2025.09.28

はぴテク相談室:幸せな人(つながり、貢献、親切)は、老化が遅い

相談者

最近、なんとなく老けてきたなって感じることが多くて…。肌とか体力とか。どうしたら若々しくいられるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね。実は2025年にコーネル大学のオング先生たちが発表した最新研究で、とても興味深いことがわかったんです。「社会的なつながり」が、細胞レベルの老化と関係しているという研究です。スキンケアや運動の話ではないんですが、聞いてみますか?

相談者

えっ、つながりが老化に関係するんですか?どういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい。この研究では、アメリカの成人2117人のデータを使って、「社会的なつながりの豊かさ」と「エピジェネティック老化」という生物学的な老化の指標との関係を調べました。エピジェネティック老化というのは、DNAの使われ方のパターンから年齢を推定する「体の内側の時計」のようなものです。つながりが豊かな人ほど、この時計が遅く進んでいた、つまり細胞レベルで老化が遅い傾向があったんです。

相談者

すごい…!でも「つながり」って具体的にどんなことを指すんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、4つの時期・場面のつながりを総合的に見ています。①子どもの頃に両親から受けた温かさやサポート、②近所や地域とのつながり、③宗教・信仰のコミュニティへの関わり、④友人や家族からの精神的サポート、です。どれか一つではなく、人生を通じて積み重なったつながりの厚みが大事だということですね。

相談者

人生全体を通じてなんですね。じゃあ今からでも何か変えられることはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろんです。研究の中で、老化の遅さと特に関係が深かった要素が4つ挙げられています。一番大きかったのが「社会的統合」、つまり地域の人と親しく感じているかどうか(全体への寄与18.5%)。次に「家族や友人との個人的で相互的な会話を楽しんでいるか」(10.5%)、「世界に与えられる価値あるものを持っていると感じるか=貢献感」(9.7%)、「人々は親切だと信じているか」(7.7%)という順でした。

相談者

「人々は親切だと信じている」っていうのも関係するんですね。なんか意外でした。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです!これは「社会的受容」と呼ばれていて、世の中の人を基本的に信頼できると感じているかどうかですね。孤立感が少なく、周りに対してオープンでいられる状態が、体の炎症物質(インターロイキン-6というもの)の低さとも関連していました。慢性的な炎症は老化を早める要因のひとつとされているので、つながりや信頼感がそこに関わっているのは興味深いですよね。

相談者

炎症まで関係しているんですか!じゃあ、今の私にできることって何でしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者のオング先生はこんな言葉を使っています。「社会的なつながりを、退職金口座のように考えてみてください。早く始めて、継続的に積み立てるほど、リターンが大きい」と。今日からできることで言えば、近所の人に声をかけてみる、友人と少し深い話をする、地域の活動に顔を出してみる、といったことが「つながりの積み立て」になりそうですね。

相談者

「つながりの積み立て」、いい表現ですね。貢献感というのも気になりました。自分が誰かの役に立てているって感じることが大事ということ?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです。「自分は世界に与えられる何かを持っている」という感覚ですね。これは大きなことじゃなくてもよくて、友人の話を聞く、家族のご飯を作る、地域の清掃に参加する、といった日常の小さな行為も「貢献」になります。そういった積み重ねが、この研究で言う社会的なつながりの厚みになっていくんだと思います。

相談者

なるほど…。ちょっと元気が出てきました。ただ、これって科学的にどこまで確かなんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

とても大切な視点です。この研究は「関連がある」ことを示したものです。つながりが豊かな人のほうが老化が遅い傾向があった、ということはわかっていますが、「つながりを増やしたから老化が遅くなる」という因果関係は、まだ今後の研究で確認が必要です。また対象はアメリカの成人なので、日本の私たちにそのままあてはまるかは慎重に見る必要があります。でも、つながりや貢献感を大切にすることは、日常生活をより豊かにしてくれることは確かですよね。

相談者

はい、完全に証明されてなくても、日常を大切にするヒントとして受け取れますね。今日からちょっと意識してみようと思います!

■ 今日のまとめ

  • 社会的なつながり(地域・家族・友人・コミュニティ)の豊かさが、細胞レベルの生物学的老化の遅さと関連していることが、2117人を対象にした研究で示されました。
  • 老化の遅さと特に関係が深かったのは、①地域との一体感、②家族・友人との深い会話、③貢献感、④他者への信頼感の4つで、全身の炎症物質(IL-6)の低さとも関連していました。
  • これは相関を示した研究であり因果は未確定ですが、「つながりを退職金口座のように積み立てる」という発想で、日々の小さなつながりや貢献を意識することが一つのヒントになりそうです。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Anthony D. Ong, Frank D. Mann, Laura D. Kubzansky. 'Cumulative social advantage is associated with slower epigenetic aging and lower systemic inflammation.' Brain, Behavior, & Immunity - Health, 2025/9/9. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666354625001541

  • 【注意事項①・相関と因果】この研究は「社会的つながりの豊かさ」と「エピジェネティック老化の遅さ」の関連(相関)を示したものです。社会的つながりを増やすことが直接老化を遅らせるという因果関係は、現時点では確認されていません。

  • 【注意事項②・対象集団の限界】研究対象はアメリカの成人(MIDUS研究)2117名であり、日本を含む他の文化・集団にそのまま一般化できるかは慎重に解釈する必要があります。

  • 【注意事項③・測定方法】エピジェネティック老化はDNAメチル化パターンから推定する生物学的指標(GrimAge・DunedinPACEなど)であり、見た目や体感の老化と必ずしも一致するものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
幸せな人(つながり、貢献、親切)は、老化が遅い
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-09-28-1759085437/

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