚、科学的にも確認されているんです。フィンランドの研究チームが、音楽を聴いたときに体のどこで感じているかを1900人以上に調べた研究があって、曲の種類によって感じる体の部位がはっきり変わることがわかっているんです。

相談者

えっ、そんな研究があるんですね!具体的にはどういう感じで変わるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

例えば、優しくて穏やかな曲、たとえば悲しげなバラードのような曲は「胸のあたり」で感じやすい傾向があります。一方、テンポが速くて明るい、ハッピーな雰囲気の曲は「手足や体全体」に広がって感じられやすいんです。まさにタイトル通り「優しい曲は胸に響き、ハッピーな曲は手足に広がる」という感じですね。

相談者

確かに!失恋の曲を聴くと胸がキュってなりますし、アップテンポな曲だと足でリズムとりたくなります。でもそれって、育った文化とかで変わったりしませんか?

はぴテクさん
はぴテクさん

とても鋭い質問ですね!研究では、西洋人(欧米の人)と東アジア人(中国の人)に両方試したんですが、結果がほぼ同じだったんです。西洋の曲もアジアの曲も使ったのに、感じる体の部位のパターンが文化を越えて一致していました。これって「文化や学習よりも、人間として生物的に共通した何かがある」可能性を示しているんですよね。

相談者

文化を越えて同じなんですか、それはすごいですね。じゃあ「幸せな気分のとき」と「悲しいとき」でも、感じる場所って違うんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実は音楽だけじゃなく、感情そのものについても同様の研究があるんです。2014年にも「感情を体のどこで感じるか」という研究が発表されていて、幸せは頭から足まで体全体で感じられる感情、一方で悲しみは特に胸のあたりで強く感じられることが示されています。こちらも西ヨーロッパと東アジアで同じ結果でした。

相談者

幸せは全身で感じるんですね!なんかそれ聞いてちょっと嬉しくなりました(笑)。音楽を聴いて体がポカポカする感じって、まさにそれかもしれないです。

はぴテクさん
はぴテクさん

そのポカポカ感、すごく大事だと思います。研究では、こういう体の感覚が「意識的に感じる感情そのもの」を作り出すのに重要な役割を果たしている可能性があるとも言われています。つまり体で感じることと、気持ちで感じることはセットなんですよね。

相談者

なるほど、体と気持ちってそんなにつながってるんですね。じゃあ気分をよくしたいときに、意識的に音楽を使うってありですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の結果からすると、ハッピーな感情を呼び起こしやすい音楽的な特徴(テンポや音の構造など)は、文化を越えて体全体の活性化感覚と関連していることがわかっています。ただ、これはあくまで「関連がある」という話で、音楽を聴けば必ず気分が上がるとまでは言えないので注意が必要です。でも自分が「全身が動きたくなるような曲」と感じるものを選ぶのは、自然に理にかなったことかもしれませんね。

相談者

「関連がある」と「必ずそうなる」は違うんですね、気をつけます。ちなみに、胸で感じるしんみりした曲も、聴いていて心地よかったりするんですが、それも変じゃないですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

全然変じゃないですよ!研究では「音楽によって誘発される感情と体感覚のパターン」が曲の感情的な質によって変わると示しているだけで、胸に響く穏やかな曲が心地よいのは自然な反応です。悲しい曲や静かな曲でも、体がそれを「感じている」こと自体が、豊かな音楽体験の証とも言えますよね。

相談者

なんか今日の話を聞いて、音楽の聴き方が変わりそうです。今度から「あ、今どこで感じてるんだろう」って意識してみようと思います!

■ 今日のまとめ

  • 音楽を聴いたときに体のどこで感じるかは曲の種類によって変わり、優しい曲は胸、明るくハッピーな曲は手足や全身に広がりやすい傾向がある
  • この「体で感じる感覚のパターン」は西洋と東アジアで共通しており、文化や学習よりも人間に共通した生物学的な要因が関係している可能性がある
  • 感情と体の感覚はセットであり、幸せは全身で、悲しみは特に胸で感じられやすいことも別研究で示されている

■ 出典・注意事項

  • 【主要論文】Nummenmaa et al. (2024). Bodily maps of musical sensations across cultures. Proceedings of the National Academy of Sciences, 121(5). https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2308859121

  • 【関連論文】Nummenmaa et al. (2014). Bodily maps of emotions. Proceedings of the National Academy of Sciences, 111(2), 646-651. https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1321664111

  • 【注意事項】これらの研究は「関連・対応関係」を示したものであり、音楽を聴くことが感情や体感覚を直接引き起こすという因果関係を証明したものではありません

  • 【注意事項】参加者が自分で「どこで感じたか」を報告する主観的な手法(身体シルエットへの色付け)を用いており、実際の生理的反応を直接計測したものではありません

  • 【注意事項】研究対象は欧米人・中国人が中心であり、他の文化圏への一般化には慎重さが必要です

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
優しい曲は胸に響き、ハッピーな曲は手足に広がる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-03-10-1710037055/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 神経科学・生物学的基盤感情・レジリエンス文化と幸福・日本的幸福

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