2025.12.28

はぴテク相談室:「仕合わせ」 と地域ウェルビーイング

相談者

最近、なんとなく毎日が単調で、「幸せってなんだろう」ってぼんやり考えちゃうんです。仕事もあって、生活も安定してるのに、なんか満たされない感じがして…。

はぴテクさん
はぴテクさん

その感覚、すごく大事なサインだと思います。実は最近、長崎県立大学の村上昂音先生が「仕合わせ」という言葉と地域のウェルビーイングについて研究を発表されていて、そこにヒントがあるかもしれません。まず聞いてほしいんですが、「幸せ」って言葉、どんなイメージがありますか?

相談者

うーん、明るくて、前向きで、楽しい状態…みたいな感じですかね。ハッピー!みたいな。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね。今の「幸せ」ってそういうイメージが強いですよね。でも、日本古来の「仕合わせ」という言葉はちょっと違うんです。平安時代には「物事の成り行きがうまく合うこと」「巡り合わせがよいこと」という意味で、運命とか偶然とか、自分でコントロールできない力も含んでいたんです。

相談者

へえ!「幸せ」って英語のハッピーみたいな意味だけじゃなかったんですね。でも、それが今の自分の「満たされない感じ」とどうつながるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

いい質問です!村上先生の研究では、長崎県の小値賀島という離島で、「よそ者」つまり島外から来た人を受け入れる実践を事例に分析しているんです。そこで見えてきたのが、偶然の出会いや縁、予測できない巡り合わせがウェルビーイングと深く結びついているということなんです。

相談者

小値賀島…!離島での暮らしって、すごく自分とは遠い世界な気がします。でも「よそ者を受け入れる」って、どういうことなんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

島の人たちが、外から来た人を迎え入れて、一緒に何かをつくっていく実践なんです。「おてつたび」というサービスがまさにその体験を提供していて、今年の流行語大賞にもノミネートされたくらい注目されています。島の人も来た人も、どちらも予期しない出会いや縁が生まれる。その「計画してなかった巡り合わせ」こそが「仕合わせ」の本質なんですね。

相談者

なるほど…。私が感じてる「満たされなさ」って、もしかして毎日が計画通りすぎて、偶然の余地がない感じかもしれないです。

はぴテクさん
はぴテクさん

それはとても鋭い気づきだと思います!研究が示しているのは、「仕合わせ」という概念には、自分の力だけでなく、環境や偶然、他者との縁が絡み合うという視点が含まれているということです。現代の「幸せ」観って、自分の努力や選択で手に入れるもの、というイメージが強くなりがちですよね。

相談者

確かに。「自分で幸せをつかまなきゃ」ってプレッシャーみたいなものを感じてたかもしれないです。偶然や縁に任せる部分があってもいい、ってことですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです。研究が示す「仕合わせ」の考え方では、自分でコントロールできないこと、予期しない出来事や出会いも、ウェルビーイングの一部として捉えられています。「全部自分でつくらなきゃ」じゃなくて、「流れに乗る、縁を大切にする」という視点も豊かさのひとつなんですね。

相談者

なんかすごく楽になった気がします。具体的に何か試せることってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

たとえば、いつもと違うルートで帰ってみるとか、声をかけたことのない人に話しかけてみるとか、小さな「計画していない体験」を意図的に作ってみることは一つの方法かもしれません。先ほどの「おてつたび」のように、知らない土地で地域の人と一緒に何かをする体験も、「仕合わせ」的なウェルビーイングに近い体験ができそうですよね。ただ、これはあくまで研究の事例から得られるヒントで、必ずしも全員に同じ効果があるとは限りません。

相談者

「おてつたび」、気になってました!ちょっと調べてみます。なんか「幸せ」に対する見方がガラッと変わった感じがします。ありがとうございます!

はぴテクさん
はぴテクさん

よかったです!「幸せ=常にハッピーな状態を自分でつくるもの」じゃなくて、「仕合わせ=偶然や縁も含めた巡り合わせ」という視点を持つだけで、日常がちょっと違って見えてくるかもしれませんね。偶然の余地を少し残しておくことを、楽しんでみてください😊

■ 今日のまとめ

  • 「仕合わせ」は平安時代から続く日本古来の言葉で、偶然・縁・どうにもならない力も含んだ「巡り合わせ」を意味し、現代の「幸せ(ハッピー)」とは異なる広がりを持つ。
  • 小値賀島の事例研究では、「よそ者」を受け入れる実践を通じて、予期しない出会いや縁がウェルビーイングと結びついていることが示されている。
  • 「全部自分でコントロールして幸せをつかむ」という視点に加えて、偶然や環境・他者との縁に開かれていることも、ウェルビーイングの一つのあり方として捉えられる。

■ 出典・注意事項

  • 村上昂音「『仕合わせ』と地域ウェルビーイング―小値賀島における『よそ者』受入の実践から―」長崎県立大学研究紀要, 2025年12月22日発行 https://reposit.sun.ac.jp/dspace/handle/10561/2186

  • 【注意事項】本研究は長崎県小値賀島という特定の地域・事例を対象にした質的研究です。得られた知見がすべての地域・個人に当てはまるとは限りません。

  • 【注意事項】本研究で示されているのは事例の記述・概念的考察であり、「仕合わせ的体験がウェルビーイングを高める」という因果関係を実証したものではありません。相関・関連性についても一般化には慎重さが必要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
「仕合わせ」 と地域ウェルビーイング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-12-28-1766913956/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 ありがとうなんとかなるありのままに 文化と幸福・日本的幸福地域・自治体ウェルビーイング

← 検索にもどる